ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その11

小児地域リハビリテーション研究会に寄せられたQ&A


Q: 2020/6/26 7:10 療法士

足部の変形(扁平足、外反足、内反足)に対してのアプローチをどのようにされているか参考にさせていただきたいです。宜しくお願いします。

A(真野Dr):ダウン症児の足の管理は次回の講演でお話しします。一般的にダウン症児の乳幼児期の外反扁平は低緊張によるもので、変形ではありません。(実際には個別の評価、レントゲン検査を行っています。)
身体能力に合わせて装具を用います。
装具は姿勢とバランスを変えて、スキルを行いやすくすることが目標です。
装具の必要性を判断するにはどうすればよいでしょう?評価法は本文を参考にしてください。(293ページ参照) ぜひご自分で評価してみてください。
ダウン症児の外反扁平足は、踵骨外反を伴います。踵骨が距踵関節で横に滑るように外反します。(写真を参照してください)
踵骨を正中位にした装具が必要です。矢状面で、踵骨部を補高し、MP関節部で踏み返しをさせます。趾先を伸ばして蹴ることを教えます。
簡易的な装具を自分で作製してみることをお勧めします。

インソール作製には手間と時間がかかります。装具診をしている施設も多くはありません。多くのお子さんにいきわたらないですね。
いくつかの方法を試みています。
手作りのインソールをぜひ試みてください。
既成のインソールを試すこともよいですが、試し履きができるものが少ないようです
ご家族のストレッチが有効です! 実際に子どもに触れながら足の硬さを改善させることができます。
外反が強い場合や内反がある場合などは、ストレッチで改善します。
足のストレッチを紹介します。私の方法です。1腓腹筋のストレッチ2足関節の内反外反ストレッチ 3足関節背屈ストレッチ、ここまでを数分で行います。入浴後や睡眠前などがよいです。1.2回/日で良いです。
インソール作製する場合は、採型して陽性モデルを作り、踵骨を正中位に矯正した肢位で、内側アーチを形成し横アーチが開かないように踏み返しをつけます。(次回の講演で実際の作製場面をお見せします)
姿勢と動作をイメージすることが大切です。仮合わせで調整して完成です。
手作りのインソールも有効です。踵骨を矯正します。
既製品では踵骨のアライメントが崩れてしまい、内側アーチが痛くなることもあります。
内側アーチの矯正(踏まず支え)だけでは、姿勢の矯正ができません。
足の変形は年齢によって違います。7歳以降では筋の短縮が残ることがあります。下腿三頭筋の短縮による内反足は、踵骨外反を伴う外反扁平足になります。この場合は短縮に対する治療が必要になります。
ダウン症児は筋トーヌス低下が改善するため、幼児期に作った装具を、いつまでも使うことはよくありません。

【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版

ダウン症ー書籍

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