読んだ本#16

・考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話

・ママがやった

・〈公正〉(フェアネス)を乗りこなすー正義の反対は別の正義かー

わたしたちの社会が不安定であるのは、たんにわたしたちのニーズが多様で、ときとしてそれらが対立するからではなく、それでもわたしたちは現にともに生きているからであり、そしてそれゆえにこそ分配をめぐって利害・関心を共有してしまうからなのです。(p.45)

ここでヤングが述べているのは、「構造的不正義」はたしかに社会制度によってもたらされるが、しかしそうした不正義が成立し、そして解消されることなく放置されているのは、たんに制度の問題ではなく、そうした状況を受け入れて日々ふるまっている個々人の相互行為の集積の結果でもあるということです。構造的不正義の成立と未解消について、わたしたちはみな一定の責任を負っています。しかしーロールズのことばづかいの肝になる部分ですがー、この責任は、不正義の直接的な原因として個々人を名指すものではなく、まだ実際問題として、そのようにミクロなレベルでの数限りない行為のひとつひとつに責任を帰属することはできません(p.241)




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