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一人暮らしを始めてみてから思っていること

私の人生において、最大の目標と言ってもいい一人暮らしが始まりました。叶ったからには続けることが大切です。しっかりやっていこうと思います。正直なところ、本当に叶うとは思っていませんでした。したいという気持ちはずっとあっても、勇気が出なかった。

決まったきっかけは割と突発的なものです。詳細は伏せますが、何やかんやと人との関わりに悩んで煮詰まってしまったある時、母親がぽろっと「もう(一人暮らし)してもいいんじゃない?」と言ってくれたことが、最大の後押しです。その言葉を聞いて私は、そうか、もういいかと、肩の荷がすっと降りたような感じがしました。

なんと言うか、キツキツに閉じられていたコルク栓がポンと抜けた感じです。ずーっと悩んでいたことに、たった一つの道が開けた。その言葉を聞いてから、一人暮らしの部屋で初めて寝るまで、本当に早かったです。あっという間でした。4月とか、目まぐるしすぎて何があったかあまり覚えていません。

さて、ここから本題に入ります。

2ヶ月くらい一人暮らしを続けてみて、いま私が何を思っているのか、ですね。

いちばん強く思っているのは、「意外とやれるじゃん」です。もともと、だいたいの家事はできるんですが、料理は怖さや苦手意識があって、今まであんまりちゃんとやってなかったし、電気ガス水道ネットの手続きや支払いなんて初めてでした。

でも、料理は思っていたよりできているし、各種手続きの中で初めて会う人たちとも、さして緊張せず話しながら、しっかり事を進めていけた。本当にびっくりしました。

これは、清掃の仕事をするうち身についたものも大きいのかなと思います。色んな人と顔を合わせて挨拶や軽い会話をするので、知らない人へ抱く何となくの抵抗は、いつの間にか薄まっていたのかも知れません。嬉しいことです。

あと思うのは、とにかく楽しい!
料理で自分の好きなものを追求するのもそうですし、いつ何をしてもスムーズに動けます。大学時代とか特に、一人でいるのがすっごく好きだったんですが、その感覚がちょっと戻ってきた感じもしますね。次はコレ、コレが終わったらアレと、頭がぐんぐん動いているのをずーっと感じています。

私の障害特性で見ても、一人暮らしというスタイルはけっこう向いているのかもしれません。仕事とかじゃなく、自分一人でいる時の障害特性は私の場合、例えば「順序や決まり事に対するこだわりが強い」とか、「過度な確認作業」とかがあるんですが、

こだわりの強さ
・掃除は土曜日の午前
・洗濯は「溜まったら」か「2~3日おき」のどちらか
・何をどこに買いに行くかを決めている
・何をどこにしまうかを決めている
・夕食の調理開始の時間を決めている

確認作業
・現場猫スタイル
・防犯や防災に非常に役立っている
・忘れもの防止

と、むしろ一人暮らしにおける強みに変換できてます。メモを付ける習慣も身につきました。場面が違えば困る事が多い特性も、自分の範囲ならこの上ない強みです。

それと同時に、思う事も地続きのようにあります。
ちょっと飛んだ話になります。

なんだか最近、世間が言う「生き方かくあるべし」が強すぎるのは、おそらく多くの人が感じている事だと思います。私も思ってます。こうして生きてこそ立派だとか、その歳でこれをできていないなんて、とか。立派な生き方っていうのは、幼稚園児の頃から周りとの遅れを感じていた自分にとって、ずっと見つからない答えです。

最近になってやっと、確固たる思いになったのですが、こういう尺度や期待って、やっぱりあてにならないと思います。

みんな、自分の生き方を探して、目標に辿り着いたり、遠ざかったり、また新しい目標が見つかったりしていると思います。立派な誰かと同じでありたい、大きな夢である何かを叶えたい、でもなかなか届かない。普遍的な思いです。この思いは私の場合も、自分の障害と向き合う上で今も切っても切れないものです。周りを見ていると、本当に皆、すてきな生き方をしている。すごく頑張っているんだろうなと、いつも思うんです。

でも当たり前なんですが、私から見てすてきな生き方だからと言って、果たしてその人がなんにも悩まずに生きているかと言えば、絶対そうではありません。何かに届きたくても届かない、そんな思いをその人もきっと抱えている。

世の中の基準になるような「かくあるべし生き方」はどこにもなく、みんなその渦中にいて、何かに足掻いている。ある人の今現在や、結果だけを見て、第三者が勝手に「ほら、お前もこのように生きろ」なんて、たぶん目標にされるその人にずいぶん失礼なんじゃないかとさえ思えてきました。その人だって今まさに、何かに届かなくて足掻いているかもしれない。

確かなのはその人の生き方です。ずっとずっと、探して足掻いて届いてを繰り返して、今もその人がいる。それだけは決して脅かされない、確たるものです。そうして生きて、かくあるべしとされる何か一つにもし届かなくたって、足掻いたり、別のことをやれたりしているならいいじゃないか、と私は思うんです。

ちょっと出た発言になりますが、その人だからこそ見つけた目標や、達成してきた何かを誇ってほしい。私はあらゆる人に、心からそう思っています。

まとめに入ります。

一人暮らしをしてみて、ここまで書いたことを本当に痛感しています。一人暮らしすれば、私は自分に満足するだろうと思ってたんですよ。でも、前までと同じように、まだできていないことばっかり見てしまう。運転免許とかまさにそうです。

でも、できないよりも、今までやれてきた事、今できている事と、そしてこれから先、私が何をしたいか。その方が私にとって、もっと大切です。慌ててもしょうがないというのもあります。

ほんの一年前の私が今の私を見たら、きっと苛まれます。なんで出来てんだよ、なんで今の自分はそれに向かって頑張れてないんだよ、そのメンタルはどこから来たんだよ、とか、きっとそんな事ばっかり考えるでしょう。

でも、いつのまにかできたんです。

それと同じように、これからの大きな目標についても考えていきたい。そう思って、今回このnoteを書きました。

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