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この医学書・看護書がすごい!2020【日本看護協会出版会】

この企画はなに?と思った方は、まずはこちらをお読みください。

2020年に、第8版となる看護必要度を刊行された日本看護協会出版会さん。

医書ビブリオバトル on POPでは『そのとき うんちは どこにいる?』という便育の本を自選されて注目を浴びました。サテライトを開催したうちの店でも、お父さんとお子様が楽しそうに立ち読みされていたのを、見かけたことがあります。

さて、日本看護協会出版会営業担当のイチオシはこちら!

『ロレンス・ナイティンゲール 看護覚え書き 本当の看護とそうでない看護』

看護協会_版元

2020年の著者生誕200周年に際し、デザインがリニューアル!

看護覚え書きに「き」という送り仮名がついているのは「おぼえしょ」と読んでしまう方が多いからだそうです。そして日本看護協会出版会から刊行されている『看護覚え書き』は1859年の初版本です。後に書き加えられた増補改訂版ではありません。

なぜ、新しい情報が加わった増補改訂版ではなく初版本に拘るのか。

初版本には著者が伝えたい全てが語られている、つまりそれだけで完全な本なのです。これから看護を学ぼうとしている初学者にとって、分厚いテキストはプレッシャーになりますが、この初版本は分量も多くなく、読みやすい。

それらのことを訳者である小玉香津子氏が本書を紹介しているページで、語っております。ぜひ一度ご覧になって下さい。

『1859』のよさを理解して頂けるかと思います。


そして売場担当である私のイチオシはこちら!

『ナイチンゲール病棟はなぜ日本で流行らなかったのか』

看護協会_店

こちらも生誕200年記念出版本です。ナイチンゲールの越境と題されたシリーズ。第一弾は『建築』!

ナイチンゲールと建築がどうして結びつくの?と疑問に思った方も多いかと思います。私もそのひとりでした。

『看護覚え書き』と前後して出版された『病院覚え書き』でナイチンゲールは「良い病棟とは、見かけがよいことではなく、患者に常時、新鮮な空気と光、それに伴う適切な室温を供給しうる構造のものである」と述べています。

当時の病院は修道院や邸宅がそのまま病院に転用されたものが多く、外側からの見た目はよくとも内側の環境は劣悪でした。そこで命を落とす若い兵士たちを目にしていたからこその提言であり、その後の病院建築に影響を及ぼしたことからナイチンゲールは歴史上初の「病院建築家」と言われるようになったのです。

この本は建築家が読む『病院覚え書き』です。実際のナイチンゲール病棟の事例の紹介と考察も記されています。

つまり、医療関係者ではない建築に携わっている方、興味のある方にも是非、読んで欲しい一冊なのです。


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