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ディライトワークスの『ミコノート』、サイゲームスの『ウマ娘』、激動の時代に飲まれるアプリたち

『ミコノート』、覚えていますか?

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発表されたのは2019年の2月5日。もう一年も前のことです。

ディライトワークスの制作部門である「MIRACLE POSITIVE STUDIOS」がプロデュース、韓国のディベロッパー「MADORCA」が開発を手掛けるアプリ。

言わずと知れた『Fate/Grand Order』を開発するディライトが新作を出すぞ、と軽く話題になりました。しかし、そこから続報は一切出ず。新人オーディションもやっていたはずですが、どうなったのやら。

さて、ディライトワークスと言えばほかにもアプリを発表して以降、一切音沙汰のないものがあります。こちらはまだタイトルすら不明。

このように、2019年初頭は手広くやっていくかと思われたディライトワークス。会社の製作組織図を見ても、多くの人材を集めてゲーム開発・運営をしていくものと思われました。

過去別のゲーム会社にいた開発者やプロデューサーといった方々が、ディライトワークスに就職していたりと、人材集めに奔走しているようにも感じ取れます。

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ディライトワークスから少しだけ距離を取って、サイゲームス。

こちらもアニメを放送した『ウマ娘』や、2017年にCBTを実施して以降動きの見えない『ロストオーダー』など、アレどうなってるの? なアプリがあります。

これらのアプリがどうして続報を出さないのか、あくまで個人の予想ですが書いていきたいと思います。

アプリは面白い=売れる、ではない

前提として、ゲームの開発には時間がかかります。『ミコノート』にしても正体不明のタイトルにしても、発表こそ2019年でしたが、その企画自体は1~2年前から始まっていたはず。

そしてアプリが発表された2019年ですが、アプリ業界としてはかなり混迷を極めていたと思います。結果として、「今はアプリを出すべきではない」という決断を下されたのではないでしょうか。

まず単純に、面白い=売れる、ではない。これは昔からそうですが、ここ数年はより顕著になっていると思います。ゲーマーからしたら全く面白くないアプリが、普段ゲームをしない人にとっては新鮮で楽しいものに感じる。

好きなYouTuberが遊んでいるから、皆が遊んでいるから。アプリは最早共通の話題を生むためのツールとしての価値が大きく、ゲームの面白さだけでは売れない時代です(アプリ限定の話です、コンシューマはまたちょっと違う環境)。

ゲーム性が面白いと評判の『メギド72』でさえ、当初は大きな話題になることがなく、話題に上がり始めたのは半年ほど経過したころ。アプリは現在、ゲーム性よりも話題性の時代を迎えています。

IPの安定感

「Google Play ベスト オブ 2019」でノミネートしたタイトルを見てみると、そのほとんどが人気IPタイトルかハイパーカジュアルゲームです。もう、新規タイトルが面白さだけで売るのは厳しい時代。

数年前だったら間違いなく大ヒットしていただろうな、というタイトルが息切れ寸前だったりするアプリ界隈、新作を出すのはかなり苦しいと思います。

というわけで、ここ数年でアプリを売るには「知名度」と「話題性」が欠かせないということに各メーカーが気づいて、躍起になってIPタイトルを確保しにいきました。完全新規タイトルを作るより、IPを借りた方が安定して利益を出しやすいわけです。

2019年に配信や発表されたタイトルを見ると、結構な確率で人気IPが多いんですよね。(話題にもならず半年で消滅したアプリとかも含めると新規タイトルも多いですが)

加えて、『パズドラ』や『モンスト』をはじめ長寿アプリがずっと生きているので、単純に見込み客が少なすぎるのも要因。仮にパズルゲームを出すなら、『パズドラ』から一気に客が離れるタイミングにドンピシャで配信しないと、ユーザーが集まりません。

アプリ業界がそんな状況になる境目で開発がスタートしてしまったアプリが、未だに表に出ることを許されず犠牲になっているのではないでしょうか。

ただ、例外的に『ウマ娘』だけは多分もう内部の人にしか分からない状況です。テレビアニメの評判も良かったので、あのタイミングで出せれば間違いなくヒットしたはず。

『ウマ娘』は話題性は間違いなくありました。となると、問題になったのはゲーム性の問題なんじゃないかと。詳細なゲームシステムが出ていないので分析はできないですが、パワプロ風の育成ゲームだったとすると、抜本的な改修が必要だったのではないでしょうか。

例として『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(シャニマス)を挙げると、配信当初にものすごくゲームシステムを批判している人が多かったですよね。

パーフェクトとは言えないまでも、ゲーム性を理解すればまあまあ面白い『シャニマス』。あれが多くの批判を浴びたことからも、もうアプリには「従来のゲーム」がそこまで求められていないという印象を受けました。

『ウマ娘』もその辺りの状況から、このまま出したらユーザー離れが起きそうと危惧したんじゃないかなぁと、個人的に予想してみたり。

好きなゲームは話題にしてあげてください

というわけでまとめていくと、ディライトやサイゲームスなど、お金は持っているけどゲーム会社として大きな歴史を持っていない会社が、次の一手を差し込めずに停滞している印象を受けます。

2019年は厳しい、と言いましたが、スクウェア・エニックスは『ロマサガRS』、『ドラクエウォーク』などで成功を収めています。『ドラゴンクエストタクト』も控えていますし、スクエニは今後もIPを使って稼いでいくでしょう。

話題性に欠けていて、「いま出しても売れない」という予想のもと開発が停滞しているであろう時代の犠牲者たち。もし日の目を見ることがあって、ちゃんと面白いゲームだったなら、Twitterとかで遊んでいる様子をツイートしたりして、話題にしてあげてください。

●Twitterも始めました、ちょくちょくゲーム関係のこと呟いていく予定ですので、フォローしてくれたらうれしいです。

https://twitter.com/symbolrabbit

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