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キラキラ広告と「恐怖の来訪者」

今年4月、消費者庁は「誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる」などの勧誘により「副業」の「マニュアル」を消費者に購入させた業者「株式会社サポート(代表者 山崎雄貴)」らに関し、不実告知等の事実を確認したと注意喚起を公表しました。また、このマニュアルの販売には、株式会社USグループ(代表者 栗林卓也)が関与していることも公表しています。

 その公表資料に紹介された「ランキングサイト」の例が、コレ。

https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_policy_cms103_220413_01.pdf

「難しいことは一切なし!」「スマホで簡単」「楽しい副業」だそうです。

「10万円単位の高額報酬」「1日15分のみ」と記されていますが、消費者庁の調査で、実際に紹介される「副業」は全く異なるものだと明かされています。例えば、こんな・・・

詐欺師・悪質業者は人の弱みを狙います。「お金がない」「将来に不安を抱える」という弱みも。しばしば「詐欺師にだまされるようなお金もない」とおっしゃる方もいますが、ないお金をしぼり取り、更に借金までさせるのが詐欺師・悪質業者です。

「お金がない」「将来に不安を抱える」人たちのニーズに、詐欺師・悪質業者は応えてくれるよう振舞います。スマホで「副業」と検索すると出てくるキラキラした広告。その広告の向こうにいる詐欺師・悪質業者はあの手この手で「不安に寄り添って」くれることでしょう。カモからお金をしぼり取るために。

1980年代に発生し、多くの被害者を出した組織的詐欺事件「豊田商事事件」について書かれた「優しい来訪者」という本には、このように書かれています。 "弱い人びとの家の扉は、固く閉じられているが、赤頭巾の童話のように、恐怖の来訪者は、優しい来訪者に姿をかえて、巧妙にドアを叩き続けるにちがいない。"

 今は「恐怖の来訪者」はスマホのキラキラ広告にも姿を変え、弱い人びとを狙っているのです。