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本屋が急に閉店するということ

  1. 「働いていた本屋が閉店するらしい」
    2022年3月23日
    社長が「大事な話がある」と店に顔を出した。いつも大事な話があると言ってもたいしたことではないので(コラ)いつものように気楽にS店長とハードロックでコーヒーを頼み3人座った。「5月で店を閉める。6月からJRの耐震工事が入る。契約は先だが採算が取れなくなったので閉める」という内容。寝耳に水…うそでしょ!?冷静を装いつつ納得出来なかった私も店長もそれは抵抗した。しかも私は専務からの勧めで店がある前提でもう一店舗出せたらいいなあとビジネス講座を受講していたのだ。

店に戻ってからスタッフの「今度やればいいですよ」など些細な会話に胸が痛くなる。ナツコミのフェアセットはスタッフの本田君と話し合って注文したばかりじゃないか。そっとs-bookから

2021年atre上野のインスタ取材で撮影したもの

取り消す。とにかく5月中旬閉店と言われ在庫を返品しておかなければ、気づかれないように。棚卸のせいにしてあんなに返品率にうるさかった私が返品してと言い出す。在庫管理は私の得意な仕事。どこに何があるか把握できないのなら在庫は持たない方がいいと前の書店で働いていた時に先輩から教えてもらった言葉だ。こんな時にも役に立つとは皮肉だなとどこか冷静な自分がいる。今は確かに不景気で営業時間も人件費も削っているけど棚構成も人流も悪くなかったじゃないか、人さえ戻れば大丈夫なのに…半信半疑の自分と絶望の自分がいた…(つづく)


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