立川晴の輔師匠
僕は、笑点にチラッと出演している。
もう一度言うが、チラッとである。
というのも落語家として、笑点のアシスタントをやっているからである。
アシスタントとは、収録の前説や師匠方の着付けなどの裏方業務、また収録では、
「山田さーん、例のものを持ってきてくださーい」
と言われれば、山田さんと一緒に例のものを運んでいくのだ。青い着物を着ており、その時にチラッとうつりこんでいるというわけだ。
そして本日、笑点の新メンバーが立川晴の輔師匠に決まった。
新メンバー発表のときは本当に驚いた。
というのも、晴の輔師匠は東京農大出身で、学生時代は落語研究会に所属していたのだ。そして僕も農大で落研出身。僕の先輩である。学生時代からお付き合いがあり、晴の輔師匠の真打昇進トライアルや、真打昇進落語会のお手伝いをさせていただいた。学生ながら、さまざまな新しいことに挑戦している姿を見るというのは、とても刺激的であった。
卒業後しばらくしたあとには、僕が落語家になりたいと相談すると、親身になって答えてくださった。
最低1年間は寄席やいろんな落語会に通った方がいい、好きな人に入った方が良いとおっしゃっていただいのを今でも覚えている。
結果的に師匠、春風亭昇太の元へ弟子入りすることになるのだが、その道すじを作っていただいたのは晴の輔師匠である。
落語家になってからも、お仕事をいただいたりとその都度の現状のお話を聞いてくださった。そういうこともあり後輩ながら勝手に恩人の一人だと思っている。
そんなお世話になった晴の輔師匠が笑点メンバーとして舞台に上がるのだ。舞台袖で観ていた僕は鳥肌が立ってしまった。使い古された言葉ではあるが、夢のようだった。
というか、こんな感情が自分にもあることに一番驚いた。
他人の人生にこれだけ感情移入できるのか俺は!
久しぶりにテンション上がってしまった。上がりすぎてしまい、普段こんなこと書かないのに、書いてしまっている。
これから笑点を観る時は、牛の乳搾りや大根音頭など、学生時代に土臭い経験をしたやつが笑点の現場に二人いるんだなと思いながら視聴していただきたい。
それは僕からしたら奇跡なのだ。
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