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サロメ

サロメ


The King of 不気味~


オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」は新約聖書のマルコの福音書の6章1~2節に 描かれているエピソードを戯曲化したものですが、その戯曲そのものと同時に、オーブリー・ビアズリーによる独特で不気味な挿絵が有名です。
この一枚はその中で最も有名と言っていいものです。

宙に浮いている女性が「妖女サロメ」、彼女が持っている生首 はイエス様に洗礼を授けたバブテスマのヨハネのものです。
戯曲の主人公、サロメは 「美少女」ということになっていますが、この絵を見る限り……ですよね。
むしろギリシア神話に出てくる怪物メドゥーサを思わせるよ うなルックスです。「醜い心の内面を描いた」とでもいうことなのでしょうか。
簡単に聖書でのお話を説明すると、こんな話です。   


サロメの母のヘロデヤはヘロデ王の妃でしたが、ヘロデとヘロデヤの結婚はいわゆる「不適切な関係」によるもので、後 ろめたいものでした。
ヨハネはそれを知っていて、ことあるごとに「そういうの、よく ない!」とヘロデヤを批判したので、彼女はヨハネのことが嫌いでした。 そこである時、娘サロメが王の前で踊りを踊って気に入られ、王から「何でもご褒美あげるよ☘」 と言われた時に、ヘロデヤは娘の耳に「ヨハネの首をもらいなさいな」と 囁いて、ヨハネを殺させた、という話です。


戯曲ではこれに、「サロメはヨハネに恋をしていた」という設定を追加して、話を盛り上げています。

サロメはヨハネに何度も迫りましたが、ヨハネは常にこれを拒絶最後は生首になったヨハネに口づけをして思いを遂げる・・・・・・という、もう超絶に不気味な ストーリーに仕上がっています。
超絶不気味なストーリーに、超絶不気味なこの挿絵 さんぜん 世界の「不気味界」に燦然と輝く名作です。

サロメ (岩波文庫)
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1時間くらいで読める長さですからよかったら読んでみてください。もちろん、ピアズリーの挿絵の数々にもご注目です。


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