商社が付加価値を生み出す方法
こんにちは!まずは私のnoteに興味を持っていただき、ありがとうございます。
本noteでは、「商社が付加価値を生み出す方法」というテーマで書いていきたいと思います。
ちなみに、私は現役で商社に勤めている人間です。
なので、本noteは、現役商社マンの考察に基づいて作られています。
商社が提供できる付加価値
商社が提供できる付加価値は、次のようなものがあると思います。
1.商社金融
2.在庫調整
3.情報提供
4.貿易に関する諸々の手続き
5.集中購買による有利な仕入れ
6.購買集約
1.商社金融
1つ目の付加価値は、商社金融機能です。
一般的に、モノを買うときは、代金を支払いを後ろ倒しにした方が良く、モノを売るときは代金回収を早くした方が良いです。
なぜならば、その方が手元の資金が減らないからです。
手元の資金が減らなければ、次のビジネスに関する投資にその資金をまわすことができます。
そのため、サプライヤーは「早く代金を支払って」といい、顧客は「代金の支払いを先にしてほしい」といいます。
このままでは、両者は取引できないわけですが、ここで商社がバリューを発揮します。
つまり、サプライヤーに対しては、望み通り早く代金を支払ってあげ、顧客に対しては代金支払いを後ろ倒しで受けてあげることにより、商社が「決済条件の点で両者をつなげる」という金融機能を発揮するのです。
これによって、サプライヤーと顧客の2社では実現できなかった取引が、商社の力によって実現されるのです。
ここに商社の付加価値があります。
2.在庫調整
2つ目の付加価値は、在庫調整機能です。
一般に「在庫」というものを企業は持ちたがりません。
それは売れ残りを懸念しているからですが、かといって、どこかで在庫をしていないと「ほしい時に製品が無い」なんてことになりかねません。
そのため、在庫調整役が必要となるわけですが、ここで商社がその機能を果たします。
商社が在庫を持つことによって、サプライヤーも顧客も在庫を無駄に持つことを避けられ、かつ、「欲しい時に、欲しいものを、欲しい場所に届ける」ことが可能となります。
ただ、商社としても、あまり在庫は持ちたくないので、この機能が商社にとって望ましいものであるかといえば、決してそうではありません。
3.情報提供
3つ目の付加価値は、情報提供機能です。
数多くのサプライヤーと付き合い、数多くの顧客と商売をし、数多くの商材を取り扱う商社には情報が集まってきます。
その中には「このサプライヤーには、この顧客を紹介できるかも」「この顧客には、このサプライヤーを紹介してあげたら、お悩みを解決できるかも」なんてことにつながる情報もあったりします。
この「情報」という武器が商社の1つの付加価値になりえます。
なので、商社としては、情報を得るために、できるだけ手広くビジネスを行って、様々な取引先、人脈、商材、商圏を持っておくことが大切だったりします。
4.貿易に関する諸々の手続き
4つ目の付加価値は、貿易に関する手続きの代行機能です。
輸出、輸入といった貿易を行うには、通関などの諸々の(面倒くさい)作業が必要で、かつ、それは貿易規制や各種法律を順守して行う必要があります。
規制や法律といっても、日本のものだけではなく、輸出先の国の法令や、アメリカの法律なんかも絡んでくるので、なかなか厄介です。
この面倒くさい貿易に関する作業をサプライヤーや顧客に代わって代行することは、商社の1つのバリューだといえるでしょう。
5.集中購買による有利な仕入れ
5つ目の付加価値は、集中購買による有利な条件での仕入れです。
少ない量しか買わない人と、多くの量をまとめて買う人、どちらが価格交渉で有利に立てるでしょうか。
答えは、間違いなく後者です。
まとめて買った方が、運送料などのコストを圧縮できるので安く買うことができますし、さらには、買う量が多くなって「お得意様」と認識されるようになれば(相手の業績に大きく影響できるようになれば)、交渉力も強くなります。
商社は、数多くの顧客のために、まとめてサプライヤーに発注することで、より有利な価格(安い値段)で仕入れを行うことができ、その有利な価格をもとに顧客に製品を再販売することができます。
これも商社の付加価値の1つだと思います。
6.購買集約
6つ目の付加価値は、購買集約機能です。
メーカーが製品を作る際には、その製品を作るための部品が何百、何千、何万にも及ぶ場合があります。
こんな時に、自社で数多くのサプライヤーと契約を結び、注文書を発行して、代金を支払って、、、とするのは大変です。
こんな時には、商社がまとめて数多くのサプライヤーから部品を仕入れてきてくれたら、とても便利です。
商社1社に注文するだけで、必要な部品を仕入れてきてくれるし、契約交渉や書類の手続きもしてくれるので、めちゃくちゃ手間が省けます。
こういった点も商社の付加価値の1つですね。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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