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#1『”止まらないのは私の汗それとも君への気持ち?”SHISHAMO「君と夏フェス」を語る』

記念すべき#1は代表曲とも言える「君と夏フェス」について語ります。この曲でSHISHAMOを知ったという人も多いのではないだろうか?

この曲は、2014年7月2日に1stシングルとしてリリースされました。どういう曲か簡単に説明すると、”気になる彼と一緒に夏フェスに行く照れくさい気持ち”を切り取った歌になっています。夏フェスをテーマにした曲って珍しいですよね。MVがあるので一度ご覧ください。

それでは歌詞や曲について語っていきます。

1番Aメロの歌詞

まだ照れ臭いあいつとフェスに行く約束をしたはいいけど
あまりノってたら引かれそう
控えめに楽しむって決めたんだ

「君と夏フェス」作詞:宮崎朝子

「まだ照れ臭いあいつ」から付き合う前くらいのいい感じになっている2人だとわかりますね。主人公の女の子が大好きなフェスに彼を誘い、一緒に行く約束をしたという展開になっています。

「あまりノってたら引かれそう控えめに楽しむって決めたんだ」というフレーズには共感しますね。自分が好きなこと(この曲の主人公の女の子の場合はフェス)を自分が好きになった人にも知ってもらいたい反面、知られたことで嫌われないかなというジレンマが起きている訳ですね。

1番Bメロの歌詞

でも私の大好きなロックスター
真夏のステージでスーツを着たロックスター
もう我慢できない!

「君と夏フェス」作詞:宮崎朝子

彼の前だから「控えめに楽しむ」と決めていながらも、いざフェスが始まり、大好きなロックスターを前にすると、気持ちを抑えることができなかったことが伝わってきます。

1番のAメロBメロの曲に関しては、「あまりノッてたら引かれそう⤵」とナーバスなフレーズでは音が下がり、「我慢できない⤴」と気持ちがはち切れるフレーズのところが音が上がっていて、部分部分のフレーズに合わせて曲も作られているように感じます。

「我慢できない」の前に”ダッダダッダッダッダダ”というリズムが挟まれていて、実際のライブではここの部分を手拍子で叩いて盛り上がってます。

1番サビの歌詞

止まらないのは私の汗 
それとも君への気持ち?
滴り落ちてく恋心
溢れないようにすくってね
止まらないのは夏への期待
忘れられない夏になるかも

「君と夏フェス」作詞:宮崎朝子

夏の暑さを汗が”止まらない”と表現している点と、彼に寄せる想いを君への気持ちが”止まらない”とまるで謎かけのように組まれている歌詞が秀逸ですね。考え過ぎかも知れないが、君への気持ちはロックスターに対してもかかっているのかもしれません。

滴り落ちるとは詳しく、水などがしずくになって落ちるという意味です。歌詞から見て、汗が滴り落ちるように、恋心もやはり目には見えないけれど溢れ出るものだということが描かれているように思います。

そんな気持ちを「こぼれないようにすくってね」とこの夏の彼との進展に期待していることがひしひしと伝わってきますね。

個人的に「滴り落ちてく恋心」のところの「こいごころっおおーっ」ってなる歌い方が好きです。

2番Aメロの歌詞

夏の日差しで焼け焦げそう すべてがスローモーションになる
他人の汗もどうでもよくて
日差しの鬱陶しさも感じない

「君と夏フェス」作詞:宮崎朝子

夏の暑さや他人の汗が気にならないくらい、目の前のステージに釘付けになっていることがわかります。何かに夢中になれる瞬間っていいですよね。

ここら辺の歌詞が個人的にいいなと思っていて、季節感が浮かんでくるような描写がSHISHAMOは上手いなと思います。

2番BメロとCメロの歌詞

でも私の大好きなロックスター
ラストの曲終わり ロックスター帰ってく
ライブが終わって我に返って
それから…それから…

ずいぶん前のほうに来ちゃってたみたい
さっきまで二人がいた場所 もう違う景色
あぁ、私やっちゃった 本気だったのに
俯く私の隣に君が

「君と夏フェス」作詞:宮崎朝子

あまりにも目の前のステージに熱中し過ぎて一緒にいた彼を置いて行ってしまったようですね。その行動に引かれてしまっただろうなとさっきまで楽しんでいた気持ちから一変して落ち込んでいる訳ですね。

最後のサビの歌詞

私の目を見つめる君
時間が止まってるみたい
少し笑って君は言う
「新しい君が見れたから 今日は本当に来て良かった」
照れ笑いの奥見えちゃいそうで
私は焦って目を逸らした
止まらないのは二人の恋だ
今年の夏よ 終わらないでよ。

「君と夏フェス」作詞:宮崎朝子

なんと彼は俯く女の子の目を見ながら、少し笑い「新しい君が見れたから今日は本当に来て良かった」と言い放ったのでした。主人公の女の子は想定外の発言に照れてしまい焦って目を逸らしたということですね。

いやー、こんなに爽やかにサラッとこのような発言ができる男の人がこの世にいるのだろうか?言われてみたいものです。

まとめ

主人公の女の子は、この夏フェスで新しい一面をさらけ出せたことによって、さらに2人の距離を縮めることが出来たようですね。自分が好きになった人に自分が好きなことを受け入れて貰えるってどんなに素敵なことだろうなと思います。歌詞には出てこないけれど、きっとこの後2人は付き合ったこと間違いなしですね。

余談ですが、この「君と夏フェス」の歌詞に”止まらないのは”というワードが3回出てきます。1回目に1番のサビで「止まらないのは私の汗それとも君への気持ち?」その後2回目に「止まらないのは夏への期待」と出てきます。そして「止まらないのは2人の恋だ」と最後のサビでもう一度使われるんですね。この3つのフレーズを見るだけでも徐々に2人の関係が進んでいることが分かって面白いなと思います。

曲についても勢いのあるイントロから始まり、いかにも夏フェスで盛り上がる出だしになっているなと思います。

最近YouTubeで”「君と夏フェス」の10周年夏フェスダイジェストVer.”という動画がアップされており、「私の目を見つめる君 時間が止まってるみたい」のフレーズの歌い方がライブの時はCD音源よりゆっくり歌唱していて、目を見つめ合っている2人の甘い空気を表現しているように感じてより伝わってくるものがあります。是非比較してみて欲しいです(2:53あたり)。

その後にドラムが加わって徐々に最高潮になっていく演奏が歌詞の結末にも合っていていいですね。

ボーカル宮崎朝子自身もシングル曲をイメージして作ったと語っており、大衆に支持される仕上がりになっているなと思います。これを当時19歳で作って自分で歌ってるんだから驚きです。

2023年2月4日にリリースされたCDデビュー10周年を記念したコンセプトアルバム『恋を知っているすべてのあなたへ』のdisc1”恋の喜び”の1曲目に「君と夏フェス」が選曲されていて、みんなが間違いない曲にしたかったとインタビューで話しています。

また、2015年3月4日に2ndアルバム「SHISHAMO2」の5曲目と2019年6月19日にリリースされた「SHISHAMO BEST」の10曲目にも収録されています。是非皆さんも聴いてみて下さい。


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