ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その13

小児地域リハビリテーション研究会に寄せられたQ&A

Q:2020/6/26 19:23 療法士
7歳以上で筋が柔らかい子は、筋力がないから柔らかいんですか?筋力トレーニングしたら筋がつくのでしょうか?


A(真野Dr):7歳以上で明らかに筋トーヌスが低い場合は、甲状腺機能低下症を疑います。小児科に相談していただくとよいでしょう。
筋力は身体の部位によって、違いがあります。筋トーヌスが低いのは腹筋と上肢筋です。腹筋の筋力評価は難しいです。動作時と安静時を分けて評価するとよいです。筋硬度計が役に立つことがあります。
どの筋力が低下しているか?専門職が評価して、リハのプログラムを立て、ご家族に指導をするようにして下さい。
筋力低下に対しては、筋力強化が必要です、小児の筋力トレーニングには賛否があると思いますが、7歳以降で筋力低下がある筋に対しては、筋力強化が必要であると考えています。
筋トーヌスが低い時期は、スキルの練習を行いながら筋力をつけることが大切です。(この方法を確立していることが、この本の特徴です) 講演でお話ししたように、筋トーヌスの改善に合わせて、スキルのstageが進むようになっています。筋トーヌス低下に対するリハは、わが国では確立されたものではないと思います。ぜひ試みて、ご意見を教えてください。

Q:2020/6/28 9:22 当事者のご家族

2歳の息子がいます。今伝い歩き、ハイハイで生活しています。前から猫背の姿勢が気になっており、良い姿勢は数秒しか保てません。骨盤を立たせようとしても、ハイハイで逃げてしまいます。このような場合、他に出来ることはありますか?腹筋、背筋のバランスでしょうか?何かいいストレッチがありましたら、教えてください。

A(真野Dr) :part1 Stage4の練習をしてみましょう。Stage4巻末のMilestone checklistで評価して、必要なスキルを練習しましょう。
ダウン症児は自分から歩こうとしません。 Stage5の練習を取り入れて、歩くことを教えましょう。
性格の特性があります。積極型と慎重型です。今回はあまりふれませんでしたが、
性格に合わせて、やる気を引き出すとよいですね。

Q:2020/6/28 13:43 当事者のご家族

1歳7ヶ月のダウン症子供がいます。生まれた時から自分でうんちが出せずにお薬を使って毎日排便させています。自力で出せるようにしてあげるにはどうしたら良いのでしょうか?

A(真野Dr):排便に関する能力は、自律神経が関与しています。自律神経機能は、成長とともに回復します。小学校低学年頃が目安です。それまでは丁寧にサポートするのがよいです。
腹筋のマッサージ、腹臥位の練習、動作の練習、歩行練習などが自律神経の働きを促通する可能性があります。
腹筋は、押して、止めて、動きを促通してみてください。仰臥位の時だけでなく、座位、立位、歩行の前などに軽く刺激するのもよいです。
鎖肛のお子さんの場合は、肛門に小指を入れて肛門括約筋を刺激する方法をとります。取り入れてみるとよいかもしれません。

【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版

ダウン症ー書籍

オープンチャット「小児地域リハ研究会」
https://line.me/ti/g2/nDS5i1lxXQ9gIpRVBAHh6g?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default
※オープンチャットに登録頂きますと、当日の限定配信URLを10分前にお送りします。

配信会場のご協力:医療法人社団雪嶺会 東京リハビリ整形外科クリニックおおた


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?