【コラム】OTC医薬品濫用の実態と、濫用者の特徴に関する研究報告
OTC医薬品の不適切使用が社会問題として関心を集める中、2023年4月1日に「濫用等のおそれのある医薬品」の範囲が変更されました(厚生労働省告示第二百五十二号/令和五年一月一三日厚生労働省告示第五号)。
具体的には、エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ブロモバレリル尿素、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリンを配合したOTC医薬品について、原則として1人1包装(1箱、1瓶等)までの販売となっています(厚生労働省.2023年3月)。
OTC医薬品は種類も豊富であり、配合されている成分のバリエーションも膨大です。さらに、濫用されるOTC医薬品の種類も国によって異なります。日本においては、OTC医薬院の濫用に関心が集まっているにも関わらず、濫用者の臨床的な特徴については良く分かっていませんでした。
そのような中、OTC医薬品の濫用状況や乱用者の臨床的特徴を検討した研究が、2024年2月1日付で日本神経精神薬理学雑誌に報告されました(Tanibuchi ,et al.2024. PMID: 38299253)。
今回のコラムでは、同論文を詳しく解説するとともに、OTC医薬品の濫用に関する考察を整理します。
日本におけるOTC医薬品の濫用
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