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(14) ミツビシ ディアマンテ2.5V-SE(FF)(1993年)

ミツビシ ディアマンテ2.5V-SE(FF)(1993年)
所有期間 2000年6月~2001年3月

■ミツビシ ディアマンテ2.5V-SE(FF)  について
バブル真っただなかの平成2年5月に3ナンバーサイズの三菱のアッパーミドルサルーンとしてデビューした4ドアハードトップ。
V6エンジンをFF&4WDのシャーシに搭載し、新設計の3ナンバーボディで三菱ギャランの上位車種としての位置づけを担い、以降の日本の上級サルーンの定番である「3ナンバーボディ&2リットルオーバーエンジン」の先駈けとなった。
デビュー当時のテレビCMでは「あのクルマとは違う」という意味深なキャッチコピーを用いるなど、販売でも意欲的な姿勢が見られ、バブル景気も手伝い売れ行きも好調でいちやく人気車種の仲間入りをした。
搭載エンジンはV6DOHC3000ccおよびV6DOHC2500ccをメインに、下位グレードにはFFモデルのみV6SOHC2000ccを搭載した。
また、駆動方式はFFと4WDであり、これまでの上級サルーンとは一線を画す存在であった。
また、三菱らしく、ハイテク装備を満載し、上級グレードに至っては「ついていないものはなにもない」と言っても過言ではないほどの充実ぶりであった。
平成4年10月に外観・内装等のマイナーチェンジをおこなったほか、小変更や特別仕様、限定モデルなどの投入などを繰り返し、デビューから5年後の平成7年にフルモデルチェンジ。現行型の2代目ディアマンテとなった。
初代ディアマンテの場合、価格レンジが広く、上級グレードと廉価グレードの価格差が200万円以上もあるなど、グレードによってライバル車種が異なるが、スペックなどから一般的に言われていたライバル車種はトヨタ・ウインダム、日産・セドリック/グロリアなどとなるものの、少々路線が異なっていたのも事実である。
あと、余談であるがテレビCMの「あのクルマ」とは、BMW5シリーズのことであったらしい。(これをどう評価するかは人それぞれであるが、確かにデザイン的に似ていると言えば似ている)

■現車紹介

■個人的な概要
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00年3月にインフィニティを売却し、その後、平成5年のゴルフⅢGLIを購入したものの、やっぱりゴルフではいろいろと何があったため「やっぱり売却」を実行。で、その代わりとして6月にYAHOOオークションで18万円で購入したクルマである。
話は前後するが、現在、スカイライン(位置づけはセカンドカー)を所有する関係上、ファーストカーにはカネをかけるわけにはいかず、そのためゴルフを購入し、ゴルフをしばらく乗ってみて、そのままゴルフを乗りつづけるか、YAHOOオークションで売却して多少利益を作って「3年は乗れるクルマ」にするかを判断した結果、やはり予想通り、ゴルフ売却となり、ディアマンテをトータル38万円で入手しました。

■私情インプレッション

・走りに関して
まあ、走りがどうこうというクルマではないが、エンジン自体は不具合もなく安定している。
カタログスペックは175ps。2.5リッターハイオク仕様のNAとしては悪くない数値であるが、7年落ちとしては程度の良いエンジンである。
ディアマンテの場合、エンジンはインフィニティとは比較にならないほど静かで、このあたりは大変気に入っている。(というかインフィニティがうるさすぎなだけなのだが)
ましてや、このクルマの前がゴルフだっただけに、エンジンの出力特性もオートマの出来も静粛性もすべてが良いと感じる。
(ただ、同年式のクラウンと比べるとやっぱり1ランク下と感じる。ま、これは当たり前のような気もするが

ちなみに、オートマは思っていたよりも優秀で、シフトショックはインフィニティほどでないにしろ、かなり押え込まれている。
グレードは2.5V-SEであるため、いちおうカネのかかったATであるが、確かにその効果はある。(いまどきのインベックスとは異なり、オーソドックスなシフトパターンで、もっぱらDレンジで走行)

足回りはもともとディアマンテは乗り心地など悪くないのだが、すでにダンパーがかなりへたっているにもかかわらず長いスプリングのおかげで交換する気にはならない。
キビキビとした走行は全然であるが、高速道路での安定感は悪くないし、4WSのせいなのかなんなのかわからないが、レーンチェンジや大き目なRでは不安感は全然無い。ただ、残念なことに、購入したクルマはブレーキローターが歪んでいるのかそれかハブベアリングが消耗しているのかわからないが、ブレーキ時と80~120kmあたりでブレが来る。特にブレーキ時はかなり酷いため、これは近いうちに修理するつもりである。
燃費は街乗りではあまりよくないが、逆に高速道路オンリーでは限りなく10km/リットルに近づく。これは2.5でFFモデルであることが理由だと思われるが、なんせ、ゴルフよりはよっぽど良いため、実に満足している。

・内装
内装はミツビシらしい。いや、ミツビシそのものである。
まずエアコン。あの電飾をどう感じるかはともかくとして、「バブル」の悪い面を沸沸と感じさせる。
もっとも、あの家電のパネルみたいなエアコンは、実はかなり適切なコントロールをしてくれているようで、そのあたりは良いと感じる。
(室温センサーが天井に賑々しく設置されているのだが・・・。そこまでやるなら室内照明をもう少し明るいものにしてくれてもいいと思うのだが)
また、謎の木目調パネル。これも「バブル」を感じる。マイナーチェンジのたびに少しずつ格調が上がっているため、実車の木目調パネルはだいぶ自然なものになっているので、このへんは良いと思う。
全体的に「出来る範囲で見える部分で」高級感を演出しているわけで、当時はこの内装もこのクルマの売りであったわけだ。が、そう考えるとこの10年間で日本人の感覚も本当に様変わりしたのだなあ。と感じる室内である。
また、「高級感の演出(高級感が出てるかどうかはともかく。であるが)」としては、センターパネルの楕円形のアナログ時計などが挙げられるが、このアナログ時計、笑えるのは時間調整がプッシュスイッチ式で、2つのスイッチで進めたり遅らせたりするのだが、このスイッチ、押した最初はゆっくりと針が動くのだが、ある程度押しっぱなしにすると「とてもアナログ時計とは思えないほど」ハイスピードに針が動く。
このアナログ時計は某メーター会社がOEMで作っているものであるが、このあたりが「優秀な日本製家電にエンジンとタイヤをつけ商品」というミツビシらしさを感じてしまう。(これはけなしているのではない。念のため。)
そのくせ、大切なはずのメーターパネルは実にやっつけ仕事であり、すでにトヨタがスペースビジョンメーターを経て、自発光式アナログメータをアッパーミドルサルーンに展開していたにも関わらず、コストダウンしまくったという感じの外側照射タイプのメーターのまんまである。(別にこれが悪いとは思わないのだが、どうにもアンバランスな感じがして・・・笑える)
あと、シートの出来はあいかわらずミツビシらしく、全然考えてない座り心地である。
ミツビシ車(の、パジェロとかデリカとかね)に乗る度に思うのだが、「停止状態」がすべて。といった感じのシートで、たぶん、エンジンをかけず、停止したまんまの状態であればわりとリラックスできるシートだな。と思うのだが、一旦走り出してからは実に身体にストレスを蓄積してくれるシートである。(わけわかんないのは可倒式のヒジ立て。確かにカタログではカッコ良く見えるしショールームでも「ほーら。こんなところまで豪華装備ですよー」と感じるのかもしれないが・・・あれはおおよそクルマのシートにつけるものじゃないだろ!とツッコミを入れたくなるほど使えないモノである。)
とまあ少々否定的なことを並べたわけだが、そうは言っても問題があるわけではないので「ミツビシだなあ」という言葉ですべてが許されてしまうと思うと同時に、このような方向性をあえて他社と比較する必要も無いと思う。
少なくとも、このクルマは世の中がバブルで狂い始めた時期に開発が本格的に煮詰められたわけで、そう考えると実に理解できるし・・・・やっぱりなにより笑える。
ただ、そうは言っても基本的な部分をもう少しマジメに取り組んで欲しい。と感じる内装である。
あ、あと。「オート」や「電動」の好きなミツビシだけあって、そういう装備は抜かりなし。です。

・問題点(故障内容)
すでに7年落ちで7万kmオーバーなだけあって程度もそれなりなのだが、目に付くのはやっぱり塗装と内装の劣化。
塗装はすでにかなり色落ちしていて、特にボンネットはかなりイッっちゃってる。
これはカラーワックスとリキュードグラスでごまかしたが、すでにツヤのない状態である。やっぱりこのあたりはトヨタ車とは大きく異なる点である。
また、目が点になるのは内装。
この型のディアマンテは、ダッシュボードの材質が悪いせいか、ダッシュボード奥のブロア(なんていうかわからないが風のでてくるところ)のあたりが、変形してめくれてしまっている。そのめくれ方がハンパでなく、ウラ生地のスポンジ材まで見え、ブロアのプラスチック部品が浮いている始末。
また、ダッシュボード正面の木目パネルのはめ込み部分からは両面テープのような薄いスポンジがどんどんと出てくる。
そして極めつけはステアリング。これまで何台かディアマンテを見てきたが、本皮ステアリングは例外なく、表面が剥げてボロボロになっていて、このクルマも例外ではなかった。
で、結局、ステアリングだけは我慢できずに社外品(純正を新品で入れようと思ったらあまりの価格に断念した)に交換したのだが、この交換は地獄であった。
というのは、ディアマンテの場合、テレスコピック機能がステアリング側に設置されていて、通常のステアリング交換のようにナットを外してシャフトから引き抜くという単純なものではなく、結果的に、テレスコピック機構が壊れて、固定できなくなった。
で、しょうがないのでこれは外側のハウジングをネジを打ち込んで固定した。
また、社外品のボスではホーンボタンの結線ができないため、現在ではホーンボタンが鳴らない状態である。(もっとも、ホーンボタンは過去に一度も使ったことが無いので平気ではあるが・・・車検まで2年あるとはいえ、次回の車検までに何とかしておこう)
内外装に関してはそんなところであるが、エンジンは恐いくらいに元気そのもの。これは前オーナーの管理が良かったからだと思うが、じつにスムーズで静か。ちなみに、すでにタイミングベルトとウォーターポンプは交換済みであった。
現在、ブレーキを踏むと車体に振動が来るなどの不具合があるが、これらはそのうち修理する予定。(普通に乗っている分にはあまり気にならないが、でも雪道のことを考えるとやっぱり恐いなあ)

・個人評価
とりあえず価格と程度を踏まえると実に納得しているわけだが、それにしてもディアマンテの中古というのはホント、安い。
実際、セダンの人気がいまひとつな上に、ヤン車のベースにもならず(とはいえ、たまに見かけることもあるが)、経済的に不利な排気量で取り回しも悪い。そして、一番の理由はミツビシ車、といったところであろうか。
なんせ、クルマ自体はバブル時代でそれほど悪い内容じゃないだけにお買い得感はひとしおである。
個人的にはゲタ代わりとしては室内も広いし、電飾もハデだし、乗り味も悪くないのでオススメである。
このクルマの場合、サスペンションやエンジンなどは至ってオーソドックスな内容で、不安要素も少ないし、壊れるといえば電飾系の我慢できる部分もしくは安く修理が可能な部分なので、とりあえず3年は乗るつもりである。

<2001年04月20日更新>
で、長く乗ろうかとも思っていたディアマンテであったが、もう一台のクルマであるスカイラインに色々とトラブルが発生しているときは活躍していたが、その後(去年の11月)、スカイラインのエンジンが新品になるなど、抜本的な修理を受けたため、スカイラインに乗る機会が圧倒的に増えたため、あえなく、その存在価値が薄れてしまった。
基本的に雪道はスカイラインで走る関係上、冬場はほとんど乗ることもなく、また、旅行に行く機会もゼロであったため、「売れるときに売っちまうか」となり、2001年3月にYAHOOオークションで売却してしまった。
結局、売却額は25万円。購入費用が38万円であったことを考えると約1年弱で13万円のロスとなる。この間の走行距離は約8000km。まあ、こんなものかな。と思っている。
振り返ってみると、やはりインフィニティの代わりにはなれなかったディアマンテであるが、なんせ、現在の中古車市場での相場を考えると納得のいく1台だと思う今日この頃です。