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【FPS】”ゲームに対する理解度を身に着ける”とは

 どうも。お久しぶりです。

 昨今FPS全体……というよりApex Legends APAC-Nの競技シーン内でこんなことが言われています。
 「ゲーム理解度を上げろ」「理解度が高くないと勝てない」
 
などなど。文字にすると様々ですが要はゲームに対する理解度を上げよう!という姿勢になっています。

 なんでFPS競技シーンというものは昔からあるのに日本では今になって言われているのか。それは単に「一般プレイヤーが競技に出れるシーン」というものが少なかったからです。
 今になって理解度を上げろ!なんて言ってますが、e-sports先進国ではこんな話もう済んでいる話なんですよね。遅れを取っているのはもうしょうがない。遅れているなら追いついてしまえばいいわけです。

 国内シーンの理解度が向上するにはランクマッチの時点でその傾向がなくてはなりません。そのため今回はいい感じに理解度を身に着けよう!という話です。

※特定の選手のプレイをフォーカスすることがありますが※
※特定の選手に対して否定的な意見を言いたい訳ではないです※


〇まずゲーム理解度とは?

 まずゲーム理解度って何ぞや?ってところから始めましょう。
 要は「状況によって判断をする力」を指すと考えてもらっていいです。

 じゃあ今の日本シーンの状況によって判断をする力、理解度は足りないのか?というと明確に足りないと考えています。
 ちなみにプロシーンにいるわけじゃないのに何を見てるんだ!?って思うかもしれませんね。私は元Apex Legendsプロシーンにいた人間です。だからってなんでも言えるわけじゃないでしょうが、ある程度お話できるのかなと思い、記事を書いております。

☆理解度が足りない 例1

 ぶっちゃけFPS理解の基礎ができていればどのゲームのどの状況でもある程度の考えという部分は生まれてきます。なので多数のFPSを交えて話をしていこうと思います。

 まずApex Legends Global Series Year 4:Split2のAPAC North Pro League Regional Finals GAME7よりこのシーン。

試合の様子はここから

 NAやらEMEA、APAC-Sならこんな展開にはそうそうなりません。こんな展開を常にしているのがAPAC-Nというリージョン。さらに言えば日本シーンです。

 さて、このシーンの異常性に気づきますか?

わかりやすいように可視化

 ある程度競技シーンを見ている人間ほどこの異常性には気づけないと思います。こういう選択を取り続けてきたリージョンなので普通に見えるんです。

 日本チームの特徴として「何とかしてファイトを避け続ける」という特徴があります。ここに異常性が詰まっています。
 このプレイスタイルにはその試合でチャンピオンを取る気というのが全く持って感じられません。彼らがプレイしているのは流れに身を任せていい感じの順位になることを祈るゲームです。

 自分たちの障壁になるであろう相手を始末するという「選択」から逃げ続けているんです。

 他リージョンの試合を見るとほとんどの試合が最終安置動き出しのタイミングには5~3部隊程度しか残っていません。何なら最終安置に到達する前に試合が終了することもあります。
 これは自分たちが最終安置に向かうに向けて、障害となるものを先に排除する動きを取っているからです。

 私自身も競技をプレイしていた時代は先入り!先入り!うおおおカオス!!!!!生きろ!!!!!!!!みたいなゲームをしていました。
 それが先人たちが作り出した強いメタだと信じていたからです。

 現実はそうではありませんでしたね。私自身も選択から逃げ続けていただけのプロでしかなかったようです。

☆理解度が足りない 例2

 次はVCT Pacific - Regular Season - Super Week Day 3 より ZETA vs PRXの試合。

このシーンはここから

 ここでYuran選手はフラグメントを入れてショートから直接サイトへの進行を遅延。しかしそれを見たPRXは全員でのツリー進行に舵を切り、一気にヘヴンのエリアを取得、最後は人数差でPRXがラウンドを取ります。

 この話はyuran選手個人を批判したい訳ではなく、日本人の選手はほとんどこの選択を取るだろう。ということです。
 ただ、この選択は強い選択ではないと私は考えています。

 詳しく状況を見てみましょう。

Aサイト中には2人のみ。
ツリーには誰もいない状況。

 この画像の通り、フリーなツリーを通られてしまい、ラウンドを落としています。つまり遅延しても無駄な状況です。カバーを寄せる暇なんてありませんからね。

 なのでこの盤面、本来はフラッシュでAショート勝負を仕掛け、できるだけ相手を削る動きにシフトするべきでした。
 比較してしまいますが、おそらくGen.G Munchkin選手ならここは個で戦う判断をしていたでしょう。

☆理解度が足りない 結

 結局理解度が足りないとは何なのか、それは戦うべき場面で戦う選択ができないことであり、日本シーンのプレイヤーは多くのゲームで戦うべき場面で戦いを避けてプレイしています。だから状況によって判断をする力が欠けていると言ったわけです。

〇じゃあ理解度をつけるにはどうしたらいい?

 結構簡単な話です。
 理解度を付けたかったら普段やらない別のゲームに本気で取り組んでみてください。普段VALORANTをプレイしているプレイヤーはApexやOWなどのゲームに、逆もまたしかりです。

 Apex等のスピード感の早いゲームでは突発の判断を求められたときの判断力が付きます。本能的な部分です。
 VALORANT等のスピード感の遅めのゲームではあらかじめ自分たちが考えておくべき判断の力が付きます。理性的な部分。

 両方が高水準のプレイヤーはそう多くありません。
 ただ、バランスの良いプレイヤーでなくては上手くプレイすることは難しいんです。

 細かく分けると本能的攻撃性と防衛性、理性的攻撃性と防衛性に分かれますが、これらのバランスをある程度均一に保つことで理解度の高いプレイヤーになれると思っています。

 Apexのチームプレイを意識したとき、ちょっと待て!行き過ぎ!!!とかなんでそこでファイトを仕掛けないの?みたいなプレイヤーをよく見ます。
 VALORANTは逆で、戦うしかないでしょそこ!という場面で守りに入ったり、そこ死にそう~みたいな場面で戦いに出てしまったりというプレイヤーが多いです。

〇理解度に差があるとプレイヤーは苦しい

 ゲーム理解度に差があるとプレイするプレイヤーたちはとても苦しい思いをします。理解度が高い方も低い方もです。

 理解度の高いプレイヤーは「何故その程度がわからないのか?」という気持ちになり、低いプレイヤーは「高いプレイヤーについていけない!」という思いを持ちます。
 僕自身何度も経験してきました。周りの皆様の理解度が低いので。

 まぁもう今となっては気にしていませんが。慣れっこです。

 理解度上げませんか?そろそろ。
 もう「ワンマガすれば勝ち!」「目の前に出てきた敵全部ヘッショで勝ち!」みたいな時代は終わったんすよ。e-sportsにおいては。

 理解度の高いプレイヤーの理解度を下げることは願ってもできません。
 理解度の低いプレイヤーの皆が追いつく以外に方法はないんです。

 いくらでも私はサポートします。追い付く努力をする方に尽力します。
 シーン全体の理解度向上を目指して頑張っていただきたいです。

 質問等はXのDMまでどうぞ。

〇おまけ 今アツいFPS

 今理解度面での向上がアツいFPSはOverwatch2です。
 OWCS JapanではVARRELの敗北を皮切りに勝てなさそうなチームがギリギリの接戦を見せたり、逆に勝ちそうなチームが競って負けたりとドラマだらけです。

 これは各チームの理解度が上がっている証拠で、プレイを見てもウルトの価値にフォーカスを向けたチーム、エリアの取り方にフォーカスを向けたチームと自分たちのプレイの軸を展開していくような、本能的判断を求められることが多いゲームの中で理性的な部分での差が生まれる競技シーンになっています。

 ぜひ見てください。面白いっす。

ケツヒップ尻太郎


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