赤ちゃんもそりゃ泣くわ

激キツタンザニア陸路移動は、タンザニア入国前のウガンダで始まっていた。

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ウガンダのマカサという町からタンザニアとの国境の町ムツクラまでのバスを探していた自分に案内されたのはただの乗用車だった。5人乗りくらいの。しかし乗車後数十分もすると、運転席と助手席に合わせて4人、後部座席に6人乗っているではないか。

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一応お金を払っているから日本のそれとは違うが、一般人の車に乗っているということを考えるとヒッチハイクのような状態なのだろう。

狭すぎる。助手席に乗っているはずだが、かなり運転席側に押し出されている。そして、運転席と助手席の間にはもう一人いる。

理解できないのが、この車はマニュアルだということだ。従ってギア操作が必要である。運転席と助手席との間には人間がいてもう恐らくセカンドやローに入れることはできないのではないかと思わすくらいに圧迫している。

毎回無理やりセカンドに入れてセカンド発進していた。

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そして、衝撃はタンザニア入国直後のバスである。

ハイエースのようなミニバンに乗せられ、国境から近くの町に移動する。幹線道路がその一本しかないのは地図など見なくてもわかるし、大草原に片側一車線の道路が延々と続いている。これがアフリカである。ひたすらひたすら延々と地平線の先まで見えなくなるくらい続いている。これがタンザニアである。

時々集落を通過するときにそこで人を降ろしたり、乗せたりする。助手席に座らされた自分だったが大きな荷物があるという理由で後部座席に座らされた。そして、混み合う車内の人数を数えてみることにした。

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1,2,3、、、、

15,16,17、、、、

27,28,29、、、、

まさかと思ったが赤ちゃん入れて30人のミニバンに今私は乗っているのだ。

鶏2羽と羊一頭、そして明らかに邪魔な私の大きなバックパック一つ。

足を動かすスペースもない。体は完全に固定され身動きが取れないあげく、クーラーなど聞いていないので窓全開である。そして、ときに舞い上がった粉塵が乗客全員の顔面に降りかかる。

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初めて見た。ミニバンで立つ人。もう既に座るスペースなどなく、自分の両足が収まる床とつかまるところさえあれば乗れるという考えなのかもしれない。あぁ羊の匂いが充満してきた。

完全に定員オーバーした車はほんの大したことない坂道も時速20キロくらいの速度でしか登っていかない。これだけエンジンの音とスピードが反比例する車には乗ったことがない。

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(えらいこっちゃ)

狭すぎて、泣き出す赤ちゃん。

(俺だって泣きたいよ!!)

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しかしまぁ世界のトヨタ。壊れることを知らない。何年モデルのやつなのかもわからない。とにかく古いボロミニバンでありながら、こんな使用上の注意をガン無視した使い方を日々されようとも壊れない。

(誇らしいが泣きたいよ俺も)


まだまだタンザニア移動は始まったばかり。

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