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ネットワーキング

ヨットは購入してみたが、さて何をどのようにすればスキルが上がるのか? クルーズ主体だと、自力で試行錯誤をしていくか、コーチを雇うか、知人に乗船してもらいスキルアップを図るか?

やはりシングルハンドやダブルハンドで20ノットオーバーはまだ落ち着いて対応ができるかと言うと課題があります。 ある人からは、出航してからスキルは付いてくるとのアドバイス?も。

当初は、下田に船を置いて週末セーリングを楽しみましたが、港を出ると即外洋なので、うねりが1-2mあるのはごく当たり前です。 神子元島まで1時間程度の距離はちょうど良い散歩コースですが、予報を見て出たつもりでも白波が立ってきて、リーフィングを強いられる頻度は結構ありました。 私の妻はそれほどセイリング経験があるわけではないので、ヒールがきつくなると、すぐに港への帰還命令が出るわけです。

近年の台風の大型化を懸念して、昨年夏に係留地を沼津の近くの内浦湾に移動しました。 この海域はうねりは少ないし、下田の海域が30ノット近く吹いていても、湾の奥では15ノットも吹かないので、出艇率が一気に上がりました。数時間でもセイリングを楽しめるという環境は理想です。

泊地選びのもう一つの要素は、活動している船がどれだけいるかと言う点です。
数百艇も船が係留されているマリーナでも動かないヨットの数増えていませんか?
地方や田舎の泊地だと経験値の高いベテランがいて、新しいメンバーへのサポートが厚いといった恵まれた係留地も中には存在るのですね。

ここで少し話が過去に遡ります。
ヨットで海外に出かけるような長距離航海を目指すセイラー達のコミュニティを作ろう、ということで2008年から東京を中心にクルーズ派を集めた活動がスタートしました。 長距離航海に関した情報を共有しよう、という趣旨で設立され、発起人は50フィートのヨットで西回りで世界一周の旅の途中でした。この会はその報告会も兼ねておりました。 また運営会員には、夫婦で7年かけて世界を回ったメンバーに加え、シングルハンドでケープホーン経由で世界を回ったメンバーも参加していたので、大ベテランだらけです。 私も微力ながら運営に参加させていただき、ヨット関連の人的ネットワークが徐々に広がりました。
航海ルート、費用から、装備、修理やトラブル対応、座礁事故の顛末、海賊に襲われた話、などなど、いつかロングの航海に出たいと考えているヨットマン、ヨットウーマンには、とても貴重な情報を得ることができる集まりでした。誰でも会費を払えば会員になれるのです。

この会の発起人はもう一つ、大きなビジョンを持っていました。 海外から日本を訪れるヨット乗りと一緒に、日本のクルーズヨットも瀬戸内に集まり、ラリーをやろうという計画でした。 ちなみに日本を訪れる海外のヨットは年間5艇前後で、多くて10艇ぐらいで、そしてその多くが春先に沖縄や九州に到着し、数年日本をクルーズし、6月前後にアラスカに向けてアリューシャン列島沿いに日本を離れていきます。

このラリーは初回が2013年に開催され、以降ほぼ毎年開催されています。 ピークでは参加艇も10艇を超え、おおいに賑わうイベントとなりました。 参加艇の募集からスポンサー探し、お役所根回し、商船学校の学生との交流、地元ヨットとのレース、温泉ツアーや、金毘羅さん詣まで様々な企画を基本ボランティアにより運営しています。 裏方の仕事は多く、私も当時は週末中心にラリー準備のサポートを行ないました。 今ではかなりの瀬戸内通です。

今年はコロナなどの影響でヨットクルーズも極めて難しい状況ですが、いずれ海外から訪れるヨットの数は復活するでしょう。

類似のイベントはヨーロッパや北米などに多く、最もスケールが大きいのがARCワールドヨットラリーです。 フリートを組んで1年かけて世界を廻ります。当然参加艇の装備基準や、クルー、キャプテンの参加基準もあり、500マイルノンストップの航海を経験している必要があります。ちょうど下田ー小笠原の距離に相当ですね。

ビジネスの世界もそうですが、やはり情報や人的ネットワークは力となるし、刺激にもなります。
次回は、ラリーを通し知り合った海外艇について紹介します。

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