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【水瓶座満月リーディング】黄金色の月に導かれ 麗しの庭より野に出ずる マハラジャの白獅子 無垢の朝陽に焦がれて

本日12日 10:36頃 
水瓶座にて満月が起こりました。
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水瓶座のキーワードは
 
“I know” 「私は 知っている」
【風 不動宮  支配星:天王星・土星 】
 
「自由」「理想主義」「個々への敬意と尊重」
「博愛」「平和」「平静」
「革新」「未来志向」「ニュートラル」

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これらのテーマを持つ星座。​
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人の人生でいうならば、
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「わたしらしい仕事」をもって
ひとつの社会の中での立場、権威を手にして、
ふと「社会の中のわたし」に目が向く、
そういうタイミングを表す星座。
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社会の中で、
「わたしの仕事、実績」だけでなく
「わたしの果たしている役割」について
俯瞰的、全体目線でとらえる。
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このテーマについて、
ひとつの達成、結実を迎えます。
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それをより最適な形で行うために、
振り返りをし、
手放した方がいいものをリリースしていきます。
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約2週間前の獅子座の新月のテーマは、
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 客観的視点で自分を観て知り、
 「やりたいことで稼ぐ」をするために
 自分を効果的に「魅せる」、演出していく
 
  最大限に自分を演出し、アピールするために
 まず自分を客観的に見て 知って、
 現実的、客観的目線で、
 自分の核となる要素の
 整理と削ぎ落しをする
ㅤㅤ 
  喜ばれそうなことではなく、
  まず「わたしが快適なこと、喜ぶこと」を。
 そのための取捨選択をする。

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以上のテーマでした。
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この新月からの2週間で行動、体験したことの
結実と振り返り、手放しを
この水瓶座の満月でしていくことになります。
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とにもかくにも、
今回の水瓶座の満月は、
ハードアスペクト、
つまりプレッシャーある角度ばかり。
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水瓶座、
その対極であり太陽がある獅子座、
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そして同じく不動宮のグループの
牡牛座、蠍座に
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太陽、月など、
パーソナルな天体を持っている方は、
心身の不調や眠気など、
既に大きな影響を
受けていらっしゃるでしょう。
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牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座の
不動宮の星座で
これだけストレスある角度が
形成されるということは、
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逆手にとって考えるなら
「動かし難いものを動かすチャンス」とも
考えることが出来ます。
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『ブレイクスルー』
 
 
長年変えたくても
変えられなかったこと。
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知らず知らず、
「こんなもんだ」と
諦めそうになっていたこと。
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その原因、
足止めとなっていた「何か」を
超えていけるタイミングと言えるでしょう。
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それは実際、
どんな動きで起こってくるのか。
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その動きを
どうつかみ、使っていけばいいのか。
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さて それでは
満月図とカードから​
そのメッセージを
受け取っていきましょう。ㅤ ㅤ
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【 水瓶座満月のポイント 】

 4ハウスでの水瓶座満月
 在り方、社会の中での立ち位置についての
 自己認識の変化と手放し



 ハードアスペクトばかりの満月図が導く
 『ブレイクスルー』

  ブレイクスルーポイント①
  天頂高く輝く金星と、相対する地中深くの冥王星

 今までの快適さ、「似つかわしさ」を捨て去り、
 まったく違う自己表現に思い切って飛び込む


  ブレイクスルーポイント② 
 不動宮星座(牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座)の
  グランドクロス

  「今までの平穏さ」
  「ルールを守ることによる安全」を
  突如として手放す



これらを軸に、お伝えしていきますね。

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【 水瓶座満月:鳥の目線で社会の中のわたしを見る 】


今回の満月の星図の起点となる
ASC(東の地平線、アセンダント)は
天秤座♎から始まっています。


このASCから読み取れる
この星図の「前提」は、

「個人としての幸せにとどまらない、
 社会のために知的冒険の旅のはじまり」


この天秤座の支配星である 愛と美の星 金星♀は
天頂高く、MC(社会的到達点)に重なって
輝いています。


この金星は、この満月図において
ひと際目を引く存在。


詳しくは後ほど詳しくお伝えしますが、
この金星は、獅子座の一番初めの度数にあって、
「純度100% 全力の自己主張」のエネルギーにあります。


そして、金星とMCの重なりは、
その人の個性を輝かせることが
人々を魅了し、
人生を繁栄することを示しています。


「社会的知的冒険のはじまり」なのに、
「全力自己主張」。


矛盾しているように感じるかもしれませんが、
これこそが、この満月図のメッセージの核。


「ただ、わたしらしくあることで
 起こる出来事を
 鳥の目線で俯瞰して観察し 受け容れてみる」



このテーマを、
心に留めて 読み進めてみてくださいね。


【 対立しあう星たちが伝える、新しい世界への招待 】



今回の水瓶座満月は、

 天頂(MC、社会的到達点)で輝く金星と、
 地中最も深く(IC、意識の底)にある冥王星の対立


 不動宮星座(牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座)の
 グランドクロス


この大きなふたつの緊張関係にある繋がりに
大きなメッセージが込められています。


木星♃、土星♄、海王星♆、冥王星♇と、
多くの外惑星が逆行している、
前進、というよりは、調整、振り返りの時期。


星たちの配置がハードな時は、
心身に不調が起こったり
思わぬ出来事が起こったりします。


でも、いつも思うのですが
吉兆に限らず、試練であったとしても

宇宙、星たちは
ただわたしたちを傷めつけるために
そのような流れを起こすことはありません。


「きっとそこには、愛がある」

「この苦しみは、いったい私を
 どこに導こうとしているんだろう」

そんな目線をもって、
今起こっていることを感じてみましょう。



きっと、「とある世界」への招待を
感じることが出来るはずです。


あなたはこの満月から、何を感じるでしょうか。

ここから実際に、
星たちのメッセージを拾っていきますね。


【 天頂に輝く金星と地中の冥王星:クンダリーニ上昇 】



先にも少し述べた、
天頂の金星♀と、地中深くの冥王星♇について。


この相対するふたつの星の繋がりは、
暴走しがちな、非常に危なっかしいもの。


冥王星は地中深く、
「意識の底」(IC)とゆるく重なっています。

「やってみも、考えてみもせず、
 物わかりの良いフリしてないで、
 本当に欲しいもの、環境のために
 愚直なまでに一歩ずつ進んでみてはどうだい」

「わたしの在り方」についての価値観に
大きく揺さぶりをかけています。


その対極、金星と重なるMC(社会的到達点)は

「自分の意見をはっきり言おう。
 自分を生きよう」

「人に影響を与えることを恐れないで、
 そこに向かって行こう」


そんな風に目的地点を指示しています。


そしてこのMCと重なっている金星♀は
獅子座1度にあり、
サビアンは「脳溢血の症例」

炎のような情熱 
感情のエクスプロージョン(爆発)、
強い衝動、
「わたしの物語のはじまり」を意味する度数です。



獅子座は自己表現の星座。

もっともピュアな獅子座のエネルギーである
「独自の個性」と「情熱」が
からみ合うように一つの炎の奔流となって
天へと駆け上がっていくようなイメージ。


さながら ルートチャクラから頭頂へと
二匹の蛇のように駆け上がっていく
クンダリーニ上昇のような。


強過ぎる、他者の目線を一切気にしない、
眼もくれない、
圧倒的な自己表現のエネルギーです。



今までの快適さ、
「似つかわしさ」を捨て去り、
まったく違う自己表現に思い切って飛び込む。
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確かに、この地底から天へと貫く
炎の勢いは非常に危なっかしいもの。


しかし、この「天頂」「地底」の対極の星たちに
魚座の海王星が
牡牛座の火星と手を繋ぎながら

危なっかしいながらも、

「現実逃避しないで、
 夢・目標に向き合えるように」

わたしたちの在り方を
目標の実現に向けて相応しく
浄化し、整理していけるよう
サポートしてくれています。


地底の冥王星は、

わたしたちが簡単にあきらめることも

大きな成功ばかり求めて
今日の一歩をないがしろにすることもなく、


「“どうせ今までだって”という
 言い訳から卒業すること」

それをさせるために
揺さぶりをかけているのかなと感じます。


今までに、
なんでか、どうしても変えられなかったこと、

口とは裏腹に
実際変えようとしてこなかったことは
あるでしょうか。


今、それを変える時が来ているのです。


今日明日、この命が終わるとしても
「わたしを出し切ったから、
 生ききったから、もういいや」

そう言えるでしょうか。


「無茶でも、やり過ぎになったとしても、
 自己表現をクッキリと変えて行くこと」



それが、今日 今ここから
悔いのない、味も色も濃い人生に
足を踏み入れていく条件のようです。


冥王星♇、火星♂、海王星♆

この3つの星は、仲良く手を繋ぎながら、
「みなぎるやる気」と、
「インスピレーションに導かれての夢の追求」を
促してくれています。


完全じゃなくても、
今日今から 目標のために、
わたしを愛するために出来ることを。



そういうものを積み重ねていく、
そんな毎日を過ごしていきましょう。


【 水瓶座満月:囚われの外に出て、世界の創造主になる】




そして、肝心の水瓶座の満月。

 牡牛座:火星♂、天王星、ドラゴンヘッド
 獅子座:太陽
 蠍座:ドラゴンテイル
 水瓶座:月、土星

この満月は、
以上、不動宮の4星座の星たちからなる
正方形の星の配置(グランドクロス)の一点。


不動宮の星座たちは、
ある形を保持するのは得意だけれど、
変化することはとても苦手です。


その4星座たちが
緊張ある角度で繋がっているということは、

「変化が難しかったところに
 負荷がかかっている」

つまり、

「変わらないと思っていたものを
 変えて行くチャンス」

という訳です。


この4点から外れてしまっていますが、
義務、ルーティンの部屋である6ハウスに
逆行中の木星(拡大の星)があるので、

当たり前の習慣、ルーティンを変える、
見直すのであれば、
大きな後押しがありそうです。


① 牡牛座:火星♂、天王星♅、ドラゴンヘッド☊
② 獅子座:太陽☉
③ 蠍座:ドラゴンテイル☋
④ 水瓶座:月☽、土星♄


この4点の対立関係を、
出来るだけ簡略に解説していきます。
(そうでなくても今回は全体に複雑で沼る)


まず、②と④の太陽と月の関係から。


太陽は 獅子座20度
「ズニ族の太陽の崇拝者」

“他者に左右されないプライド”
“自分でエネルギーやプライドを満たす“



相対する月は
水瓶座20度
「大きな白い鳩、メッセージの担い手」

“自分に自信を持って、
 大きく構える姿勢で世界と繋がる”
“他者に依らずに、
 この世界の「創造主」として生きる“
“起こる出来事すべてに 
意味、メッセージを見出す”


こんなメッセージを持っています。
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何というか、
非常に仏教の「色即是空」、

すべての現実は自分が創り出している、
自分が創造主であるという思想

通じる度数に感じます。


獅子座の太陽は、自らに専念して自分を見て、
水瓶座の月は、他者を鏡として自分を見ます。

いずれにしても、
視線は自分自身に注がれています。


この月には
義務とチャレンジの星土星♄が重なり、
流され、移ろいやすいわたしたちの心を

「今までと同じパターンにハマったり、
 焦ったりしなくていい」

「根気よく訓練すれば、
 克服できないものはない」


そう諭してくれていますし、

「本当は快適じゃなかったけど、
 何となく離れがたかった場や、習慣、傷」を
整理したり手放したりする助けもあります。
(魚座海王星♆、牡羊座キロン)


また、
牡牛座18度にある
ドラゴンヘッド☊(目指す方向性、課題)も

嫌い、苦手で避けてきたものの中に
新しい視野をもたらすものがある、
という度数で、
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自分の感覚、ビジョンの檻に閉じこもらず
心をオープンにして
物事をありのまま見ること。

そして、今ある物への執着を手放し、
スペースを空けて正直に、
大胆に生きることを促しています。


このドラゴンヘッド☊と重なる
改革の星 天王星♅は水瓶座の支配星で、

「ありのままの自分の感覚に従うことが
 新天地の開拓、創造に繋がっている」と
メッセージを送っています。


今回の満月の星図は

「とことん、今まではあったけど
 これからは要らない
 価値観ジャッジメントを手放し、
 ひらめきのままにやり過ぎでもなんでも、
 とことんやってしまえ」


とばかりに
力強く変化へとわたしたちを
押し出していこうとしているようです。


ストレスが強くかかっている星図ということは、

それだけ、

「本当に望んでいる本道から
 外れてしまっている」
「自分らしさ、自分への正直さで
 生きられていない」

そういう人には強い出来事を通してでも
「その本道を生きろ」と促してくるでしょう。


このグランドクロスの中のあらゆる星が

一斉にホームである
4ハウス(心の在り処がテーマ)にいる
水瓶座の満月(わたしたちの心)に
ガーっとメッセージを送っていますし、

少なくないストレスを
感じることもあるかもしれませんが、
でも、心配することはありません。


先にも述べた通り、
そのすべては

「今までのあなたという檻から出て
 自由になって欲しい」という
宇宙のわたしたちへの愛と願いから。


「ある程度、出来ているぞ」
「全然、自分なんて生きられてないや」


お一人お一人 想いは違うでしょうが、
卑下することも、ある意味慢心することもなく、

一日一日の日々を、毎日の一歩一歩を、
今ここのわたしの感覚を
心から大切にしていきましょう。


卑下も、慢心も、
どちらも人にとっては
変化成長のないまま閉じ込める
「檻」のようなもの。



歩み止めて、
わたしを今に押し留めようとするものは
すべて満月の光に溶かして。

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何を考え、
どんな行動を繋いでいけばいいのか。


それは、ひらめきと共にやってきます。


時にそれは奇抜で、
到底誰にも受け容れてもらえないだろうとか、
大失敗におわるだろうとか
無茶に思えるものかもしれません。


でも、結果は問題ではないのです。

わたしたちは
結果が「成功」でも「失敗」でも

そこから「次のきらめきへの種」を
見い出すことが出来る。



成功か失敗かにとらわれて止まっていた頃とは
「もう 違う」という気持ちで
自分を作りかえていく時なのです。


その視点、勇気が持てるはずだ、と
満月は伝えています。


背骨から頭頂へと駆け上がっていく
湧き上がるひらめき、感覚、衝動に
素直に行動し、

起こる結果を受けて
また次の行動をつないでいく。


「願いを叶えるため、
 わたしがわたしらしく生きることが
 この世界を照らす大きな光となるように。

 これまでの気安さとか、弱さとか、
 今までの隠れ蓑(みの)に隠れないで。
 
 理性的に、
 現実的行動をひとつずつ積み重ねていこう」



今しばらく、
臆病にも、わかった気にもならないで、
このことを心に留め、進んで参りましょう。





ここでちょっとまとめ。

【 水瓶座満月リーディング概略 】


 社会の中での在り方を俯瞰してみること。
 そのことにより、自分に対しての認識が変わり、
 行動も目標も整理され、変わって行く。

 ハードアスペクトばかりの満月だが、
 その分、変化に逆らわない人には
 『ブレイクスルー』の大チャンス


 ①今までの快適さ、
 「わたしって、こうだ」を捨て去り、
  まったく違う自己表現に
  思い切って飛び込む。
  
  無茶でもいいから、
  思いきり自分を輝かせること。
  (失敗、成功に一喜一憂せずに、
   そこから学ぶこと)

  ②「今までの平穏さ」
  「ルールを守ることによる安全」を
   突如として手放せる予感
   そこそこ幸せだけど、
   もう狭くなっている在り方の外に出る


 まとめのまとめ
 今まで、誰かへの遠慮や、自信の無さで
 自分自身をありのままに表現出来なかった
 葛藤を手放す浄化の満月。

 失敗も、成功も、ただの結果であり、学び。

 “ただあなたらしくあること”を
 流れに身をゆだねて、自分に許していく満月

  ㅤ ㅤ

これが水瓶座満月のテーマです。


***

【 カードメッセージ 】


今回のカードは
「龗カード」から。


30: サラスヴァティー

甘美なるビーナの調べ
空に満ち
地に満ちて

万物は響き合う
喜悦の中に

"愛はすり減ることはありません。
あふれるままに。
あなたが愛そのものになるように "


**



サラスヴァティーが現れた時に、
鳥肌が立ちました。


この満月の天頂高く輝く、
金星の化身のようなサラスヴァティ。



燃え盛る炎のような
自己表現のエネルギーの金星と

甘美にヴィーナをかき鳴らす
サラスヴァティが重なります。


「失敗も 成功もない」とは、

言い換えれば
「すべてが愛そのもの」ということ。


何がきても、結局愛である。


わたしがそれをわたしにさせてあげた、
全力でわたしを表現させてくれた、
生きさせてくれた。


そのことだけで、愛であり、完璧。



その想いがあれば、
この水瓶座の満月のテーマを
うまくご自分の中で消化していくことが
出来るのではないでしょうか。


**


さて すっかり
既に長いリーディングになっていますが、

ふと閃いて降りてきた
この水瓶座の満月を象徴するような
小さな物語をお伝えします。

わたしなりに感じ取った
この満月のテーマが
詰まっていると思います。


満月についての解説は
一通り終わりましたので、
お時間とお気持ちが許す方、
よかったらお付き合いください。


***

【Short Story. 水瓶座満月に寄せて】


『スーリヤと 白い獅子 チャンドラ』


遠い昔 

大きな白い獅子を
友として愛し 暮らしている
ひとりの若いマハラジャがおりました。


そのスーリヤというマハラジャが
幼き頃

父王は狩果として
森でひとり 迷子になっていた
白い獅子の子を王子スーリヤに与え、

それからスーリヤと白い獅子は
共に暮らし、
きょうだいのように仲良く育ちました。


白い子供の獅子が
幼いスーリヤのところにやってきた夜、


月の光を受けて
獅子の子の白い毛皮が青白く 
あまりに美しく輝いていたので、

「お前は 月の神 “チャンドラ”だ」

太陽神スーリヤの名前を冠する彼は、
白い獅子の子を そう名付けました。


嵐の夜も、
出逢った日のように
明るい月の光が差し込む夜も、

スーリヤとチャンドラは
共に同じ部屋で眠り

昼間は、
広大な麗しの庭園で共に過ごしました。



スーリヤは、
いつしか美しい若者となり、
王様なるに相応しく、
何人かの妃を迎えるようになりました。


それでも、スーリヤとチャンドラの仲は
さほど変わることなく
幸せに暮らしていましたが、

ある時迎えた妃が
このふたりの仲に嫉妬したのか

自分と一緒にいる場所で
スーリヤとチャンドラが共に過ごすことを
嫌がるようになりました。



「本当にすまない、チャンドラ」


妃の言葉を無下に出来ない
優しいスーリヤの気持ちを察して、

その妃がいる時には
チャンドラはひとり、
昼も 夜も
麗しく、広大なマハラジャの庭園で
過ごすことが多くなりました。


ある夏の日、
青い草の上でチャンドラが微睡んでいると


白い鳩が飛んで来て
喉を鳴らして クルクルと鳴きながら
チャンドラに話しかけてきました。


「立派な白い獅子さん。
 あなたは、なんでここにひとり いるの?」

「なんでって、
 この宮殿の中で、ここが一番落ち着くからさ」


チャンドラは答えました。


「さびしくないの?」

続けて鳩が尋ねます。



「うーん。
 ここには、大好きなスーリヤがいるし、
 わたしはここしか、知らないから」


チャンドラが答えると、

鳩が、ふーん、とうなづいた後、
続けて言いました。


「ここのお庭は、
 見渡しきれないほどとても広いけれど
 このお庭には、柵や壁はないよね。

 行こうと思えば、どこへでも行けるのに
 なんであなたはずっと、
 まるで何かに繋がれてるみたいに
 ここでじっと目をつぶっているの」



「白い獅子さん。

 その大きな前脚は、力強い後ろ脚は、
 何のためにあるの。

 立派で美しい、白いたてがみも、
 サファイアみたいに青くて綺麗な眼も。

 大きな体で、
 小さく 囁くような声で生きている」


「このお庭の外の大地には、
 あなたのことを待っている
 たくさんの誰かがいるかもしれないのに、
 ずっとここで、
 目をつぶっているつもりなの?」



「おかしいね。
 あなたを縛り付けてるものは、何もないのに。

 あなたはそんなに立派で、美しいのに」


そう言い残し、
クルル、と短く鳴いて
白い鳩は青い空へと飛びあがって

遠く、庭の外の彼方へと飛んで行きました。


その飛び去る白い鳩が
白い点になって 
最後青空に溶けて消え去るまで、
チャンドラはそれを見つめていました。


考えたこともなかった。

檻も、柵もない、
この庭、宮殿の、その外に出るなんて。


ああ、でも。

寝そべって投げ出された白い脚たちが、
むずむずと疼きます。


心が、ざわざわと波立ちます。


「わたしを待っている誰かがいるのかも」

「わたしが思うように駆け、
 声のままに吼えてもいい何処か」



それを考え始めてから、
チャンドラはずっとそわそわと
落ち着かない気持ちでいました。


「ああ、でも、大事なスーリヤ」


ずっと、そばにいた。
これからもそうだと思っていた。


スーリヤのことを思うと、
胸が苦しくなります。

そして、優しく、
ここで大きな力を持つスーリヤに守られて、
何の不自由も感じることなく生きてきた
無力で甘えきりだった自分のことも。


安全な場所、大切な人を手放して

ここから出ていくのは 
愚かしいことだろうか。


長く、チャンドラは悩みました。


でも、ひさしぶりに
スーリヤの部屋で共に眠る
はちみつ色に輝く
月の光が明るい夜のこと。


幼い頃と変わらないようでいて、
すっかり美しく大人びた
長いまつげのスーリヤの
健やかな寝顔を眺めながら、


「今夜が その時だ」


チャンドラは、悟りました。



鼻先を寄せて
懐かしむように スン、と
スーリヤの頬の香りをかいだ後、

チャンドラはそっと
黄金の月の光輝く庭へと出ました。


そして、静かに思い切るように、

駆けて 駆けて

もうすっかり
宮殿も その麗しの庭も見えなくなった頃


気がつけば
遠く東に拡がる大地を見渡せる
崖の上にいました。


生まれたばかりの太陽が、

青紺の夜空を
じわじわと金色に染め上げながら
まぶしく 登ってきました。


「ああ、スーリヤ(太陽)」


昇る無垢な太陽に、小さくつぶやいた。

心の隅にある
消しようもない不安、さびしさ。



でも、ああ、これは、なんだろう。


突き上げるような、熱い感覚。

衝動。

そして、喜び。

体験したことがないほど、鮮烈な。


気付けば、
チャンドラは生まれて初めて

誰に遠慮することもなく
大きな声で咆哮していました。


遠く東の空

昇るスーリヤ、太陽に向かって。

これから出逢う
数多の存在たちに向けて。



いつも通りの寝所で目覚めたスーリヤは、
何となく、悟りました。


チャンドラがいるはずだった
空っぽの寝所を見て

もう、彼は
戻ってこないであろうことを。


それは、
深く繋がり、共にいて

これからも
離れてもどこかで繋がっている
ふたりだからわかること。

「ああ、チャンドラ(月)」


まだ西の空に
丸い月が沈みのこる夜明けでした。


これからも

チャンドラは
日々の朝陽にスーリヤを想い、

スーリヤも
寝所伏す自分に注ぐ 青白い光に
月のように優しかった
チャンドラを想います。


離れていても、
 
それぞれが 
それぞれの輝きを生きていることを
心から信じながら。
 


 
***



太陽と月のように
時に重なり合い 離れながら生きた
スーリヤとチャンドラの物語。


いつもふと浮かぶショートストーリーの
登場人物に名前をつけることはないのですが

今回の白い獅子には
名前が必要だと感じました。


「チャンドラ」


この名前がパッと頭に浮かんで、
この名前は何かの名前なのか
調べたところ、

奇しくも、
インドの月の神様の名前でした。


そこから、
最初は名前がなかった若いマハラジャに、
太陽神「スーリヤ」という名前を
付けることにしました。


チャンドラは
自分でスーリヤの元を去るべき時を悟り

葛藤しながらも安全な宮殿を出て
無鉄砲な形ながら
自分の新しい生を始めましたが、

もし、
もっとそこにいること
スーリヤといることに執着していたら、

さらに不本意な、
つらい形でスーリヤと離れることに
なっていたかもしれません。


本能で、感覚で、衝動で求めるところに
素直に従ってみること。

例えそれが、
幸せな今までを
ある意味壊すことであったとしても。
ㅤ ㅤ


理屈じゃなく、

「この感覚に従わない訳にはいかない」

そう感じた時には、
それに従ってみましょう。


それがどういう結果になったとしても
それを選択したことに
ひとつの間違いもありません。


「今 この眼に見えない檻を破る」

それを決めた、行動した、
それだけである意味「大成功」なのです。



この満月からの2週間で
どんなものを整理し、手放していくか、
どこを調整していくのか、
ㅤ ㅤ
ㅤ ㅤㅤ ㅤ
ご自分の為に書き出したり
メッセージでシェアしてくださいね✨
ㅤ ㅤ

それでは 
良き満月を✨🌕
ㅤ ㅤㅤ
ㅤ ㅤ
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