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高解像度化したGSM(日本域)の天気図を描いてGSM(全球域)と比較する

はじめに

気象庁は2023年3月14日の00UTCのGSM(日本域)をより高解像度化したデータの配信を開始した。

https://www.data.jma.go.jp/suishin/jyouhou/pdf/601.pdf

これまで天気図自動生成システムではGSMの全球域のデータを使って天気図を作成していて、日本域のデータを使った天気図の作成をしていなかった。

これを機にGSM(全球域)とGSM(日本域)の天気図を比較してみた。

GSMの日本域データ

GSMの日本域のデータは、北緯 20度~50度、東経120度〜150度に限定されているが、全球域のデータより格子間隔が狭くなっており、より規模の小さい気象現象を表現できるようになっている。

これまでの日本域データは緯度経度が0.2度×0.25度の格子間隔のデータとなっていたが、高解像度化で0.1度×0.125度の格子間隔となった。

全球域では地上から100hPaまでは0.5度×0.5度の格子間隔なので、4〜5倍の高解像度ということになる。

ちなみに、MSMでは地上で0.05度×0.0625度、気圧面で0.1度×0.125度の格子間隔となっている。

なお、ChatGPTに聞いてみると、0.1度×0.125度は日本付近では約11km×11kmくらいのようだ。

GSM(全球域)との比較

いつも作っているGSM(全球域)の地上天気図と比較してみることにする。

こちらが全球域のデータをもとにした地上天気図。大陸から日本周辺、アリューシャン列島まで広い範囲の天気図を描画している。

GSM(全球)の地上天気図

この天気図から日本域のGSMの範囲に切り取って作成した地上天気図は下記になる。上図からは気圧間隔を4hPaから2hPaへ変更し、また図法も変更している。

GSM(全球)の地上天気図(日本周辺のみ)

そして、こちらがこれまで提供されていた緯度経度が0.2度×0.25度間隔のGSMの日本域のデータをもとにして作成した地上天気図。

旧GSM(日本域)による地上天気図

GSM(全球)と比較するとぼんやりと広がった感のある雨域がシャープに表現されているのが分かる。

次に今回の高解像度化した日本域のGSMをもとにして作成した地上天気図がこちら。

高解像度化したGSM(日本域)による地上天気図

新旧の日本域の違いはこの天気図からは大きな違いは見えない。低気圧性のスケールの擾乱ではあまり違いは出ないか?



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