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アメダス紹介・・・第1回 枚方アメダス

はじめに

気象予報士の中には、全国のアメダスを見学してまわっている方がいる。目的は予報を実務としている方は実務に活かすために訪れている方もいる。単に訪れることを楽しみにしている方もいるだろう。

私の場合、現状は予報士として仕事をしていないので、単に見て回ることを目的としているのだが、旅行ついでに訪れることが多い。

これまで10年以上にわたって、200カ所以上のアメダスを訪問してきたが、気象予報士の方々の中には、私の何倍ものアメダスを訪問した方もいることだろう。

これまで見学してきたアメダスを少しずつ公開していく。

アメダスは防災上たいへん重要な観測設備であるため、観測を妨害するような違法行為がないようお願いしたい。

アメダスの設置場所は気象庁が公開しているが、このnoteでは詳細な場所については基本的には公開しない。

枚方アメダス

第1回目は、枚方アメダスを紹介する。このアメダスは、私が最初に一人で訪れたアメダスだ。また、私の自宅から一番近いアメダスかもしれない。

訪問したのは2009年8月。設置場所は、枚方市内の小学校の裏手である。

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はじめてのアメダス紹介なので、簡単に説明すると、枚方アメダスは四要素の観測を行っているアメダスだ。

四要素とは、風向風速、気温、雨量、そして日照だ。一般的なアメダスでは、この四要素の観測をしているアメダスと、雨量のみを観測しているアメダスがある。

これ以外にも官署と呼ばれる、気象台、測候所(帯広と名瀬)、特別地域気象観測所(元測候所跡)に設置された観測施設がある。

− 話を元に戻そう

電柱のようなものの先に設置されているのが、風向風速計だ。通常、風向風速は10mの高さで測定されるものとされている。

アメダスでは、このように5mの高さの支柱に設置されていることが多い。真偽の程は定かではないが、アメダスを全国に設置するための予算の関係で5mになったという話がある。

続いて、日照計は風向風速計のやや下に、逆三角形が見える構造物があるが、その先に斜めに付いているのが日照計だ(下写真)。ある一定以上の光量があると、日射があるとする。

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観測機器を設置している場所を露場と言う。そこに設置されているのが雨量計だ。近づいて見ると、下記のようなものだ。

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転倒ます型雨量計と呼ばれる雨量計で、0.5mm単位で雨量を観測できる。

最後に、温度計だが、下記写真では見難いかもしれない。左に風向風速計が設置されている支柱が見えるが、そこに付いているステンレス製の容器のようなものの中に、温度計が設置されている。

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下の写真だと分かるだろうか。

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温度計は地表から、1.5mの位置に設置することになっている。日射が当たらないよう容器の中に入っており、また、空気が滞留しないよう、ファンが回って、空気を循環させて気温を測定している。

最後に、アメダスの設置場所から見た周囲の風景。

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アメダス見学の際には、周囲の環境も見ておくことが重要だ。

というのも、正しい観測のためには、周囲に観測を阻害するものがあってはならない。だが、アメダスは必ずしも理想的な環境に設置されているわけではない。

例えば、上記の写真でも分かるが、風向風速計が写っている写真の向こう側には、高い木が生えている。つまり、この方向からの風は低めに観測される可能性がある。

アメダスの設置にあたっては、できるだけ理想的な場所に設置しても、周囲の環境変化で観測に適さない環境に変化してしまうこともある。

今後紹介できればと思うが、実際に傍に民家が建設されたことで移設されたアメダスもある。


以上、枚方アメダスを紹介したが、これからも少しずつ訪問したアメダスを紹介したいと思う。

紹介した情報は訪問当時のものです


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