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(04) 日産 マーチR(1989年)とマーチG(年式不明)

日産 マーチR(1989年)とマーチG(年式不明)
所有期間 1990年8月~1991年3月

■日産マーチR について
日産初代マーチ(K10型)は1982年に日産から発売されたコンパクトハッチバックのリッターカー。
プライベートユースのエントリーモデルとして購入しやすいこともあり女性にも人気を博した。
また、ホットモデルとしてターボエンジンを搭載したマーチ・ターボも登場した。そんななか、マーチRは、1988年に日産が国内ラリーBクラス出場のためにデビューさせたスーパーウエポンであった。
当時、国内ラリーでは、Aクラス(1300cc未満)、Bクラス(1600cc未満)、Cクラス(1600cc超)の3クラスに分類されていたが、全クラス優勝を狙う日産は1600cc未満であるBクラスに軽量FFカーとしてマーチの投入を決定。
当時のレギュレーションではナンバー付き車両は排気量に1.4倍した数値を用いていたが、1.7倍になる可能性を加味し、1600cc÷1.7倍からマーチの1600ccエンジンを930ccまでボアダウン。
そして、このエンジンに、スーパーチャージャー+ターボチャージャーの「ツインチャージャー」を装着し、SOHCながら110psを発生するスペシャルエンジンを市販化し、ラリー用車両としてマーチに搭載した。
このラリー用車体が「マーチR」であり、エンジンの高出力化に伴い、前後ブレーキの強化と徹底的な軽量化を実施。また、クロスミッションを搭載し、国内ラリーフィールドに最適なギア比設定を施した。
マーチRはあくまでラリー専用車両という性格から、パワーステアリングやパワーウインドウなどの快適装備は一切用意されず、オプションは本来エアコンのくるスペースにオイルクーラーを設定していた。(このため、オイルクーラーを装着した場合はエアコン装着不可であった)
もちろん、ラリーベースであることから、ステアリングやシート、標準タイヤは交換前提でコストダウン品が装着されていたが、反面、モータースポーツ用パーツのオプション設定は充実していて、ラリーオプション装着状態の車体を日産ディーラーから購入し、即投入可能となっていた。
(余談ではあるが、マーチRはあらゆる格式の国内ラリーを席巻し、ラリーBクラスのスタンダードを確立した)
また、翌年、日産はこのマーチRのエンジンを用いて一般ユース向けに「マーチ・スーパーターボ」をデビュー。こちらはギヤ比が一般向けになったほか、スポーティーパーツを装備し、初代マーチ末期モデルのラインナップのなかの「コンパクト・ホットスポーツハッチ」として人気を博した。
 
■現車紹介
1990年、社会人として地元の企業に就職し、学生時代の友人がラリーに参戦するというのでナビゲーターをすることになった。
以降、ラリーのナビゲータとして長野県シリーズラリーに参戦しているなか、ドライバーが所有していたNAマーチのラリー車を引き取り、自分でもドライビングするようになりはじめた。
そんななか、行きつけの自動車販売店にマーチRのラリー車が入庫したためこれを購入。このマーチRは購入後しばらくしれダート走行の練習中に自損事故を起こし一発廃車してしまった。