『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』

ベルナルド・ベルトルッチ監督や坂本龍一など審査員から満場一致の絶賛を浴び、ドキュメンタリー映画として初めて金獅子賞を受賞！
旅行者が知らない本当のローマ。個性豊かな市井の人々の愛おしき人生。 

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大都市ローマを取り巻く「環状線GRA」。その周辺にはスポットライトを浴びることなく懸命に生きる人たちの生活がある。木の中の「音」世界を研究する植物学者。ブルジョアを装い偽りの今を生きる没落貴人。忙しい合間を縫って年老いた母親の面倒をみる救急隊員。後継者がいないことを憂うウナギ漁師。子守唄を口ずさむ両性具有の車上生活者。人々の人生に目を留めると喜び、怒り、哀しみ、そして夢が見えてくる――。

現代イタリア文学を代表する作家イタロ・カルヴィーノの幻想小説「見えない都市」にインスパイアされて創り上げた“圧縮された人生の断片”は、フィクションよりもドラマチックに私たちの心に突き刺さる。

2013 / 93分 / イタリア、フランス

監督：ジャンフランコ・ロージ

ひとこと

大都市ローマを囲むように走る巨大な環状高速道路、グランデ・ラッコルド・アヌラーレの周辺に生きる市井の人々の生活を静かに捉える、観察型のドキュメンタリー映画『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』。

あらすじにもあるような、個性的で風変わりな人々の、しかし彼らにとっては変わらない日常である、ちょっと哀愁漂う日々をありのままに映し出します。被写体との信頼関係を築くために2年に渡って撮影し続けたそうです。

分断と不寛容が様々な争いを生む昨今ですが、自分とは"違う"人たちも、自分と"同じ"ように日常を生きている、なんて当たり前なことをお互いに想像しあえたら、世界はもう少し優しくなるのかもしれません。

外出自粛から早2ヶ月、そろそろ人と会うのが恋しくなってきました。早く人間観察がしたい！ (担当：N)