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駄文歴半世紀

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「モノ書くコドモ」から「モノ書くおばちゃん」に至るまでに否応なしに書いたボーダイな駄文を、モノ書くばーちゃんが読みやすいプラットフォームに整えて蔵出しし、みなさまからおひねりがい…
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2019年11月の記事一覧

優越感の品質/後編(容姿コンプレックスOrigin30)

彼女は非常に幸福そうに笑っていた その子とあたしは特に親しいわけではなかったのです。  その頃あたしは画学生で、絵ばかりかいていて、絵の具で汚れた服で”番茶も出花”の肉体を包み、心は自意識でぴりぴりととがっていました。  その子も絵を描き、同じようなコースを辿っていましたが、どこかのほほんとして見えました。受験をくぐった後、気が抜けてしまったのか、絵もなんだか気が抜けていました。  その人の絵から気が抜けるのと正比例して、あたしはその子に話しかけなくなっていました。  も

優越感の品質(容姿コンプレックスOrigin29)

実際に目撃して思ったこと  前回「すごいブスの謎・後編」の続きです。  父のお友達の奥さんに、色々と謎があろうとなかろうと、その人に対して、あたしはまたもとの無関心に戻りました。  父が面白がっていることは、そのときのあたしにはあんまり面白くなかったということでしょう。  だけど前より少しだけその人を丁寧に見るようになりました。  一度だけ、その奥さんのお友達という人が一緒に家に来ているのを見た気がします。ちらっとだけでしたが。  太ってめがねをかけて、全く化粧をしていな

すごいブスの謎/後編(容姿コンプレックスOrigin28)

あれは引き立て役なのか 容貌に恵まれないひとばかりを、お友達に選ぶに奥さまに関して、あたしの父が「なぜ?」という疑問を持ったという話のつづき。  その父のお友達の奥さんは、あたしとは気が合うところがありませんで、したがってそれまであたしは特に彼女を注目はしておりませんでした。  といったって、あっちにしてみればあたしなんか若過ぎのしょんべんくさい小娘でしょうし(まだ成人になるかならないかぐらい)、気が合う方が不思議かもしれません。  彼女は声が大きくて、体も大きく、思った

”すごいブス”の謎(容姿コンプレックスOrigin27)

父親の話をします シリーズの初めに書いたように、あたしは、母親が娘の容姿に不満を持っていた(容姿コンプレックスOrijin2:不当な扱い)がためにコンプレックスを持つに至ったわけですが、家庭内には父親もいるわけです。しかもこれは異性でもあり、時にこの存在も女の子のコンプレックス周辺には大きく作用するんじゃないかと思います。  で。自分のケースに限って言うなら、あたしは父から不当なコンプレックスを植え付けられることはなかったように思います。ただ単に、母の呪いの言葉のパワーがも