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高いシンセはもう売れないと思う

賢明なDTMerの皆様はお気づきのとおり、音楽制作、DTMにおけるプラグイン業界(サンプル素材も含む)は完全にレッドオーシャン状態。

次々と現れる新進気鋭の勢力、それを潰さんとばかりの大手デベロッパーにおける価格破壊的なセールの常態化などなど、ユーザーにとっては嬉しい競争激化ではありますが、売り手にとっては非常に厳しい状況です。

サンプル素材においては大量の無料素材が配布され、ちょっとググれば某名機アナログドラムマシン素材は食傷気味になるほど見つかるはず。

そのような状況におけるプラグイン、とくにシンセサイザーについての値付けに対して見解を述べたいと思います。

サンプル素材と同じように、無料でもそこそこ質の良いシンセサイザーは手に入ります。OB-XD(そこそこってレベルじゃない)なんかが良い例です。

【フリープラグイン】Oberheim OB-8・OB-X・OB-XaをエミュレートしたシンセサイザーOB-Xdレビュー

それに加えて、名が通ったシンセのセール攻勢もありまくりですから、今後は2万円クラスの高価なシンセサイザーは売れないと思うのです。(バンドルは除く)

よほどのイノベーション、もしくは革新的なアイデアを持ったものでなければ適正価格としては、日本円で5,000ほど。高くても10,000円くらいが妥当でしょう。

わりと最近リリースされたシンセで、上手いプライシングだなと感じたのは次の3つです。

KV331 Audio「SynthMaster One」
DS Audio「Thorn」
Rob Papen「Go2」

SynthMaster Oneは$79、Go2は$49。この価格が安いと思える、文句なしのクオリティ。

Thornは通常価格$119ですが、イントロ価格で$69で販売してました。で、$119でも高くないと思える質の高さです。絶妙のプライシング。

一方でAvengerは20,000円超えですが売れています。ただしこれは例外中の例外。Vengeanceブランドであったことと、クオリティが非常に高いのでこれは参考になりません。

最初のプライシングを間違うと、売れずに結局セールでたたき売りするハメになり、ブランド力の低下に繋がるんですよね。なのでプライシングは超重要。

ってなわけで、今後は圧倒的クオリティを持たないシンセは5,000円くらいじゃないと売れないと思います。というかヒットしない。

デベロッパー各位には、30,000円出しても欲しいと思えるシンセを開発してもらいたいと無責任に願ってやみません。

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