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《書評》SF小説

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“テクノロジーが社会と個にどのような作用を及ぼすのか、そして社会はテクノロジーをどのようにかたちづくるのかというダイナミクスのもつ面白さ”
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2023年10月の記事一覧

書評『残像』

ジョン・ヴァーリィは僕が最も好きな海外SFの作家で、初めて手に取ったのは2015年に出版された『逆行の夏 ジョン・ヴァーリィ傑作選』という日本オリジナルの短編集だった。 帯には円城塔先生の“まさかヴァーリィをご存じない。何も失くしたことがないならそれでいいけど。”という文句が光っており、読み終わったあとには、たしかにその帯の意味を知ることになる。 ヴァーリィのSFに惹かれるのは、ハードSFらしい大胆なガジェット、テクノロジーの描写もスリリングで楽しいのですが、やっぱり、登場

書評『モナリザ・オーヴァドライブ』

映画を見るのに以前はNetflixを契約していたのですが、今年はもうずっとU-NEXTで見てる。月額料金は上がってしまうのですが、U-NEXTにはその分ポイントがもらえて、ポイントを使えば新作映画とかも見れてしまう。 このポイントほかにも使い道が色々あって、電子書籍なんかもアプリ内で買って読めるんですね。 ポイントは使わなきゃもったいないので、絶版で読めないギブスンの長編でも買うか!と『カウント・ゼロ』『モナリザ・オーヴァドライブ』をダウンロードしました。 そういえば、Ama