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(12) 日産 スカイラインGT-R(BNR32)(1993年)

日産 スカイラインGT-R(BNR32)(1993年)
所有期間 1999年9月~2002年11月

■日産 スカイラインGT-R(BNR32)  について
平成1年に日産が技術の粋を集めて世に送り出した8代目スカイラインの「GT-R」。
もともとの目的は「グループAの首位奪還」という日産のレース活動の威信を賭けたクルマであり、そのコンセプトもグループAに準じたものであった。
そして日産は長らく使用することを躊躇していた伝説のグレード名「GT-R」の銘を、この8代目にあたるR32スカイラインで復活させたのである。BNR32型スカイラインGT-Rは専用設計の2.6リットル直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT」を搭載し、駆動系にはトルクスピリット4WD「アテーサE-TS」を投入した。
また「ドライビング」に対しての妥協は極力せずに、市販車として考えられる最高の性能を追求した結果、価格も440万円以上となってしまったが、バブル景気も手伝って、販売台数は予想を大きく上回り、独特のステータスさえ作り出してしまうほどの人気となった。
内外装はノーマルのスカイラインに類似しているが、走りの性能という面での変更が随所に見られ、特にフロントシートをはじめ、アルミホイール、フロントバンパー、フェンダーなどは妥協を廃した専用設計である。
BNR32スカイラインGT-Rは平成7年にデビューしたBNR33スカイラインGT-Rに進化するまで生産されたが、その間、レース用ホロモゲーション取得のための「ニスモ仕様」、ブレーキ関係その他を大幅に強化した「V-SPEC」「V-SPECⅡ」など、走りに対する拘りを具現化したバリエーションを展開した。
量産車とは関係ない話になるが、日産はこのBNR32スカイラインGT-Rにより「グループA」で無敵の存在となり、レース界での威信を取り戻すとともに、新たなGT-R伝説を築いた。
まあ、どうこうと説明するまでもなく、かなり有名なクルマである。

■現車紹介

詳細はこちらのUrlに掲載しています
https://www7b.biglobe.ne.jp/~k5855/bnr32/gt-r.html

■個人的な概要1(購入編)
平成11年9月、セカンドカー(雪道用)のパルサーGTI-Rが車検を向かえたため、「そろそろ買い換えるか」という安易な理由で購入したクルマである。(もっとも、買い換えに至る理由はいろいろとあるのだが)
このGT-Rはいろいろな改造を施されていて、かなり消耗していた関係上、格安で購入できたのだが、そのぶん、購入から修理や整備に時間と金を費やすこととなった。
結局、格安で購入したにもかかわらず、相当な費用をかけてしまったため、お買い得感はなくなってしまったものの、一通りリフレッシュできたためかえって良かったとも思っている。
現在のところ、乗り味、エンジンパワー等も「ノーマル+α」という感じで、信頼性等々も含めて満足できる仕上がりになった。
もともとは雪道用であったが乗るからにはキチンとした状態にしたかったので金をかけたわけだが、おかげで現在ではとても良いコンディションになっている。

■個人的な概要2(乗ってみて)
すでに7年落ちのクルマであるが、それでもやっぱり「GT-R」である。
なんせ、速い。とにかく、速い。しかも安全。
このGT-R、いちおうエンジンはライトチューンなわけだが、アイドリングも驚くほど安定していてエンジンに対する不安感はない。
もっとも、購入当初、ブースト圧が1.0kgを越えていて、それでタービンが破損した点を考慮して、現在では0.7~0.9kgにしている。
もちろん、購入当初ほどの加速はないものの、それでもオイラにとっては十分すぎるほどの加速である。
足回りは一新している。。新品のNISMOのショック&スプリングと純正新品のアッパーリンクやテンションロッドにしてアライメントを取り直した結果であると言える。
また、同様にブレーキロータ&ブレーキパッドも新品。ついでにブレーキマスターシリンダーストッパーも装着したため、ブレーキのダイレクト感は十分。スポーツ走行ではノーマルのブレーキでは?などと言われているようであるが、普通に乗っている分には、GT-RのブレーキはプロジェクトμのHC-チタンKAIのおかげもあって実に良く効く。
内外装は可能な限りリフレッシュしたため、古さは感じにくいわけだが、これはRECAROによるところが大きいかもしれない。
また、アルミはTE37の17インチが付いてきたため実にラッキーであったが、代わりに16インチの純正ホイールがなく、スタッドレスタイヤは社外品の安い16インチを購入した。(GT-Rの純正ホイールって、中古でも高いんだよなあ)
タイヤは255-40-17のファルケン・アゼニス。パターンからして「雨が降ったら大変」というのがわかるが、代わりに路面温度が高ければ実によくグリップする。
とまあ、なんだかんだで金をかけてしまったわけですが、走行性能も申し分ないし、古さもあまり感じないし、なにより、ノーマルに近い状態でリフレッシュしたため、安心して乗ってられるクルマに仕上がったのが良かった点である。

■私情インプレッション

・走りに関して
まあ、天下のスカイラインGT-Rなわけですから、走りがすごいのは当然なのですが、いちおうインプレッション。
まず、エンジン。
実車のエンジンは給排気系とコンピューターなどに改造を施されているわけですが、現在の巡航ブースト圧0.8kgで十分な加速を得ることが出来る。
で、このエンジンの印象は「ターボにしては軽い吹け上がり」と感じるが、なんていっていいのか・・・「普通にすごい」という言い方しかできない。
というのは、エンジン特性は下から上まで実にスムーズかつパワフル。といっても、全域でこんな感じであるため、特化した印象が無い。
もちろん、これは実に素晴らしいことでもあるのだが、他の直6と比較した場合にも「スムーズさ」が目に付く。という印象だといえばわかってもらえるだろうか。
なんせ、どういうわけか、この実車のエンジンは妙に安定していてスムーズ。過去にGT-Rに乗ったことがあるが、このエンジンは群を抜いてスムーズである。
これが給排気系によるものなのかどうかは不明であるが、いわゆる「ライトチューンによる不具合」は現在のところ皆無である。
特に関心するのはマフラー。
いちおう社外品になっているのだが、細目(φ80mmか?)のせいか、音も静かで低速トルクも全然犠牲になっていない。
このあたりの改造は私が購入したとき、すでに施されていたものであるが、実に良くまとまっていると思う。
現在の最高速度は高速道路上でマークした280km/hであるが、このときのエンジンはまったく不安を感じなかった。

・個人評価
ぶっちゃけた話、私はそんなにスカイラインGT-Rというクルマは興味の対象外ななかでの購入だったわけですが、実際に所有してみると「やっぱりすげークルマだな」と感じています。
正直なところ、ジムカーナに無関係であるこのクルマ、本当はあまり好きではない部類になるのですが、でも、こうして乗ってみると、競技やスポーツ走行といった部分とは異なる「走り」の面で、このクルマの凄さを実感します。
それは普段の運転の中での、ちょっとしたコーナーや、あるいはドライブ程度で走っているときの山間路、あるいは高速道路など、「走り」を意識しない運転において、神経を使うこと無くスムーズでいながら、実は異様に速く走れている。そんなクルマです。
これらの印象は、やはり、エンジンであり、足回りであり、シャーシ剛性であり、アテーサET-Sであり、そして、これらの先端技術と、先端技術だけに飲まれること無くじっくりと仕上げたプロジェクトチーム、そして、それら贅沢なクルマ作りを認め、バックアップした関係者が「本気」でこのクルマを作ったからなのでしょう。
普段はそんなことはまったく考えないのですが、このクルマを乗ってみて、ふと、そんなことを思ったりします。
結局、「やっぱ良いクルマだな」です。
ただ、走りというか動力性能は秀でていますが、その他はフツーのスポーティークーペですけどね。