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冬が好きな理由

??:冬ってやっぱり好きだなぁ笑

ある道中、僕の彼女がふとそんなことを
呟いた

○○:どうしたの?史緒里。急にそんなこと言うなんて笑

史緒里:だってさ……

そこで言葉をやめ、僕の手を握り、そのまま僕のポケットに手を突っ込んだ

史緒里:大好きな人とこうやって手を繋ぐ理由が作れるからね///



照れながらそんなことを言ってくれる彼女。

○○:///...僕も冬は好きだよ笑

史緒里:どんなとこが?笑

手を繋ぐ度に君がニヤニヤを隠しきれてないとこ、なんて言ったら彼氏である僕だけの特権が無くなるかもしれないから秘密にしておく

○○:ひみつ笑

史緒里:え〜、ケチ〜笑

拗ねたような仕草をみせるが、実際はそんなことはなくただただ可愛くなるだけだ

○○:ほら、もうすぐ着くよ

史緒里:あ!話すり替えた笑まあ良いけど笑
それより、温泉楽しみだなぁ

そう、僕らは今温泉旅行の最中だ。

史緒里:でも、予約よく取れたね!

○○:まぁ何とかね笑

テレビでも紹介され、人気となった今回の
旅館。彼女にはたまたま空いてたと言ってたが、実は半年前から予約してたことは内緒だ

史緒里:さすが○○!笑



○○:ありがと笑

史緒里:おんせん♪おんせーん♪

スキップしながらノリノリで歩いている姿にまた愛おしさを覚えた

そんな彼女の手が離れていかないよう、冷たくならないよう、より一層強く握りしめた

~~~~~~

史緒里:着いたー!!温泉の匂いがする笑

○○:まぁ旅館だからね笑

史緒里:はやくはやく!

○○:急いでチェックイン終わらせるから、
待ってて笑

史緒里:はーい!

急かされたこともあり急いでチェックインの
手続きを済ませ、予約した2人部屋に向かった

~~~~~~

史緒里:わぁ✨広ーい!

○○:笑ホントに広いね笑

史緒里:ねえねえ!お部屋に露天風呂もついてるよ!

憧れの旅館に入ったことで彼女のテンションは最高潮となり、小さな子供のようにはしゃいでいた

○○:僕は、後で入ろうかなぁ…

史緒里:じゃあ私は今から入ろっかな!

○○:夜ご飯まで時間あるしいいんじゃない?

史緒里:じゃあいってきまーす

~~~~~~

史緒里:○○〜!!

お風呂に姿を消して10分。彼女から急に呼ばれた

○○:どうした…の//

史緒里:露天風呂、気持ちいいよ!
○○も一緒に入らない?



○○:べ、べつにどっちでも良いけど///

そうは言ったものの、一緒に入ってしまうと
いろんな意味でのぼせてしまいそうだ
そう思った僕は

○○:やっぱり、今は大丈夫///

そう言って足早に部屋に戻った

史緒里:一緒に入ればいいのに……

ちょっぴり残念そうな彼女の顔を僕は見ていたなかった

~~~~~~

史緒里:あ〜さっぱりした〜

○○:上がってきたね笑もうそろそろご飯が運ばれてくるって言われたよ

史緒里:メニューは聞いたの?

○○:お刺身だって笑

史緒里:やったー!おさしみおさしみ〜♪

夜ご飯のメニューを聞いてより一層テンションの上がった姿を見て愛おしさが爆発的に込み上げてきた

○○:ゆっくり待ってよっか笑

史緒里:うん!



その返事と共に、僕らは並んでテレビを見始めた

~~~~~~

女将:お待たせしました。
本日のお夕飯でございます。

史緒里:美味しそー!笑

○○:だね笑

女将:ごゆっくりお召し上がりください

彼女の反応によって女将さんも笑顔になり、
嬉しそうな表情のまま、部屋を後にして行った

史緒里:早く食べよ!

○○:そうだね笑

○史:いただきます!

パクッ!

史緒里:んー!おいひい!笑

1口食べた。みるみるうちに彼女の顔がにやけていき、とびきりの笑顔で感想を話した

パクッ

○○:ん!美味しい!

そんな彼女の姿につられ、僕も1口食べる

史緒里:でしょ!笑

その美味しさに感動していると彼女がドヤ顔で応える

○○:ん!お米も美味しい!

史緒里:ホント!どれも美味しすぎる〜笑

一つ一つ食べる度にリアクションをする彼女を見つめていると

○○:あ!史緒里ほっぺにご飯付いてるよ笑

史緒里:え//どこ?

○○:右側のほっぺ

史緒里:ここら辺?

○○:ここ

そう言って付いてたお米を取ってあげると

史緒里:ありがと!///

そう言って僕の指に口を近づけ、

パクッ、と食べてしまった

○○:そういうこと、他の子にはしないでね?

史緒里:なんで?

○○:だって、こんなに可愛いことしてもらえるのは彼氏である僕だけの特権にしておきたいから///

史緒里:わ、わかった///



無意識のうちに言ってしまったことで
ちょっぴり恥ずかしくなった僕らはさっき
よりも少しだけ静かに、でも楽しく食事を
進めた

~~~~~~

女将:食事のお皿はお下げしてもよろしい
でしょうか?

○○:はい。お願いします

女将:失礼致します……あ、こちらのお宿では
9時より混浴もご使用可能となりますのでご使用になられる際は一度お申し付けください

現在の時刻は7時半。一度時計を確認し、
返事をした

○○:分かりました。

史緒里:ありがとうございます!

女将:それでは失礼致します

史緒里:ねぇ○○?



女将さんが部屋を出た後、彼女が話しかけてきた。ある程度は察したが聞いてみることにした

○○:どうしたの?

史緒里:わかってるでしょ?笑

○○:分からないなぁ

史緒里:混浴、行かない?///

○○:やっぱりか……

史緒里:もぉわかってるじゃん笑
てか、一緒に入りたくないの?

○○:……できれば

史緒里:なんで?私のこと、嫌い?


○○:好き……でも、一緒に入ったら保てないかも

史緒里:何を?

○○:史緒里が可愛いから理性、保てないかも///

史緒里:それでも良いから、入りたいな?///

渾身の上目遣い。僕は一撃でやられてしまった

○○:わかった///一緒に入ろ///

史緒里:じゃあ何時に予約入れる?

○○:んー、9時とかは人いそうだよね

史緒里:そうだね

○○:10時くらいかな?史緒里は何時くらいが良い?

史緒里:10時にしよ!

○○:わかった

史緒里:じゃあ言ってくるね!笑

そう言うとすごい勢いでフロントに予約を入れに行った

~~~~~~

史緒里:○○!行こ!



時は過ぎ、時刻は10時少し前。楽しみで仕方のない様子の彼女が僕を急かす

合流した僕らは2人仲良く手を繋いで混浴へ向かった

そこで何が起こったかは、僕ら2人だけの秘密だ。

~~~~~~

史緒里:ちょっとのぼせちゃった笑

○○:ホント笑

ピッ   「明日は雪の予報となっています」

入浴後、部屋へと戻ってきた僕らは
備え付けのテレビのリモコンへ手をのばした
明日は雪の予報だそうだ

史緒里:明日雪だって!

その予報を聞いて彼女が子供のようにはしゃぎだす

○○:でも、史緒里は見慣れてるでしょ?笑

史緒里:でも!雪は嬉しいでしょ?

○○:ま、まぁね...笑
明日はどうする?電車の時間まで部屋で
ゆっくりする?

史緒里:お土産買いに行こ!


○○:りょーかい

史緒里:○○〜♡

ギュッ

明日の予定を決めると、
彼女が抱きついてきた

○○:どうしたの?笑

史緒里:せっかく温泉に来たんだし...

○○:甘えたいの?笑

史緒里:…うん///イチャイチャしたい///

○○:可愛い///いいよ、
たくさんイチャイチャしよ///

史緒里:うん///



その後はたくさんイチャイチャし、
いつの間にか手を繋いで眠っていた

~~~~~~

史緒里:わぁー!!

カーテンを開けた音と、彼女の歓声によって目を覚ます僕。

○○:ん……どうしたの?

史緒里:外!見て!

少し興奮気味に話す彼女に促され窓に近づく

○○:わぁ、キレイだね

そこには白銀の世界が広がっていた

~~~~~~

史緒里:わぁーい!!



朝食を済ませチェックアウトし、外に出ると、雪に向かって彼女が駆け出した

○○:走ったら転ぶよ?

史緒里:大丈夫!

ドサッ

○○:あーあ、可愛いお顔もお洋服も汚れるじゃん、大丈夫?

史緒里:エヘヘ笑楽しい!!



転んでも楽しそうな姿を見て、
ちょっと怒りそうだった気持ちもどこかへ吹き飛んだ

○○:お土産、買いに行くでしょ?

史緒里:うん!

○○:汚れは落ちた?

史緒里:ある程度は笑

○○:じゃあ買いに行く?

史緒里:うん!

そう言って手を差し出す彼女。
意図を理解した僕は手を握り、ポケットの中に誘う。誘いに応じた彼女はニヤニヤを隠しきれずに歩き出す

○○:やっぱり、冬は好きだな笑

昨日彼女が言ったことを同じように僕も言う

史緒里:どうして?

○○:こんなに可愛い彼女の冷たくなった手を暖めてあげられるからね//笑

史緒里:もぉ嬉しいけど恥ずかしい///
早く、お土産買って帰ろ?
それで、家に帰ったら暖めて欲しいな///



ギュッと彼女が握る力を強める

○○:そうだね///

返事と一緒に握り返し、僕は歩き出した


一生離さないと心の中で誓いながら


fin
















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