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カタマランって、どうなの?

初回の瀬戸内ヨットラリーに参加してくれたのは、アメリカ船籍のカタマランヨットでした。 初回は広島から、尾道、大三島、仁尾、白石島、小豆島、最後は芦屋まで2週間の行程で開催されました。アメリカから参加の海外艇は42フィートのカタマランでした。

彼らは、カリブ海スタートで、パナマを抜け、南太平洋から、オセアニアを約5年かけてゆっくりと回ってきたとのことでした。多くの島々をほとんどアンカリングで過ごし、係留費用を抑えながらの長期クルーズとのことでした。
その為には持ち物をガレージセールで減らしていき、自宅も売却しての出航だったようです。

特に社交的な奥様は、プロ顔負けのシンガーでした。 歌もハープを演奏しながら、そしてレパートリーも大変広く、常に練習をしているようでした。
ラリーの中でもおそらく参加者は何度も彼女の歌声に魅了されたのではないでしょうか?

カタマランが素晴らしいのはその居住性で、幅はとりますが、ちょうどリビングルームを持ったヨットで、10名ぐらいでの食事やアフターディナーコンサート等も容易に行うことができる広さを持っています。 「まさにパーティーボートです」 

また船内には、各船体に2つのベッドルーム、シャワー付きのバスルームまで備わっています。 彼らは太陽電池パネルを通してエネルギーを生みだし、まさに快適な動く家という感じでした。

彼らの主な経費は食費とボートのメンテナンスで、年間約8,000ドルから10,000ドルとのこと。 日本ではアンカリングできる泊地が少ないので、もう少し経費はかかっていると思います。 

ちょうどラリー終了後、秋に伊豆の我が家にも遊びに来てくれ、素敵な歌を披露してくれました。 アカペラのレミゼラブルは素晴らしいものでした。 

そして翌年北米に向け航海するとのことで、彼らの船が下田に寄港しました。 ちょうど黒船祭りが開催中だったので、我々もカタマランに一泊お世話になり、黒船祭りを楽しみました。  どこで手に入れたのか着物を持ってきていたので、着付けを依頼してお祭りを着物を着ながら楽しみました。我々にとっても、この年の黒船祭りはとても良い思い出となりました。

彼らは現役で働いている間購入した船を、カリブ海でチャーター会社に委託し、運用収益を上げていたようです。 賢いですね。
それから、家を売却してボート生活に転向したことで、固定資産税や、電気水道などのコストから解放されたのです。  日本人で、自宅を処分して家族で船旅に出るなどといった発想はなかなかできませんね。

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