Yell note :Page65 「麗和落語~二〇二四 夏の陣~」 感想
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花
噺せばいかなる常初花ぞ
??「つまんねーこと聞くなよ!!」
というわけで6月15日、16日で開催された「麗和落語~二〇二四 夏の陣~」に参加してきました。荒井瑠里さんは15日の2公演と16日の1公演の計3公演への出演となり、僕は15日の2公演を観ることができました。
落語と言えば「蕎麦食べるやつ」「じゅげむじゅげむ…」くらいの知識しかない僕ですが果たして噺家となった女性声優の落語は理解できたのか?!
軽妙に感想を語っていきますよ!
※自分の記憶だよりで書いてますので事実と食い違いがあったら許してヒヤシンス!
1.参加イベント概要
・イベント名
麗和落語 ~二〇二四 夏の陣~
・参加日時
2024-6-15(土) 11:00~13:00頃(途中休憩有)
同日 14:30~16:30頃(途中休憩有)
・開催場所
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
・出演者(順不同、敬称略)
隈本茉莉奈、荒井瑠里、石井陽菜、若松愛里
・syuの位置
11:00回 2列目下手側指定席
14:30回 1列目中央指定席
・備考
三鷹駅のすぐそばにある劇場なのになんで「武蔵野」なんだろうか。
2.現着!
三鷹駅から徒歩1、2分。会場となる武蔵野芸能劇場は駅にほぼ隣接していると言ってもいいくらいの近さでした。入口すぐには浮世絵風のパネルがあり古典芸能っぽい雰囲気で出迎えてくれます。
会場となる3階に上がるとロビーには物販のグッズと事前に抽選販売されていた応援ビジュアルが展示されていました。思わず「デカすぎんだろ…」と言いたくなるA1サイズ。
14:30の回に行ったときは既にサインが書き込まれていた物もあったのですが、今回残念ながら荒井瑠里さん・石井陽菜さん・後本萌葉さんが販売対象に入っていなかったため3人の各オタクは羨ましがりながらこの光景を目にしたことでしょう。わかる…わかるぞ同志たちよ…!
実は僕も過去の公演情報をチェックした際にこの企画の存在を知ったので「絶対荒井さんの応援ビジュアル展示当てますからまあ見ててくださいよガハハ」と知人に豪語していたのですがこの有様だよ!(大人の事情だと思うのでしょうがないですけどね)
荒井さんと後本さんにいたってはアクスタの販売もなかったので…一体俺が何をしたって言うんだ…いや心当たりはたくさんあるけど…(血涙)。
会場に入ると前方のベンチ席は一席ずつ空けた配置になっており座布団完備というVIP待遇でした。年会費払ったかいがあった!
開演5分前には脚本・演出を担当する23さんが登場。会場を暖めるためにお客さんにコーレスやら拍手の練習を煽っていました。のちの石井さんの説明によるとこの方は石井さんが出演する番組の作家もされているようで。それにしても芸人さんか?!っていうくらい喋りがうまくて驚きでした。
「15分ひとり喋りをするということで役者さんはみんな緊張していて…」という話をしていたら舞台袖からピャー!!という悲鳴が。どうやらトップバッターで緊張しまくっている隈本さんの声らしい。…大丈夫だろうか?
そして。
落語と言えばやっぱアレじゃね?という思いつきで個人的に数日前から準備していたネタがあったのですが…それについては本編感想にて。
3.各話感想
僕が参加した2公演は出演者・演目ともに同じだったので基本的に感想は2回分をまとめています。とはいえちょこちょこ違いもあったのでその辺については言及していきますよ。
①明神(演:隈本茉莉奈さん)
各演目の中でこの話だけが江戸時代という明確な古典形式となっていました。というか話の途中で思ったんですがこのストーリー聞いたことあるような気がするぞ?もしかして有名な元ネタがあったりするのでしょうか?
隈本さんは今回初めて見た方でしたけど「れいわー?」『らくごー!』というコーレスを煽っていたのがアイドルっぽかった…のかな?虹コンエアプ勢なのであんまり言わないでおこ…。
緊張してると自分で言ってましたけどその語り口は堂々としていて、江戸時代のべらんめえ口調だったりやさぐれ感が板についていました。そして声がでかい。ちょいちょい挟まれる現代ネタ(ダ〇ソーとか「カヌレうめえ!」とか)も面白かったです。ブロマイド売れろ!
公演後に調べてみたら僕が来月行く予定の『超NATSUZOME 2024』に虹コンで出演されるらしいのでタイテ被りがなければステージを見てみようと思います。せっかくだからチェキ撮ってもらおうかな…フヘヘ…。
②常初花(演:荒井瑠里さん)
落語とか歌舞伎とか大衆演劇とか実際に見たことは無いんですけど、目当ての役者さんが出てきたときにお客さんが掛け声言ってるイメージがあったのでせっかくだから自分もやってみたい!と思ってたんですよ。
でも11:00回で最初の隈本さんの登場時は拍手だけの反応だったのでちょっと躊躇したものの、心の中のアシタカが「押し通る!!」と言っていたので(どういうこと??)荒井さんが登場した際は出囃子のBGMに負けないつもりで
「待ってましたァ!!!!!!!」
と叫んでみました。近くにいた人びっくりさせてしまってたらすみません…。ていうかめっちゃ緊張したわ…その後の回含めても僕しか言ってなかったから…。
客席のone of themとして声をかけるのさえこれだけ緊張するのですから舞台上にひとり座る役者さんの緊張はいかほどのものだったか。
荒井さんも舞台や朗読劇の経験は数多くあるもののたったひとりで話すというのはさすがに勝手が違うということなのか、最初の5分くらいは緊張がありありと伝わってきました(僕の声もマジで耳に入ってなかったかもしれない)。
とはいえ稽古を積んできたという成果が徐々に見え始め、尻上がりに調子を上げて夢子の役柄に没頭できていたと思います。…にしても事務所的にあの迫真の顔芸は大丈夫だったんですかね?伝家の宝刀であるギャルキャラも見れてよかったです。個人的には若返った夢子の声質が以前荒井さんが演じていた某アニメキャラを髣髴とさせる感じがエモかったです。あざといあざとい。
荒井さんも枕で自分が28歳であることに触れていたので夢子の境遇については多少身につまされるところもあったと思いますし、その辺の実感がなおさら強い説得力となってお客さんにも伝わったんじゃないかと。
ちなみに荒井さんは最近ビールを飲めるようになったと言ってましたが本当かな…??
③歌詠み鳥(演:石井陽菜さん)
枕では歌詠み鳥、すなわちウグイスについていきなり古今和歌集を引用していたりと知的な語り口から始まりましたが、内容はひとりコントのようなノリだったのでとてもリラックスして見ることができました。
まあぶっちゃけて言うとこのお話については内容よりも石井さんについての衝撃が大きくて、僕は以前から舞台『アサルトリリィ』で何度か石井さんを見たことがあるわけですよ(逆に言えば他の作品やイベントでは見たことない)。
その舞台での石井さんの役柄は戦場で戦ういわゆる「武人」のような女性で、基本的にストイックさとクールさに振り切っているような性格なんですよね。
なのでノリノリでウインクをしてみたり両手でハートマークを作ってみたりしている彼女を見て「誰だお前???!!!!」という超失礼なことを思っていたりしました。いや実際可愛かったですけどね。今までの印象からギャップが凄すぎる…。
④爪紅(演:荒井瑠里さん、若松愛里さん)
10分間の休憩を挟みここからは二人落語のターン。
いや、これは声を大にして言いたいのですけどね。
若松愛里さんの声、声優の宮村優子さんにめっちゃ似てません?!!
ツンデレキャラがあまりにもエヴァのアスカすぎて途中からそういう風にしか聞こえなくなってしまったもの…半端なアニオタで申し訳ない…。
それはさておき。
二人でのかけ合いになったことでより漫談というか漫才感も増し、競争シーンは荒井さんが得意とする奇怪なダイナミックな動きが思う存分発揮されていました。あれをZOOMで稽古してたっていうのか…?!若松さんも負けじと顔芸しちゃってましたけど大丈夫そ?
個人的には11:00回より14:30回の方がかけ合いの緩急がはっきりしてて良かったと思います。あんな短い公演の合間でもブラッシュアップがされてるんですねえ。
超ハイテンションな戦いから一転、サゲで二人が真顔になる場面が笑いを呼んだのは流れのメリハリがあってこそ。舞台袖に引っ込む時もわちゃわちゃじゃれ合っていたのが可愛かったです。
⑤犬が西向きゃ尾は東(演:隈本茉莉奈さん、石井陽菜さん)
隅本さんは『明神』で猫の鳴き声を披露していましたが今度は犬役での登場。ニャーだったりワンだったり。可愛い。
石井さんは枕で自分の愛犬のことを話していたのでもしかしたら実体験も多分に反映されている…かもしれない。実際にペットと会話できたらこんなリアクションしそう、とか。
こちらの演目も2回目の方がお互いの役が仕上がっていて、隅本さん演じるテイルの生意気っぷりや石井さん演じるみなみの突っ込みのキレが増してましたね。
そしてテイルに対して「ワンしか言ってないの楽じゃない?」というメタ台詞もアフタートークで言っていた「30ページ覚えて3公演ってコスパ悪すぎ!」という身も蓋もないぼやきに繋がっていたような気がします。実感がこもりすぎている…!
隅本さんの方も終盤のシーンでは母性を感じさせるような展開があって包容力が素敵でございました。隅本さんを犬に例えるならミニチュアダックスって感じ。絶対小型犬だよ!(伝われ)
4.おまけとおまけ
全演目終了後は4人揃ってのアフタートーク。
ここで印象的だったのは石井さんが話していた「普段の舞台では役者同士のかけ合いだけど落語はお客さんに向けて喋っているから新鮮だった」という言葉です。
何をもって落語を定義するのかについて僕はわかりませんが、確かに落語ってお客さんの反応によって話す速度や強弱、アドリブの内容を変えているイメージがあるので、長尺のストーリーとはまた別のライブ感がありましたね。
特に石井さんは知っているお客さんの顔を見たら緊張しなかったと豪語していただけあってさすがの語り口でした。
他にもキャストごとに恐らく各ファンの人だけが気づくような小ネタが仕込まれていた雰囲気もあり、例えば隅本さんの筋トレネタとかは彼女のことをよく知っていればより笑えるくだりだったのかなと思います。
そしてビジュアル面でも各回で変化があり、荒井さんを目当てに行った僕的にはヘアアレンジがそれぞれ違っていてちょっとした驚きでした。和装も相まって卒業式に出る女子大生っぽかったです。相変わらずこめかみから垂れる"触角"にこだわりを感じる…。
若松さんは二人落語のみの出演でしたが荒井さんとのかけ合いではお互い一歩も譲らない勢いを披露してくれたので一人喋りも聞いてみたいです!次回はぜひ!
各演目のストーリーは人生訓的な示唆に富んでいて、ただ笑えるというだけではなくてホロリと泣いてしまいそうになる展開もありました。
特に常初花はそれなりに歳をとった自分に刺さるセリフが多く、「味噌の味はあなたそのものですよ」的な言葉には思わず深くうなずいてしまいました。年齢を重ねることをネガティブに考えすぎるのはよくないよね、うん。気軽に落語を見に来たら意外な学びが多くて得した1日でした!
…てな感じで2公演を見て満足していた僕だったのですが、翌16日の夜、18:00回を見に行った知人からDMが。
お後がよろしくないようで!!(一体何を言われてたのやら)