ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その7

小児地域リハビリテーション研究会に寄せられたQ&A
Q:2020/5/30 2:35 当事者のご家族 本日の動画について
今日の動画を楽しみにしておりましたが、都合がつかず本日の動画を視聴する事ができませんでした。再視聴はできないでしょうか?(あと2回講義があると伺っておりますが、なかなか時間に合わせて視聴することが難しいです。)

A(事務局):期間限定でアーカイブ配信を行っております。基本的にはライブ感を大事にしたいとは考えておりますが、時間の都合上視聴できない方の為に講師からの許可が出る講義に関してはアーカイブ配信を実施していく予定です。

Q:2020/5/30 9:16 看護師
とてもためになる勉強会をありがとうございました。訪問看護師をしております。歩行獲得までのリハビリ計画を詳しく教えて頂ければと思います。通常どのくらいの頻度でリハビリは必要なのでしょうか?

A(真野Dr):低緊張のリハビリは、stage1から5までの段階にあわせた、動作の練習があります。
Man to manのリハビリができる場合、頻度は1回もしくは2回/週でよいと思います。
歩行獲得後は、きれいに歩くためのリハビリを行います。これも効果があります。

Q:2020/5/30 10:26 当事者のご家族
大変素晴らしい講義、ありがとうございました。筋緊張の低さが当面の問題だということは理解できたように思います。しかし筋緊張を高めるにはどうすれば良いか分かりません。そもそもなぜ低緊張になるのか、その神経学的基盤に対してどのようなアプローチが適切なのかご教示頂けると幸いです。また、その際主動筋と拮抗筋のバランスをどう考慮すべきかお分かりになればよろしくお願いいたします。

A(真野Dr):低緊張のお子さんのリハビリは、日本ではあまり注目されていません。論文や研究の数も少ないです。脳原性運動障害(脳性まひなど)における脳神経の促通だけがリハビリのようにとらえられているからです。(療育の成り立ちから、そうなってしまったのでしょう)
アメリカではダウン症児にはPT,OT,ST、心理などを総合的に行います。
なぜ低緊張になるのか?ぜひご意見を伺いたいと思っています。
ただこの低緊張は、ゆっくりと回復することを明確に示させていただきました。
このことは、同じ低緊張を呈する、他の染色体異常のお子さん全体に言えることであると思います。
低緊張のお子さんの動作には共収縮が必要です。屈筋と伸筋が同時に働くことです。
一般的に、成長期には筋力強化は行わないように言われていますが、ダウン症児に筋力強化は有効です。受容体である筋紡錘の情報量を増やすことは、確かに有効であると思います。
低緊張を呈する筋、頚部筋群、腹筋、肩甲骨周囲筋などあまり注目されていなかった筋肉です。多くは発語に関係しています。動作の前に、腹筋を軽く押して促通すると(使い方を教えると)動きが変わってきます。ぜひ試みていただければと思います。

【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版

ダウン症ー書籍

オープンチャット「小児地域リハ研究会」
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配信会場のご協力:医療法人社団雪嶺会 東京リハビリ整形外科クリニックおおた

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