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この医学書・看護書がすごい!2020【北大路書房】

なにが始まったんだ?と思った方はまずこちらをお読みください。

心理学を中心とし、教育、福祉、保育に関する専門書を刊行されている京都の出版社です。

医書ビブリオバトル on POPで自社推薦本として『ナラティブ・メディスンの原理と実践』と他社推薦本として『美しい距離』(山崎 ナオコーラ)の二つを選書されたのはヤンデル先生もおっしゃってましたが、センスがよすぎですね。このふたつが揃ってこその説得力……!

さて、北大路書房営業担当のイチオシはこちらです!

『人生の終わりに学ぶ観想の智恵 死の床で目覚めよという声を聞く』

北大路_版元

(リンク先、新刊案内の10月の新刊をご覧下さい)

文学・文芸と医療が融合した「ビブリオセラピー」。

ビブリオセラピーとは読書療法のことを指し、そこで薬の代わりに処方されるのは「本」です。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大によってSTAY HOMEが叫ばれ、それに付随して『今、読むべき本』という特集があちこちでされました。巷に溢れる真偽のつかない情報に溺れて不安な心を鎮めるのに、読書という手段は確かにもってこいですよね。警戒宣言発令前後に本のまとめ買いが増えたのも事実でした。

TVなどのメディアやSNSやネットニュースはどちらかといえば受動的なものですが、ページを指で捲る、文字の連なりを目で追う。それを頭の中で咀嚼し、理解して心の中に落とし込ませる、といった本を読むという行動はとても能動的なものだと私は考えています。思考することで取捨選択もできる。だからこそ、成立するビブリオセラピー。

そして、この本は死と看取りについてのエッセイ集です。終末期医療に携わる人にとってこの本がセラピーたりうるかどうかは、読み手のあなたが確かめてください。


そして売場担当の私のイチオシはこちらです!

『グラフィック・メディスン・マニフェスト: マンガで医療が変わる』

北大路_店

北大路書房さんが刊行されている本で気になった最初の本がこちらでした。

マンガと医療が手を結ぶと謳っていたから、医療マンガを取り上げている本かなと思ったのですが、本質はもっと深くて別のところにあります。

マンガという手段で医療への理解を深めようとするのではなく、様々な医療や人々に対して向き合う手段としてのマンガの位置付け。マンガは言葉で聞いたりするより、文章を読んだりするより、とっつきやすい、一般的に理解がしやすいという利点がある。これは大きいです。

つまり、グラフィック・メディスンとはナラティブ・メディスンの先にあるものではないでしょうか。この先、どう広く展開していくのか。それを知る上でも読んで欲しい一冊です。

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