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チェコ買い付け日記2024②「上半身裸おじさん」

1年ぶりのプラハです。
空港からホテルまでUberで移動したのですが、Uber Airportというシステムに変わっていました。

今までは他の場所で乗るのと同じように好きな場所で車の手配をして、その場に車を呼ぶシステムでした。ところがUber Airportでは空港の一帯がUber Airportしか使えず、乗車場所が1箇所に決められています。
ほとんどの旅行客は到着口からそのまま外に出ると乗車場所がすぐ目の前なので、そんなに苦労はしなさそう。いつもと同じように車の手配をすると番号が出るので、乗り場に停まっている車に乗ったら、先ほどの番号を運転手に伝えればOKでした。
ただ周辺のホテルも含めて空港のかなり広い場所がUber Airportの範囲に指定されているようで、そのエリアに1歩でも入っていると、例え指定されている乗車場所まで歩いて10分かかるとしても、そこまで移動しなければいけないようです。乗車場所に行くのにUberに乗りたいくらいです。
Airportという名前ですが、プラハ中央駅の周辺も同じシステムになっているようでした。

今回1週間泊まるホテルはI.P.Pavlova駅から歩いて5分くらいの場所。地下鉄の駅で、トラムも何本も通っていて、中央駅や一番の繁華街ヴァーツラフ広場からも歩いて20分ほどの便利な場所です。

行く前に「その辺りはあまり治安が良くない」と言う人もいたのですが、結果的には全く心配がなく、それどころか警察署のすぐそばで妙な安心感がありました。
そんなに大きくないホテルでスタッフも親切、部屋も広いし、キッチンも充実しているし、通りもうるさくないし、その割に値段が安い。トイレの便座が高いので、身長158cmの私が座るとつま先しか着かないのは、よくあることなので仕方ない。

ただ1つ困ったのが鍵。
昔ながらのガチャガチャと回す鍵で、初めの2日ほどは部屋に入るのに持っている荷物を全て下ろして友人と交代しながら開けたり、諦めてフロントのお姉さんを呼びに行ったこともありました。ドアを開けた状態で鍵の構造を研究したり、何度か開け閉めの練習をしたのですが、何か引っ掛かりがあるらしく全然上達しない。
こちらの古いドアは鍵自体がドアノブになっています。日本でよくあるドアは鍵を開けてドアノブを回して扉を開けるのですが、鍵を開けてその鍵をさらに回して扉を開けるのです。別に付いているドアノブは回らずに固定されています。去年借りた部屋もそうでした。
3日目くらいでなんとなくコツがわかり、あまり苦労せずに開くようになりましたが、それでも1回で開くことは稀で、2〜3回ガチャガチャと右や左に回して、が最後まで続きました。

チェックインを済ませ、部屋に荷物を置いて出かけようとエレベーターで1階へ。扉を出て左右に伸びる廊下のどちらが入り口だったっけ、と左側を見ると、暗い奥の方に上半身裸のおじさんが座っているのが見えました。反射的に反対方向の右側へ。すぐに中庭に出ました。
そこでしばしフリーズ。
またしても上半身裸のおじさんたちが5〜6人、寛いだ様子でタバコを吸っていました。タトゥーびっしりの人もいます(チェコ人は老いも若きもタトゥー入りの人が結構います)。後でわかったのですが、中庭は喫煙スペースでした。彼らも東洋人の子ども(多分そう思われている)が二人、ひょっこりと喫煙所へ迷い込んできたので、お、なんだ?と注目。お互い見つめ合った後、私たちはそそくさと踵を返したのでした。

さっき見た、廊下のソファに座る上半身裸おじさんは相変わらずそこに座っていました。気まずい思いで、あまり見ないようにして通り過ぎる私たち。
外へ出て、友人とこのホテルはなんなんだろうという話し合いに入ります。あまりにもリラックスした様子だったので、え、住んでるの?住人?ホテルとアパート両方あるのかな?夜めっちゃうるさかったりするのかな?などと、これから1週間を過ごす場所に不安と不審が湧きあがります。

ホテルの中庭

結果的にはその後彼らに会うことはなかったし、夜も毎日静かでした。多分彼らは、ただみんなでこのホテルに泊まっていた、ただ暖かい季節を満喫したい、ただタバコが吸いたかったおじさんたちだったようです。廊下に一人で座っていたおじさんは嫌煙家だったのでは、と勝手な想像。

そういえばチェコでは上半身裸のおじさんをちょくちょく見かけます。地方の街だけでなくプラハでも。多分日本でも昔は下町や地方ではそういう人もいただろうし、今もいるかもしれない。でも、新宿や渋谷では珍しいはずです。
日本人からすると「ヨーロッパの古都」「世界遺産の美しい街」「チェコの首都」プラハというキラキラしたイメージですが、そこに住む人たちは素朴で気取っていなくておおらかな人たちも多いのだろうな。でもチェコの人たち、特に女性はどう思っているのだろう、と思ったりもします。

さて、今回は滞在が1週間だけ。かなりタイトな買い付け日程です。
私の観光は初日だけ。旧市街広場の近くで先に来ていた夫と合流し、3人で中心部をぶらぶら散歩しながら晩ご飯を食べ、現金の両替。両替で手元にやってきてたチェココルナのあまりの少なさに落胆しつつ、スーパーで買い出しもして翌日からの買い付けに備えます。

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