【書評動画】楠木建『好き嫌いと経営』 ~シャッチョーさんとセンセーの贅沢な茶飲み話

2010年に刊行された『ストーリーとしての競争戦略』が大ヒット。以来、ビジネス書界隈でも著名な著者となられた楠木氏の対談本でございます。

登場するのは、14名の経営者たち。なかなか豪華な顔ぶれです。

●「好き嫌い」と経営(東洋経済新報社)
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簡単に評してしまうなら、本書は「シャッチョーさんとセンセーの贅沢な(内容充実な)茶飲み話」といったところでしょうか。

若干、筆致や構成的にセンセーのキャラが立ちすぎているきらいがあり、せっかくのシャッチョーさんトークを食っているように感じてしまうパートもございます。ただ、そもそもセンセーが編著者の御本ですから、それも当たり前といえば当たり前。インタビューではなく、あくまで対談として読めば、まあこんなものかなと。

それにしても、対談本って難しいですね。出演者の一言一句まで逃したくないような熱狂的なファンなら、何が書いてあっても楽しいのでしょうが、そうでないとどうしても読んでいるうちにダレてしまう。表現や展開も冗長になりがちだし、口語的なぶん、倒置やノイズ的な接続語が多用されたり、一文が長くなったり。いきおい、ナナメ読みするようにスピードを上げて読もうとすると、文章に引っかかる感じにもなって、スッとアタマに入ってこなかったりします。とはいえ、構成をスッキリと整理しすぎてしまうと、臨場感や熱量に乏しい文章になってしまうし。

「うまい対談(含むインタビュー)のまとめ方」は、個人的にいつも課題です。

(漆原直行)

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