ヨット購入後のアップグレード作業 その1

画像1 さて購入後の最初のプロジェクトに着手です。 最終合意価格に対して、8%の税金もしっかり払いました。個人売買であれば税金を払う必要はないのですが、高額商品を個人から購入するのは勇気が必要ですね。 税金で中古車1台が買える金額でした。ただその後もどんどん出費が続きます。 まず、購入した船の状態から更新すべき部分をリスト化して、実績のある業者さんに少なくとも最初の1-2回はしっかりメインテナンスをお願いすることにしました。 表はやるべき作業リストです。アドバイスを受けながら優先度を決めました。
画像2 ヨットを持つと、このメインテナンスコストをしっかり予算化しておかないと船の維持が難しくなっていきます。 特に雨漏りやビルジもれ、など放置した状態で売りに出された船を見てきましたが、そのような船は売るのも一苦労です。 匂いや、カビはなかなか抜けないのですね。 北米ではサーベイヤーシステムがしっかりしていて保険に加入する際にサーベイレポートを出すことが義務化されており中古艇を購入する際にこのレポートを前オーナーから入手することもできるようです。
画像3 しかし日本にはそのようなシステムはなく、買い手がすべてのリスクを受け入れ、後から修理対応を覚悟で、購入判断を強いられます。 幸いに大きな問題は見つかりませんでしたが、1点セルデンマストのリコール情報をWebで見つけました。 ちょうどフォアステーを受けるためのマストトップの金具が溶接強度が不足して、壊れるリスクがあるとのことでした。 外洋で、嵐に合わない限り大きなストレスはかからないはずなので、緊急度はありませんが、いつか交換が必要です。
画像4 船の状態は船齢13年にしては内装に関してとてもきれいでした。カーペットがひかれていたので、床も新品状態、エンジンも酷使された感じはなく、前のオーナーは長距離のクルーズをしていなかったようです。 ただし、ドジャーや、セイルはだいぶ劣化しており、ラミネートの内側に汚れが入り込んでおり、たるみも出てきている状態でしたので、新調することにしました。 たまたまセイル屋さんの友人がいましたので、ドジャー、ビミニも併せて発注しました。 2回のアップグレード総経費は購入費用の約25〜30%程度かかりました。
画像5 ジブセイルは120%ぐらいのビックサイズでしたが、下田沖は強風下のセイリングが主体なので、クルージングカットで85%ぐらいに抑えたセイルを作りました。 これは正解でした。 それからショートハンドでのウィンチワークを快適にするため、2年目にプライマリー(52ST)2台の電動化を行いました。 これもとても通常費用が掛かるアップグレードですが、モータ駆動部をアメリカから調達したので、コストを抑えることができました。 電動化により入出港でのセイルアップ、セイルダウンが非常に楽になりました。
画像6 我々がメインテナンスをお願いしている業者さんは、電話で質問するとこちらの課題や質問にいつも真摯に対応してくれるので、非常に心強いです。 ホームドクター的な存在でいてくれるので、当初は高い費用と感じましたが、総合的には安心を買うとともに、長い目で見た船の劣化を防ぐという意味で必要な出費だったと考えています。 今年は船底作業は自前に変更し、総経費は3分の1でした。 リタイア後もどこまでこの船が維持できるかというのは、新たなチャレンジです。 次回はネットワーキングについてアップの予定です。

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