ダウン症のある子どものリハビリについて 質問&回答 その21

小児地域リハビリテーション研究会に寄せられたQ&A


Q:2020/7/20 12:23 当事者の家族 3歳半の男の子
先日、検査したところ頸椎にズレが少しあると言われました。治療レベルではなく、経過観察なのですが改善できる方法は何かありますか?(少し受け口になってます)

A(真野Dr)頸椎に関しては、1:環軸椎の問題と2:環椎後頭関節の問題があります。
1は開口位で正面からのレントゲン検査で評価します。1の場合は環椎が斜めになることがあります。首が固くなり、正面からみると顔が斜めになり、横から見ると下顎が上がった姿勢になります。口が開きにくくなることもあります。
2は側面からのレントゲン検査で評価します。2の場合、下顎を引く動作はよくありません。顎を引くと環椎が前方に移動して脊髄を挟み込むことがあるからです。このレベルの問題がある場合は、でんぐり返しなどは禁止します。プールの飛び込みも禁止します。
レントゲンでわからない場合はMRI検査を行うこともあります。

お子さんは1と思われます。
環軸椎の問題があると、顎関節が固くなり、大きく口を開けることが不得手になります。開口練習(口を大きく開く、舌を前に出す、しっかりかむ)口唇を引く、口唇を突き出すなどをしましょう。一緒に表情筋の練習をするとよいですね(笑う練習が一番です)
顎を引いて首を伸ばす姿勢の練習をしましょう。顎を引いた姿勢で、頭を軽く上に引っ張ってもよいです。(椎体の免荷になります)
後頭部をマッサージしましょう。頭蓋骨の耳孔の下方(乳様突起)のレベルに環椎があります、後と横から軽く圧迫してマッサージをするとよいです。

Q:2020/7/20 12:28 当事者の家族 7歳
7歳の少1女子です。走るとき下を向いて走る癖があります。膝もあまり曲げない走りのようです。歩くときの足音もペタペタ と音がします。どのように改善できますか?

A(真野Dr):7歳になるので低緊張が回復していると思われます。筋力の低下、動きの癖などは、できればリハビリで個別の評価が必要です。
股関節が固くなっていませんか?股関節伸展ができますか?内外旋中間位で動かせますか?
足関節が固くなっていませんか?足の変形(踵骨外反を伴う偏平足)はないですか?下腿三頭筋の短縮はないですか?
Foot managementができていますか?
上肢を使えていますか?走る時に腕を振れますか?

Part2の歩行を洗練させる練習を取り入れてみて下さい。

Q:2020/7/21 20:16 当事者の家族 3歳男の子
アメリカでは、ダウン症の治療でTNIという治療プログラムがあるそうです。効果があるならやってみたいと考えますが、先生はどうお考えでしょうか?ご意見いただきたくよろしくお願い致します。

A(真野Dr):私は情報がありません。申し訳ありません。

【参考図書】
ウィンダーズ先生のダウン症のある子どものための身体づくりガイド おうちでできる練習BOOK 原著第2版

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