見出し画像

熱中症を防ごう 水分と塩分の補給

熱中症を予防する上で「水分と塩分の補給」が大事な事は前回までの記事で解説していきましたが、「どんなものを」「どのくらい」補給したら良いのでしょう。

●どんなものを補給したら良いですか?

熱中症が疑われたら「経口補水液」が最適です。

日常的、予防的な目的であればアルコール以外のものであれば何でも水分の補給にはなると言われています。

◎ スポーツドリンク、食塩水
○ 水、麦茶など
△ お茶、烏龍茶、コーヒー
× アルコール類


運動中の水分、塩分補給にはスポーツドリンクや食塩水は水分と塩分を同時に取れるので特に有効と言えます。スポーツドリンクは種類によって成分が異なるので「ナトリウムイオン濃度が40mg/dL(塩分1g/1L相当)」以上含まれているものを目安に選びましょう。食塩水は水1Lに対し食塩1〜2g程度が良いでしょう。

日常的な予防目的であれば熱中症、脱水症の症状が出ておらず、通常の食事が取れていれば塩分補給は意識しなくても大丈夫です。高血圧や塩分過多の心配もあるので取りすぎには注意しましょう。


水や麦茶などは日常的や軽い運動時の水分補給としては十分かと思います。何か塩分等(梅干しとか塩サプリなど)の補給をしながらであれば水中毒も防げます。


利尿作用(おしっこが出やすくなる)のあるカフェインが含まれている飲料でも飲み過ぎ(1L以上)無ければ、水分補給にはなるでしょう。ただし、水分補給として効率は良くないと思います。

×
アルコールは身体の水分を奪うので避けましょう。1リットルのビールを飲む事で1.1リットルの水分が奪われると言われています。

この他にも牛乳※やジュースも水分補給になります、カロリーや糖分が多いものもあるので取りすぎには注意しましょう。

※牛乳に関して、熱中症予防に優れていて積極的に摂取するべきと言う意見と、体温を上げてしまうため熱中症にかかってしまった場合は飲まないほうが良いと言う意見があります。

●どのくらい飲んだら良いですか?

日常生活における水分補給として考えると、人は1日に2.5~3リットルの水分を消費すると言われています。その分を補給すれば良いのですが、飲料として摂取しなければいけない量は70〜80%なので、1日に1.5リットルが目安になります。

もう一つ大切な事は、こまめに摂取することが効果的なので1日の中でバランス良く飲む工夫をしましょう。

運動時の水分補給ですが、運度前に250〜500mlくらい塩分の含んだ水分を補給しておくことが原則です。運動中は1時間に500〜1000mlを2〜4回くらいに分けて摂取すると良いでしょう。

しかし、補給量は環境や運動量、個人差もあるので一概に決められないのが現実です。そこで水分補給が十分であったかを体重の減少率で判断する方法があり、スポーツ現場では利用されています。運動前後の体重を測って、運動後体重が2%以上落ちていれば水分補給が不足していると判断します。

決められた量を摂取していたとしても、2%以上減っていれば脱水であると言えるので次回からは意識して増やすなどすると良いでしょう。

●飲料の温度

飲料の温度には諸説あって、常温が良い(体温に近い)と言う意見もよく聞かれますが、スポーツ現場では5~15℃が消化吸収の観点から良いとされています。さらに、熱中症予防の観点からもある程度冷えている方が、身体の中から熱を奪ってくれるので効果的でしょう。これも個人差があると思うので日常的、予防的には飲みやすい温度で飲んでください。

今回は水分、塩分補給について解説してみました。次回は何故、経口補水液が優れているのか?などを解説していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?