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アーキテクチャとは何か?

システムシンキングを行う上でアーキテクチャという言葉が出てくる。MITの授業で教科書として使用される、System Architectureによれば、"an abstract description of the entities of a system and the relationship between those entities"あるいは"a set of decisions"とある。

このアーキテクチャという言葉は、グランドデザイン・コンセプト・青写真など様々な定義をもって語られるが抽象的で掴みどころがない。中には、アーキテクチャなきシステム設計を脱却すべきであるという論調もあるが、何らかの意思決定の結果としてシステムが出来上がる以上、先の定義に従えば、アーキテクチャは人間が構築する全てのシステムに存在することとなる。人間の意図なくランダムに組み合わせて構築されたシステムは、およそシステムとしての体を成さないであろう。従って、ただしくは「よい」アーキテクチャなきシステム設計から脱却すべきなのである。「よい」アーキテクチャはステークホルダーのニーズを見たし、価値を提供し、統合が簡単で、柔軟に変化が可能で、簡単かつ信頼性高く運用することができる。

さて、アーキテクチャを"a set of decisions"とした場合に、結局のところアーキテクチャがどのような形で表現されるのかということが気になるかもしれない。私自身、最初はアーキテクチャという言葉を何度も聞く中で、「結局のところアウトプットは何か?」ということをずっと疑問に思っていた。しかし実際は、一つの決まった形式で表現されるものではなく、システム設計を検討する中で積み重なった、意思決定の数々が表現されたものである。

MITで学んだことは、この意思決定を行うプロセスであり、意思決定の表現方法である。次回からは順を追っていくつかの手法を説明していこうと思う。

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