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「アプローチ」の法則【19】地沢臨(ちたくりん)/64卦

アプローチ、希望に満ちた進歩の時、春が近づく、接近のイメージ、接触するイメージ、前進と到着、大きくなる、二人が一緒に前進する、近づく
の【19】地沢臨(ちたくりん)。



【~「易」に全てを帰納する~】。プロフィールに書いた言葉です。いろいろな現象や出来事、事例やデータには共通点があります。帰納するとはその共通点を探して言葉でまとめてみようという試みです。その帰納する言葉になるのが易(易経)の言葉です。



「一回読んだだけでは理解できない」というのは、易(易経)を学ぶ人には共通している悩みのようです。自分もそれで大分苦労しました(今でも苦労しています)。



学んでいると、たまに「これはこういうことなんじゃないか」と分かる瞬間があります。そうしてまた原文(漢文)と書き下し文を読んだりすると理解できたりします。



易(易経)を初めて知る人、また学びたいと思ってる初心者に、過去に初めて易(易経)を学び始めたときに自分が困ったこと、つまづいたこと、苦労したことなどを盛り込みながら書いていますので、興味がある人はどうぞ参考にしてみてください。



このNOTEは原文(漢文)と書き下し文を確認したい時などに参考にしてもらえたらと思います。



全部である64卦あるなかのひとつ19番目の【19】地沢臨(ちたくりん)の原文(漢文)と書き下し文です。



【19】地沢臨(ちたくりん)



『卦辞』

「臨、元亨利貞。至于八月有凶。」
「臨(りん)は、元(おおい)に亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よろ)し。八月(はちがつ)に至(いた)れば凶(きょう)有(あ)らん。」

(りんは、おおいにとおりてただしきによろし。はちがつにいたればきょうあらん。)



『彖伝』

「彖曰、臨、剛浸而長、説而順、剛中而應。大亨以正。天之道也。至于八月有凶、消不久也。」
「彖(たん)に曰(いわ)く、臨(りん)は、剛(ごう)浸(ようや)くにして長(ちょう)じ、説(よろこ)びて順(したが)い、剛中(ごうちゅう)にして応(おう)ず。大(おお)いに亨(とお)りて以(もっ)て正(ただ)しきは、天之道(てんのみち)なり。八月(はちがつ)に至(いた)れば凶(きょう)有(あ)らんとは、消(しょう)すること久(ひさ)しからざればなり。」

(たんにいわく、りんは、ごうようやくにしてちょうじ、よろこびてしたがい、ごうちゅうにしておうず。おおいにとおりてもってただしきは、てんのみちなり。はちがつにいたればきょうあらんとは、しょうすることひさしからざればなり。)



『象伝』

「象曰、澤上有地臨。君子以教思无窮、容保民无疆。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、沢(さわ)の上(うえ)に地(ち)有(あ)るは臨(りん)なり。君子(くんし)以(もっ)て教(おし)え思(おも)うこと窮(きわ)まりなく、民(たみ)を容(い)れ保(やす)んずること疆(かぎ)りなし。」

(しょうにいわく、さわのうえにちあるはりんなり。くんしもっておしえおもうこときわまりなく、たみをいれやすんずることかぎりなし。)



『爻辞』



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━〇


「初九。咸臨。貞吉。」
「初九(しょきゅう)。咸(かん)じて臨(のぞ)む。貞(てい)にして吉(きち)なり。」

(しょきゅう。かんじてのぞむ。ていにしてきちなり。)
「象曰、咸臨。貞吉、志行正也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、咸(かん)じて臨(のぞ)む、貞(てい)にして吉(きち)なりとは、志(こころざし)正(せい)を行(おこ)なえばなり。」

(しょうにいわく、かんじてのぞむ。ていにしてきちなりとは、こころざしせいをおこなえばなり。)



上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━○
初九━━━


「九二。咸臨。吉无不利。」
「九二(きゅうじ)。咸(かん)じて臨(のぞ)む。吉(きち)にして利(よ)ろしからざるなし。」

(きゅうじ。かんじてのぞむ。きちにしてよろしからざるなし。)
「象曰、咸臨。吉无不利、未順命也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、咸(かん)じて臨(のぞ)む、吉(きち)にして利(よ)ろしからざるなしとは、未(いま)だ命(めい)に順(したが)わざるなり。」

(しょうにいわく、かんじてのぞむ。きちにしてよろしからざるなしとは、いまだめいにしたがわざるなり。)


上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━○
九二━━━
初九━━━


「六三。甘臨。无攸利。既憂之无咎。」
「六三(りくさん)。甘(あま)んじて臨(のぞ)む。利(よ)ろしき攸(ところ)なし。既(すで)に之(これ)を憂(うれ)うれば咎(とが)なし。」

(りくさん。あまんじてのぞむ。よろしきところなし。すでにこれをうれうればとがなし。)
「象曰、甘臨、位不當也。既憂之、咎不長也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、甘(あま)んじて臨(のぞ)むとは、位(くらい)当(あた)らざればなり。既(すで)に之(これ)を憂(うれ)うれば、咎(とが)は長(なが)からざるなり。」

(しょうにいわく、あまんじてのぞむとは、くらいあたらざればなり。すでにこれをうれうれば、とがはながからざるなり。)


上六━ ━
六五━ ━
六四━ ━○
六三━ ━
九二━━━
初九━━━


「六四。至臨。无咎。」
「六四(りくし)。至(いた)りて臨(のぞ)む。咎(とが)なし。」
(りくし。いたりてのぞむ。とがなし。)
「象曰、至臨。无咎、位當也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、至(いた)りて臨(のぞ)む、咎(とが)なしとは、位(くらい)当(あた)ればなり。」

(しょうにいわく、いたりてのぞむ、とがなしとは、くらいあたればなり。)


上六━ ━
六五━ ━○
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━


「六五、知臨。大君之宜。吉。」
「六五(りくご)、知(ち)にして臨(のぞ)む。大君(たいくん)の宜(よろ)しきなり。吉(きち)なり。」

(りくご、ちにしてのぞむ。たいくんのよろしきなり。きちなり。)
「象曰、大君之宜、行中之謂也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、大君(たいくん)の宜(よろ)しきとは、中(ちゅう)を行(おこ)なうの謂(いい)なり。」

(しょうにいわく、たいくんのよろしきとは、ちゅうをおこなうのいいなり。)


上六━ ━○
六五━ ━
六四━ ━
六三━ ━
九二━━━
初九━━━


「上六。敦臨。吉无咎。」
「上六(じょうりく)。敦(あつ)く臨(のぞ)む。吉(きち)にして咎(とが)なし。」

(じょうりく。あつくのぞむ。きちにしてとがなし。)
「象曰、敦臨之吉、志在内也。」
「象(しょう)に曰(いわ)く、敦(あつ)く臨(のぞ)むことの吉(きち)なるは、志(こころざし)内(うち)に在(あ)ればなり。」

(しょうにいわく、あつくのぞむことのきちなるは、こころざしうちにあればなり。)