自立支援医療(更生医療)

この自立支援医療(更生医療)は、
身体障害者の方のうち、その障害を除去・軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できるものに対し、
これらに必要な医療費の自己負担を軽減するための制度です。


では、どのような方が対象で、どのような支援をうけられるのでしょう?
厚生労働省の次のページの4 対象となる障害と標準的な治療例を見てみます。

対象の障害は、大きく以下のように分かれていますね。
(1)視覚障害
(2)聴覚障害
(3)言語障害
(4)肢体不自由
(5)内部障害(心臓、腎臓、肝臓、小腸、免疫)

標準的な治療例は、多岐にわたっていますね。
外耳性難聴 → 形成術、関節拘縮、関節硬直 → 形成術、人工関節置換術等、心臓先天性疾患 → 弁口、心室心房中隔に対する手術。
このあたりは先天的な障害に対する治療例かと思われますが、
白内障 → 水晶体摘出手術、網膜剥離 → 網膜剥離手術、鼓膜穿孔 → 穿孔閉鎖術、後天性心疾患 → ペースメーカー埋込み手術、腎臓機能障害 → 人工透析療法、腎臓移植術、肝臓機能障害 → 肝臓移植術、小腸機能障害 → 中心静脈栄養法、HIVによる免疫機能障害→抗HIV療法、免疫調節療法。
これらは、後天的で誰にでも発生しうる可能性のある障害かと思われます。

腎臓機能障害、肝臓機能障害、HIVによる免疫機能障害に至っては、身体障害の部類に入るということがわかりました。


この制度を使うことで得られるメリットは、
診察や投薬に係る医療費が自己負担3割→自己負担1割となります。


では、どうやったらこの制度を受けられるのでしょう?

名古屋市の自立支援医療(更生医療)の場合(愛知県の障害福祉HP)
岐阜市の自立支援医療(更生医療)の場合
四日市市の自立支援医療(更生医療)の場合(三重県の障害福祉HP)

これらを見ていくと、
1.身体障害者手帳
2.医師の意見書
3.申請書
4.受診者の「世帯」の属する者の名前が記載されている健康保険証
5.受診者の属する「世帯」の所得の状況等が確認できる資料(年金証書等)
6.マイナンバー関係書類(通知カード、運転免許証など)
7.じん臓機能障害の方は、特定疾病療養受領証
が、必要とのこと

まずこの制度を受けるには、1の通り、身体障害者手帳が必要であるということがわかります。
身体障害者手帳の取得については、別途noteを作成しようと思います。

次に、2の通り、医師の意見書が必要になります。
これは、給付に際し身体障害者更生相談所において審査が発生し、その際の審査材料となる資料が必要となるためです。
この意見書は、各自治体が指定する指定自立支援医療機関の更生医療を主として担当する医師が作成するものとなります。
まずは、係り付けの医師に相談することから始めるのがよいと思います。
おそらく医師もこのような相談はいくつも受けていると思われるので、適切なアドバイスがもらえるはずです。
ただ、医師の意見書はすぐに発行してもらえません。
数週間なり時間がかかります。
早めの相談が必要ですね。

3の申請書は、各自治体(市役所・町役場・村役場)で発行してもらえるので、事前の用意は必要ありません。

4と5と6は、ふつうに持っていきましょう。


さぁ、必要なものがそろったら各自治体の担当課へ行きましょう。
でも、ここで注意点。
自治体によって大きく担当課が変わります。
場合によっては、市役所など役所ではなく保健所だったりします。
HPを見る限り、

・名古屋市では、各区役所福祉課福祉係(社会福祉事務所)、支所区民福祉課福祉係
・岐阜市では、市役所障がい福祉課、柳津地域事務所福祉事務所柳津分室
・四日市市では、市役所障害福祉課

と、まちまちです。
ご自身が住まわれる自治体HPで確認、もしくは自治体役所へお電話で確認するとよいと思います。
なお、筆者は「名古屋市 自立支援医療費(更生医療)」で、検索したらでてきました。


この制度は、障害者総合支援法(障害者自立支援法)に基づく制度です。
日本国内で住民として住まわれている方であれば、どなたでも適応される制度です。
各臓器に対する手術、形成術は高額となり、人工透析や抗HIV療法に至っては長期にわたる通院と高額な薬代により、その人の経済を圧迫していきます。
このような制度が用意されていますので、ぜひ活用していただき、少しでも不安がなくなることを願っています。

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