天候デリバティブとは?

大学の授業で天候デリバティブについて触れました。全く知らなかったため調べてみました。

1.天候デリバティブとは何?

まず英語が苦手な私はデリバティブの意味が分かりませんでした。

derivative(デリバティブ)
金融派生商品のことをいいます。金融派生商品とは、金利 ・為替・株式・債券などを先物・オプション・スワップ取引の形で組み合わせた高レベルな金融商品のことです。1980年NASAなどを退職した理工系技術者たちによって開発され、リスク回避や投機などの目的に利用されています      引用:Weblio辞書

この説明を読むと分かるように、天候デリバティブとは天候によって発生するリスクを回避するために運用する金融商品です。天候は経済に少なからず影響を及ぼしてます。

アメリカの国内総生産の約22%が天候の影響を受けている。      2030~2099年の1人当たり国内総生産の変化:地球温暖化なしの世界と比較して日本のGDPは35%減少

気候変化の影響の例として電力が挙げられます。

冷夏→涼しいために電力消費が少ない                 暖冬→温かいため電力消費が少ない                  冷夏だと電力消費が少ない、つまり需要量が少ないので電力会社の収益は例年より下がります。同様に暖冬でも電力消費量が少なくなり収益が落ち込みます。

さらに冷夏だとアイスなど氷菓の売上も減ります。           暖冬だと雪が降らずスキー場に来る観光客が減ります。

このように天候は経済に大きく関係しています。この天候による収益減少のリスクを回避するために作られたのが天候デリバティブ(金融派生商品)です。

2.天候デリバティブの始まり

1997年にアメリカで開発され、店頭での取引が始まりました。日本では1999年に保険会社が取り扱いを開始しました。取り扱いから20年がたっていますが個人向けの商品ではなく、法人向けで天候に左右される業界で扱われる商品なので世間で浸透していないのではないかと思います。日本では保険会社での取り扱いが多いようです。

3.天候デリバティブと保険の違い

日本での天候デリバティブは保険機能のあるものが好まれます。では保険と天候デリバティブとの違いは何でしょうか。    

保険(火災保険):台風・竜巻等による天災の損害を補償するのは火災保険に含まれます。保険の場合、台風や竜巻でガラスが割れた、屋根が吹き飛んだ、などの具体的な損害に対して保険金が支払われます。

天候デリバティブ:保険会社と商品を契約するときに契約料を払い、契約条件を決めます。期間中に気温、降水量、降雪量などの指標が条件に合うときに一定のお金が保険会社から支払われる仕組みです。具体的な被害がなくともお金を受け取れることが特徴です。

個人的にですが、保険は受動的、天候デリバティブは積極的なリスクコントロールだという印象を受けました。

4.感想

授業の中で天候デリバティブについて聞いたとき、人間は天候という人間が手に負えないことにまでお金儲けに利用し始めたのかと恐ろしくなりました。しかし調べていくうちに日本では個人向けではなく法人向けに売られていること、人間の力ではどうしようもない天候変動による収益減少で苦しむ企業を助けるための商品なのだと分かりました。

天候デリバティブは保険よりも保険会社から支払われる合計額が大きそうだと感じました。企業の取引先である保険会社も利益がないと天候デリバティブを取り扱わないため、最初に保険会社に支払う額が一般的な保険よりも大きくなるのではないかと考えます。最終的に保険と天候デリバティブどちらが法人にとって有効なのか疑問が残りました。

最後に

天候による影響を天候で補償するとは面白いですよね。経済って面白いなと思えるテーマでした。ほかの金融派生商品についても知りたいです!


参考




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