子供を持つことを選択しないということ。

ある統計調査で、20代に【出産・子育て(1人)をしようと思える世帯年収】をきいたところ、

年収がどんなに多くても、したいと思えない24.2%で最も多かった。

子供が4人いる私からすると衝撃の結果だが、納得もできる。正直こんなに大変なことを好んでやるには相当の覚悟がいるよな、と思う。

私は現在30代後半で、自分が長男を出産したのは27歳のとき。主人も同年代で、結婚したら子供を持つのが当然で、なんの疑問も違和感も持たずに一人目を出産した。その後、夫婦それぞれ自分たちが3人兄弟だったこともあり、2歳差で3人の子供を出産した。当時経済的には割と安定していたこともあり、4年後に更に4人目も出産した。

私には出産・子育をしないという選択肢がなかったように思う。今の20代とは明らかに違う、子供がいるのが当然という価値観。今私は4人の子供を育てながら、4人出産したこと自体に後悔はしていないけれど、もっと楽な道を選んでも良かったかもしれないとは思っている。

夫婦ふたりで4人を育てるには、今の日本ではマイノリティすぎる。

沢山子供がいるからと言って、優先的に保育所に預けられるわけでもなく、経済的に手厚い補助が受けられるわけでもなく、優しく接してくれる人もいるけれど、沢山子供を連れて騒がしくしていると冷ややかな目で見られたり注意されたりすることもある。マイノリティだから理解されずに、世間から受けるプレッシャーは大きい。

また、自分のやりたいことがはっきりしている人にとって、子育は苦痛でしかないようにも思う。一時的なこととはいえ、全く自由時間がなく常に子供のグズグズに対応し、ストレスフルで集中力を奪われる。自分のやりたいことをやりきって得られる達成感を感じるのはほぼ不可能になる。

自分のやりたいこと=子育て

であれば納得できるかもしれないが、それでもストレスは溜まるのに、子育以外のことをやりたい人にとってはもはや拷問のように感じるだろう。

だから、20代の若者が出産・子育を望まない理由はよく分かる。特に、やりたいことがはっきり決まっている優秀な若者ほど、子育を望まないのではないだろうか?

余談だが、優秀な若者ほど子供を望まないのなら、人類の優秀な遺伝子は少しずつ衰退していきそうな気がする。

子育期間中、自分のやりたいことを我慢して諦める覚悟はあるか?

上の三人が幼いときは、目の前の子育に必死すぎて自分の時間が持てないことが普通で、自分のやりたいことが何なのか考える余裕すらなかったけれど、上の三人がある程度成長した今、残る幼児は2歳の末っ子のみになった。

自分のやりたいことも考えるようになったけれど、2才児の世話をしながら集中力の必要な作業は無理に等しい。そうすると、やりたいことができずにイライラする。

あれもしたい、これもしたいと思うほどにイライラは増幅して、家庭の空気は悪くなる。あと一踏ん張り、諦めが必要だと感じている。

2年ぐらい先にタイムトラベルできたらいいのになぁとさえ思う。

今は諦めて耐えて、将来子育について若者に対してこんなふうに話せるようになっていたい。

子供が小さい頃をは自分のやりたいことが全くできずに子供との時間を過ごしてきたけれど、子供が成長してからは、その耐えた経験をバネにして飛躍できた。できなかったことも、やりたかったことも、全部できた!子供達もそれぞれがそれぞれの自由な道を歩み、私達夫婦の作り出した環境が彼らを育てたとしたら本当に嬉しい。子育期間中は子育が思う存分できて最高だったように思う。私は4人子供を産んで育てて本当に良かった!


《参考資料》SMBCコンシューマーファイナンス株式会社 20 代の金銭感覚についての意識調査 2021


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?