創作における和歌の有用性

私は底辺文字書きをしている。底辺だからあまり人に読まれる作品は書けないのだが、それでも創作している人間なので、ネタ切れという状態に陥ることがよくある。でも悲しいかな、ネタ切れでも小説を書きたい気持ちは消えないのだ。

そこでどうしているか。題名にもある通り、和歌を使うのだ。私は教養として百人一首はほとんど暗記している。特に恋の和歌なら背景も含めて全部覚えているのではないだろうか。もちろん覚えていなくても調べればいいネタに繋がるのだが。

小説を書く最初の段階としてインスピレーションを得ることが必要だ。小説を読む、音楽を聞く、映画を見る…何でもインスピレーションを得ることは可能だ。しかし和歌なら三十一文字だけだ。意味や背景を調べる必要はあるが手軽である。しかも昔に詠まれた和歌であれば著作権がない(尤も、現代の和歌でも、インスピレーションやネタとして使う分には著作権は関係ないかもしれないが、そこは分からない)。しかも有名な和歌として残っているものは、技巧に満ちていたり、純粋な気持ちを歌っていたりと、ネタとしては優秀である。


私はよく百人一首のネタを元に小説を書くが、昔と今で、恋愛感情なんて普遍なものなのだなと再認識させられる。だからこそ、和歌を元ネタに書くのは光る作品が出来るのだ。