葉子

デザイン事務所でディレクターをしていましたが、突然失業&結婚を経験。今は海の近くで無職…

葉子

デザイン事務所でディレクターをしていましたが、突然失業&結婚を経験。今は海の近くで無職させてもらってます。クリーニング屋を営む母親が連れて来る外国人留学生の世話をしたり、保護猫の預かりボランティアをしています。

マガジン

  • 靴の底

    2024年の日記。鎌倉移住や留学生たちの交流。夫婦の何気ない日常の日々を日記にしたためています。

  • 派遣社員として生きている。

  • 博物館で働いた話

    パンダが居る公園にあるとある博物館で出会った人たちの話をまとめています。

最近の記事

姉たちの喧嘩に巻き込まれている結婚式の話 【靴の底 #27】

結婚式が迫ってくる。 鎌倉への引っ越し、保護猫の預かりボランティア、妊活、そして結婚式。 鎌倉に引っ越してきてから目まぐるしく過ごしていたが、とうとう結婚式の準備に本腰をいれる時が来てしまった。 そもそも鎌倉という土地に興味を抱いたのも結婚式を挙げる目的だったりして、今年の私達のビッグイベントだ。 だが、義理家族の要望ですることになった式だけあって、私達の腰はピクリとも動かない。 毎月あるプランナーさんとの打ち合わせのために、準備を進めるが険悪な雰囲気が漂っている。 ま

    • 生理の日、鍵しっぽの猫へのお願い 【靴の底 #26】

      控えめな保護猫が私の足をカリカリと何度か撫でる。 お腹が空いたのだろう。眠気に負けて布団に潜り込んでいると旦那が先に布団から抜け出した。 薄目を開けると甘えた声をだして旦那の足に絡みつく保護猫が見える。 「飯がほしいんかぁ〜?」と猫を抱きかかえ、私の隣に降ろすとこれまた甘えた声で顔をスリスリと寄せ付ける。 私のことをご飯担当と理解しているこの子は1ヶ月間、私たちに近づくことはなく、ヴーとシャーを連発していたが、時を重ねていつの間にか甘えん坊の猫ちゃんに変貌してしまった。

      • 鶴岡八幡宮で大凶を引いて女友達との友情を育んだ日 【靴の底 #25】

        女友達との悪口大会ってどうしてこんなに楽しいんだろう。 一年以上ぶりに友人に会うことになり、私はわくわくしていた。 友人のアイちゃんは前の職場の同僚で、お互い長く付き合う彼氏との結婚の悩みや愚痴をランチタイムどころか、仕事中も吐き出しまくった戦友だ。 そんな私たちもランチタイムのネタになっていた彼氏と結婚し、アイちゃんは一児の母にもなった。 私が鎌倉に引っ越したことや無職ライフをしていて平日が暇だということから、一年以上ぶりに鎌倉で遊ぶことになったのだ。 「もうさ!私、

        • 骨になりたてのお母さん 【靴の底 #24】

          「おかん、骨になりたてやん」 喪服姿の人が骨壺と遺影を持ち、昼食をとりに店の前で集まっている光景をみて隣りにいる旦那が言った。 なんてことを言うんだ、と怒ると「鎌倉は骨になりたての人をよく見る」と返してきた。 確かに鎌倉という街は寺社仏閣があちらこちらにあるため、喪服姿の団体を見ることが多い。 黒い服に身を包んだ人が持つ骨壺はもちろん人の形はしていないけれども、どことなく人の気配がしており、大切に抱かれている姿は赤ん坊のようだ。 最近、鎌倉は紫陽花の季節と海の季節になった

        姉たちの喧嘩に巻き込まれている結婚式の話 【靴の底 #27】

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          27本
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        記事

          保護猫から学ぶ心を開くことのむずかしさ 【靴の底 #23】

          毎晩布団に入る前にブラインドを上げて夜中窓から外を眺められるようにすることが日課になった。 預かりボランティアをはじめてからの私の役目だ。 昼間は隠れ家に隠れて出てこず、夜皆が寝静まるとソロリソロリと出てきてこの窓から外を眺める。寝返りをうつと急いで隠れ家に隠れる。また出てくるの繰り返し。 人間は悪い、怖い、オレを傷つける。 保護猫からは私たちに対しての敵意と恐れを感じ、この家につれてきて可哀想なことをしてしまったのではないかと罪の意識を感じる日々だ。 その姿はむしろ、

          保護猫から学ぶ心を開くことのむずかしさ 【靴の底 #23】

          仕事を辞めてから何もかも変わってしまった 【靴の底 #22】

          昨年の今頃、仕事の繁忙期がようやく過ぎ去り、あーこれで早朝3時起きから抜け出せるのか〜とか最終の満員電車に揺られて思ったりしていた。 閑散期に入ったらゆっくりしようとか思っていたら、社長が大変な案件を取ってきちゃって、そんなん絶対ムリ!繁忙期後に、これはキツイ仕事だって!と思いながらも、NOと言えない私はどんどん仕事を引き受けて、早朝から深夜までの仕事に追われながら、真夏の40度近いグラウンドでの撮影中に熱中症になって緊急搬送。 家で3日間自宅待機になったけど、出社の日に

          仕事を辞めてから何もかも変わってしまった 【靴の底 #22】

          「誰かもらってください」と言われるとウチの子にしたくなる 【靴の底 #21】

          すこぶるご機嫌斜めの私を江ノ電に乗せて、旦那は極楽寺駅まで連れてきた。 今朝から私はなぜかモヤモヤ、イライラしていて、旦那に当たり散らしていた。 はじめての江ノ電にご機嫌も良くなってきて、後ろを振り向くと相変わらず何を考えているかわからない顔の彼と目があった。 仕事をしながら大学の講義も受けているらしい彼は今週の授業の予習をしている。 私は1日中家にいるのに、彼は外の世界があると思うと何故かモヤモヤしてしまい、視線を外して移り変わる窓の外を眺めた。 私は旦那に嫉妬をしている

          「誰かもらってください」と言われるとウチの子にしたくなる 【靴の底 #21】

          鎌倉で暮らして病気が少し和らいだ気がする。東京と鎌倉の違い。 【靴の底 #20】

          鎌倉で暮らしはじめて驚いたのが、孤独感を感じないことかもしれない。 東京で暮らしていたときは、騒がしい集団や足早に通り過ぎる人たちの中で、どことなく孤独を感じて、こんなに人間がたくさんいるのに私はなんでたった一人なんだろう・・・と思うことが多々あった。 鎌倉の街を歩いているとよく会話が生まれる。 この街独特の赤いポストの前で、このポストに郵便物を入れていいのだろうか?と悩んでいると「そこのポストね。何時に郵便屋さんが取りに来てくれるよ〜」と見知らぬおじさんが教えてくれたり、

          鎌倉で暮らして病気が少し和らいだ気がする。東京と鎌倉の違い。 【靴の底 #20】

          わたしが鎌倉へ惹かれた理由 【靴の底 #19】

          鎌倉への引越し早々に私は四国の祖母の家に訪れていた。 家にはまだ片付いていない段ボールと冷蔵庫だって未だに購入していなかったが、GWということもあり半年ぶりに90歳の祖母に会いに来た。 四国と言っても祖母の家は空港から汽車に乗って3時間の長旅で、海から山に流れ込む風が心地よい土地だ。 この日はちょうど雨が降っていて、道中の汽車にはずぶ濡れのお遍路さんたちがたくさん乗り込んでくる。 3時間の長旅を終えて、迎えに来た叔母の車に乗り込み、藍色の海沿いを走っていると雨の中をひたすら

          わたしが鎌倉へ惹かれた理由 【靴の底 #19】

          鎌倉引っ越しの近況【靴の底 #18】

          さて、そろそろ鎌倉への引っ越しが近づいてきており、我が家もだいぶ変化をしてきた。 まず悩みに悩んでいた冷蔵庫、洗濯機の引き取り手が決まった。 私が一人暮らしをしていた時からの相棒であった冷蔵庫と洗濯機。池袋にあるヤマダ電機のリユース品で購入し、旦那と暮らし始めても使用していたのだが、今回の引っ越しで買い替えをすることにした。 さすがに一人暮らし用の家電をこのまま使い続けるのも大変で、暮らしのアップグレードをしよう!と決意したのはいいが、処分に困ってしまった。 そもそも今の

          鎌倉引っ越しの近況【靴の底 #18】

          タラタラ喋りが集めた人たち 【靴の底 #17】

          「ほんとに葉子はタラタラ喋りだよね!」 同級生のちーこの言葉にクラスの女子達がクスクスと笑い出した。 「そうかなぁ。あんまり考えたことないけど」 「ほら!また、タラタラ喋り!なんでそんなにゆっくり、のんび〜り喋るの?働き出したらシャキシャキ話さないとバカにされるよ!」 ちーこは中学生なのにもう働くことを考えているのか、ちょっと斜め上の考えがよぎったが問題はそこではないのだ。 小さい頃からみんなに指摘されるこの喋り方だ。 舌足らずではないが、どうやら独特の話し方をするらしく、自

          タラタラ喋りが集めた人たち 【靴の底 #17】

          桜を見ながら手をつなぐ 【靴の底 #16】

          「今年もきみと桜を見れたね」 満開の桜の木の下、色づく桜の花びらを見上げると隣りにいる旦那が突然手を繋いできた。 九州男児だからオレは手を繋がん、と普段言っているのにめずらしいこともあるもんだ。 「きみと何回見たかな?」 「もう、何回も見たな。きれいやなぁ。今年の桜は一段ときれいや」 相変わらず何を考えているかわからない表情で言うが、心の底からこの一年に一回の季節に感嘆しているのがわかる。 「桜の木って、花びら咲かすときってどんな気持ちなんかな?」 「ん〜苦しいのかな?うっ

          桜を見ながら手をつなぐ 【靴の底 #16】

          付き合うのと結婚はなんだか違う【靴の底 #15】

          「恋人のときと結婚してからの旦那が違う人に見える!!」 ケニア出身の友人がスタバのココアを片手に話す。例のある街のクリーニング屋で働く母に紹介してもらい友人になった彼女は日本人の男性と結婚して8年だ。 「わかる。付き合うのと結婚して一緒に生活するのってちがうよね」 大きく頷く私の手を握り、彼女はさらに大きな声になった。 「そうでしょ!この現象って世界共通なのかも!!」 妻が抱える旦那への不満や悩みは世界共通だと二人で確信し、友情を確かめ合う。 広告制作のディレクターとして

          付き合うのと結婚はなんだか違う【靴の底 #15】

          ある街のクリーニング屋のおばちゃん【靴の底 #14】

          「あんた暇やろ!?」 平日の昼間、突然鳴った電話に出る。こちらの挨拶も聞かずに、早口で要件を話し出すのが母の恒例だ。 「今な!イタリアから来てるべッピーノおるねん!一緒に散歩したって!」 急な話に動揺はするが、この突然の出来事に慣れ始めている自分もいる。 「あんな、化粧も何もしてないねん。べッピーノは今日は暇なんか?」 「東京来てな、暇なんやて!遊んだって!」 「ちょっと、べッピーノに変わってくれる」 いつもハイテンションの母が「べッピ!娘!娘がな、変わってやって!」と大声で

          ある街のクリーニング屋のおばちゃん【靴の底 #14】

          使わないボトルは今すぐ捨てろ!【靴の底 #13】

          上記の言葉を旦那に言う。 「いや、これから使うかもしれんやん。取っといたほうがええって」 殻になって1年間使用していないハンドソープとボディソープのボトルを背中に隠した。 我が家は1年前からこの2つを固形石鹸に変えた。特に不便もなく、頻繁に買い替える必要もないため家計も大助かりだ。 それなのに・・・、旦那は1年前に使っていたボトルを隠し持っていたのだ。 引っ越しの断捨離をしていた時に偶然見つけたボトルは、どう見ても古くなっており、「ぼくを捨てて〜〜」と言っている。 これを新居

          使わないボトルは今すぐ捨てろ!【靴の底 #13】

          モノが捨てられない旦那【靴の底 #12】

          「これ絶対いらないよね・・・」 50本ほどの鉛筆の束を見て考えてみる。 彼がこの鉛筆を使っているのを見たことはないし、ジップロックに入れられてずっとこのタンスの奥で眠っていた。 「この鉛筆捨ててええか?」 引っ越しの断捨離のため、仕事中の旦那に聞いてみるとパソコンから目線を外し「あかんよ!それいつか使うから!」という。 いつか?っていつなんだろう・・・。 「ちなみにこの鉛筆いつからあるん?」 「中学の時からの。捨てたら絶対あかんからね!」 彼はもう三十路のお兄さん。中学の

          モノが捨てられない旦那【靴の底 #12】