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ピャニッチかベンタンクールか、迫られるサッリの決断

『自分で撒いた種』

と言うにはあまりにも酷かもしれないが、今シーズンからユベントスを率いるマウリツィオ・サッリは岐路に立たされる事になった。


昨日行われたチャンピオンズ・リーグ決勝トーナメント1回戦、リヨンとのファーストレグにおいて、ユベンティーニにはあまり見慣れない光景が目に入ってきた。


ピャニッチ out
ラムジー in


これ自体は決して珍しい事ではない。これまでもピャニッチの途中交代は目にして来た。ただしそれは「後半の遅い時間帯になって守備のバランスを取る為」であったり、「疲労を考えてのもの」であった。

しかし、この日の交代目的はこれまでのものとは違うものだった。


--- 機能していないピャニッチを交代させ、そのポジションにベンタンクールを据える。


果たしてラムジーに続きイグアインまでも投入したチームは、そこから一気に息を吹き返し、得点こそ奪えなかったものの、それまでとは全く異なる流動性と迫力を見せてくれた。そして、そのきっかけが「ピャニッチの途中交代」である事は、誰の目にも見ても明らかだった。



その予兆はすでに2週間以上前に起きていた。アウェイの地に乗り込んだエラス・ベローナ戦において、敵将であるイヴァン・ユリッチは深い位置からピャニッチにマンマークをつけ、そしてユベントス攻撃陣を機能不全に陥らせたのだ。その試合、ピャニッチが出したパスはわずか40本に抑えられ、それは同じミッドフィルダーとして出場したベンタンクールの46よりも少なく(更にベンタンクールは後半37分に途中交代)、そして多い時には100本を超えるパスを供給するレジスタにとってその数字は、『余りにも少ない』と言えるものであった。

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シーズン開幕前、『ピャニッチのバックアッパー』と言う大役をベンタンクールはサッリに託された。確かにユベントス移籍後2シーズンが経過して、出場機会は増えてきてはいたものの、決して『レギュラー』とまでは言えない存在。その選手の名がレジスタの候補として挙げられた。

しかしベンタンクールは今シーズン急成長を遂げる。これまでの時間の中で、ゲディラの長期離脱により巡って来たチャンスを掴みインサイドハーフの一角を勝ち取ると、監督の期待通りピャニッチ不在時にはレジスタを任されるようになった。決して足元にボールを集めて相手をいなすようなプレーを見せる訳ではないものの、自身の特徴である運動量とハードワークで、レジスタとしても存在感を示して来た。そしてリヨン戦前に迎えたSPAL戦において、コンディション不良を理由にメンバーから外れたピャニッチに代わりレジスタの位置に入ったベンタンクールは、ラムジー、ディバラと共に魅力的なサッカーを展開し、そして勝利に大きく貢献した。


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リヨン戦でフル出場を果たしたベンタンクールに対して、すでにファンからは「2ndレグのレジスタはベンタンクールを起用するべきだ」と言う声が挙がっており、ここ数試合の活躍を見れば‘’正当なもの‘’とも言えるだろう。いや、スリーボランチを起用するのであれば、むしろ‘’そうすべき‘’であり、ここ数試合で見せたラムジー、ディバラとの相性は決して悪くない。攻守のバランスを鑑みれば、現状では「ベストに近い」とも言えるかもしれない。

しかし、そうなると外れるのはピャニッチだ。シーズン開幕前にサッリにして「特別な選手」と言わしめた、「ユベントスの心臓」とも呼ばれるピャニッチだ。決して簡単な事ではない。


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ユベントスはリヨン戦の1stレグを落とした。

それにより一気に崖っぷちに立たされる事になった。

そしてそのチームを率いるのはマウリツィオ・サッリであり、責任を負い、決断を強いられる立場にある。


ピャニッチと心中するのか、ベンタンクールに懸けるのか。


背水の陣。

その覚悟に注目が集まる。


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