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第107回薬剤師国家試験を終えて

 国家試験の自己採点を終えた。拙い文章ではあるが、記録として自分が感じたことを中心に残しておこうと思う。合格圏内の点数を取ることができたので、少し気持ちに余裕がある状態ではある。できる限り正直に振り返ろうと思う。

〈これまでの成績〉
全統Ⅰ : 171
全統Ⅱ : 203
全統Ⅲ : 224
国試:274

〈国試までの流れ〉
 まず、勉強を始めたのが青本が届いた4月くらい。おそらく平均すると、夏の7月ごろまで、週に2-3時間勉強できてたら良い方だと思う。研究室が忙しい時(学会とか実験とか)は、まったく手をつけられなかったこともあったと思う。最初は先輩、先生が言うように物化生、薬理から青本、青問を進めた。7月後半くらいから、平日にあまり時間を取れないので、土日も少しずつ勉強に充て始めた。まあそれでも週に5-6時間勉強できていればいい方かと思う。

 9月に模試があってからは平日の夜に研究室の合間を縫って勉強していた気がする。おそらくこの頃の自分が1番タフだった。例えば実験で夜遅くなる日も、実験の隙間時間でやってたり、研究室の空気がしんどくなってきた時に、気分転換に外のラウンジに出て、そこで青本を見たり、研究と勉強を両立(研究生活を軸にせざるを得なかったけど)しようと努力した。正直胃が痛かった。
 平日の夜週一くらいで友達と勉強会みたいなのをしたこともあった。社会人になっても活きるはず。というか人生で初めて、勉強に集中するための時間と環境がとても貴重なんだと思った。研究室が厳しいからこういう発想が生まれたのかもしれない。本当に社会人みたいだ。

 11月に2回目の模試があって、割と得点がアップしてた。ここでかなり自信がついた。学内順位が良かったので、ちょっと調子に乗ってしまった。研究室の方も12月に卒論を書いたり、発表があったりと佳境を迎えたため、2021年内は2回目の模試が終わってから勉強量がかなり減っていったように思う。このころは、衛生、薬剤あたりに力を入れた。

 1月、年明けてから毎日の研究室生活から解放された。勉強しておけば許されるという身分は本当に幸せだった。正直気が緩んだ。バイトも9-12月が忙しすぎてできてなかったので、高校の友達の影響で隙間時間にUbereatsの配達員をしてみた。たぶん、周りからしたらあいつ余裕だなと思われていたと思う。自分は運動することで集中力向上に繋がると思っていたので、プラスに捉えていた。Uberは週に10時間くらいのペース。実際自分は少し浮かれていたかもしれない。ただ、自分の現状成績がしっかり分析できていたのは良かったと思う。1月の中旬には青問が全教科一周していた気がする。科目ごとの詳しい勉強量だとか方法は割愛するが、だいたい1月3回目の模試でこれくらい取れるだろうなという予想通りの結果が3回目で取れた。ただ周りの友達がすごく伸びていて(だいたい統一2から50点くらい上がってた)刺激を受けたし、悔しかった。学内順位も落ちて少し焦った。残り3週間は全てを勉強に捧げようと思った。

 そこから多い日は1日14時間くらい勉強した。薬ゼミ動画(模試解説)も初めて頼った。大学教授のような研究のプロと予備校講師という教育のプロは当たり前だけど違うと感じた。国家試験予備校という業界も思ってたより発展していて、みんな競争、ビジネスに必死なんだと痛感した。正直なところ、全員で仲良く受かることはできない。誰かが受かれば誰かが落ちる。やらなきゃやられる。そのための試験だから。周りより点を取れるかどうか。どんなことにも競争があって、時には残酷とも思える評価がくだされる。そんな中でその道の先生が生まれ、みんなそれに続くようにして攻略法が発展していく。少し怖かった。
 不安な時は隙間時間に耳からもインプットした。ゴロも使った。単純に暗記するのは苦手だったけど、受かるためにはしょうがないと思った。
 国試直前は、友達と一緒に山かけ見たりして過ごした。最終的に周りの友達も統一3から本番までで50点くらい伸ばしてたから、みんなすごいと思ったし、周りの人が優秀で恵まれてたなと実感した。

〈全体を通しての所感〉
 多角的に考えれば解ける問題も結構あって(単純な知識、手を動かして計算、日常生活の感覚に照らし合わせる、作問者の意図を推察する等)、そのような解き方が一義的じゃない問題は好きだった。最後まで諦めず頭を使い続け、正解確率の高い方を選択する粘り強さが重要だと感じた。もっと粘れる人になりたい。
 完全相対評価であるからには、実践的な思考力を問う問題を作らざるを得ないと思う。でないと極端な話、大学一年生のころから青本を繰り返し読み、ゴロを唱え続けた人が勝ってしまう。そうなると薬学部なんて通わず、予備校に行けばいいと感じてしまう人が増えると思う。ネットで調べても簡単に答えが出てこないような問いに対して、最適解を導出する能力が求められてくると感じた。
 勉強に熱中させてくれた周りのライバルや、支えてくれた人たちに感謝しかない。まだ合格が決まったわけではないし、合格できたとしてもその体験をどう活かすかの方が何倍も大事だと思う。いつか恩返ししたい。
 あと、自分に勉強の楽しさを教えてくれた数々の人たちのお陰で、今の自分がいると思う。今はネット上(YouTubeとか)で、勉強ができてキラキラして楽しそうにそれを表現してる師匠みたいな人にいくらでも遭遇できる。大学生の間に出会えてよかった。

〈読んでいただいた方へ〉
 何度も体験できない貴重な経験だと思ったので、文章に残しました。正直に思うことを書きました。まだまだ書ききれていないことも沢山あります。必要に応じて適宜加筆したり修正するかもしれないです。

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