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ピャニッチの何を分かっているんだ

この年明けくらいから、ピャニッチを批判する声が届いていて、それを耳にする度に「ピャニッチの何を分かっているんだ」と思っていた。

もちろん素人のボクが分かっているかと聞かれればそうでもないのだが、それでも極論的に「ピャニッチのアンカーは限界だ」と言う意見には、簡単に賛同する事は出来ない。


今シーズン、"サッリズモ"の鍵となるのはピャニッチである事は間違いがなく、そしてシーズン開幕後はその能力をいかんなく発揮し、期待に大きく応えていた。ここ数シーズン見せた彼のプレーをもってすれば、ファンとしては当然であり、驚きはなかった。

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しかしシーズンが進むにつれて、ピャニッチに厳しいマークが付くようになった。今のご時世ではあまり耳にする事もなくなった『マンマーク(マンツーマン・マーク)』に遭う機会が増え、これは昨シーズンにサッリが率いたチェルシーにおいて、プレミアのチームがジョルジーニョに対して取った作戦と同じだった。相手チームはディフェンスに移った途端、中盤ないしは前線の選手が深い位置でピャニッチに対してタイトなマークに付き、そこに向かうパスを遮断する陣形を作る。すなわち、相手チームのディフェンスに掛ける人数をひとり減らしてでも、ピャニッチにボールを触らせない作戦に出たのだ。

これにはさすがのピャニッチも手を焼き、これまでのようにボールタッチ数多く、試合をコントロール出来ないゲームも出て来た。それもそうだ、相手が『自分たちのスタイルを捨ててまでも』ピャニッチを押さえに来ているのだから。逆に言えば、いまのユベントスにとってピャニッチと言う男は、それだけの価値がある選手だとセリエの各チームが証明しているのである。


ブレシア戦において素晴らしい活躍を見せた事もあり、「ベンタンクールを中心とした中盤の構成を成熟させるべきだ」と言う声も挙がっており、ボクはそれについては全く異論はない。実際にウルグアイ人ミッドフィルダーはピャニッチとはタイプの異なったプレースタイルを持ち合わせ、試合の組み立て方も違ってくる。しかし、ボクが賛成しているのは『オプション』としてであり、ユベントスのレジスタはピャニッチであるべきだと考えているし、背番号5に全幅の信頼を寄せている。

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話は少し戻るがこの何試合かにおいて、ユベントスの中盤でピャニッチを中心としたゲームメイクが見られていない理由は、彼の能力が原因ではないと思っている。それは相手チームがピャニッチを潰しに来ているからであり、問題はそれを掻い潜る事の出来ないユベントスの攻撃のスタイルにあるはずだ。よく考えて欲しい。ボールを持っていない所で、しかも深い位置から相手選手に執拗にマークされていれば、味方もピャニッチも出来ることは限られてくるのは当たり前の事であり、繰り返しになるが、相手が"バランスを崩してまで"ピャニッチにマークを付けているのだから、その歪みをユベントスは突くべきなのである。逆に言えば、ピャニッチはそれくらいの脅威を相手に与えているのだ。キックオフの笛が鳴る前から。


単に「ピャニッチのレジスタは限界だ」と口にするのも構わないが、ピャニッチが相手ディフェンスのバランスを崩している事も念頭に置いて欲しい。そして、ここ数シーズンで彼が見せてきたパス、キック、ゲームコントロール能力を思い出して欲しい。


この逆風が吹き始めた中、ボクはピャニッチがそんなものを吹き飛ばす活躍を見せる事を期待しているし、そうなると強く信じている。

まずは古巣であるリヨン戦だ。リヨンサポーターは、旧友であるピャニッチにブーイングを浴びせる準備をしておいた方が良いだろう。

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