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【コラム】歯科医師会が推奨取り消し!?歯間ブラシを使用すると虫歯や歯肉炎を予防できるのでしょうか?

 小林製薬株式会社は、2024年9月13日付で「オーラルケア製品の表示に関するお詫びとお知らせ」をウェブサイトにて公開しています小林製薬.2024.9.13

 同社が製造販売していたオーラルケア製品の中には、公益社団法人日本歯科医師会による推薦を受けた商品もあり、製品パッケージやWebサイトなどにおいて「日本歯科医師会推薦」と表示をしていました。しかし、2024年8月29日付で歯科医師会による当該推薦が取り消されたとのことです。
 
 推薦の取り消しを受け、当該商品の製品パッケージやWebサイトの推薦表示を取りやめるとともに、「糸ようじ」や「やわらか歯間ブラシ」などのオーラルケア製品について、一時的な販売休止の措置を決定しています。ただし、対象製品のパッケージ等の変更の準備が整い次第、対象製品の販売を再開予定とのことです。
 
 小林製薬といえば、紅麹成分を含有したサプリメント製品による健康被害が社会問題となりました。マスメディアの報道によれば、日本歯科医師会が推薦取り消しの理由は、紅麹原料を含むサプリメントの健康被害問題を巡る原因究明や再発防止策の策定が完了していないことを受け、「企業として製造工程の安全管理の観点から推薦する基準を満たしていないと判断した」とのことです日本経済新聞.2024,9.13
 
 つまり、歯間ブラシや糸ようじの効果に関する理由ではなく、小林製薬の社会的責任をめぐる問題が理由だったというわけですね。とはいえ、歯間ブラシや糸ようじに、歯科医師会が推薦するほどの効果が期待できるものなのでしょうか。
 今回の【コラム】では、これらオーラルケア製品(歯間清掃器具)の有効性をレビューしてみたいと思います。

歯間清掃器具の効果に対する不確実性

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