第1章#1 ミーティアと再召喚
このお話は長月達平/鼠色猫さんの著作Re:ゼロから始める異世界生活の二次創作です。
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「またそんな不埒な目でラムを見ているの?いやらしい」
「見てねぇよ!俺の変わらない目つきの悪さは置いといて見てるのはこのミーティアだよ!!それにまたって何だよ!?人聞き悪いこと言わないでくれる?」
出会った頃から全く変わらない関係性の2人ーーラムとスバルだ。
場所はロズワール邸の食堂ーーといっても前までいた別邸が半年前の騒動で焼け落ちたため本邸の食堂だ。相変わらずロズワール邸ではみんな一緒にご飯を食べるのが暗黙の了解であり、今日も当然それは守られていた。
食後の片付けに入ったペトラとフレデリカ、伸び続ける牙のケアのため硬いものを噛みにいくガーフィール、食事を最速で終え午後の仕事に追われる敏腕内政官オットー。残されたメンバーにとっては一通りの食事が終わりひとときの歓談といったところか。
「あはははは。やっぱりスバルとラムったらすごーく仲良しさんよねー」
と場違いなツッコミをするのはエミリアだ。
「まぁ、エミリアたんに俺たちがどんな関係に見えてるのかは置いといて午後のエミリアたんもめちゃくちゃ綺麗だねー!E・M・T!!」
「もう、茶化さないの!」
パックが顕現できなくなってからというもの、アンネローゼが不在のときは髪型を弄る人がいないエミリアだが飾らない姿も麗しい。
ここロズワール邸本邸では「眠り姫」となったレム、そこにペトラ、フレデリカ、オットー、ガーフィールが聖域の騒動以降新たに加わり新生エミリア陣営として半年を過ごしてきた。当然そこにはスバルの頼れる相方もいるはずでーー
「スバル」
「おっふ、ひゃい」
「……ベティがはじめてスバルを名前で呼んだときみたいな返事をしているかしら」
「まぁ、その呼ばれ方にはもう慣れたんだが…帰りが早かったから驚いただけだ。あいつは元気してたか?」
「相変わらずスバルの作った人形とやらで遊んでたのよ。よくも毎日毎日飽きないかしら」
「今日で5日連続なんだ。食事を届けるだけじゃなくてそろそろ世間話でもしてやれよ。俺にはベア子とあいつは仲良くできる気がするんだが…」
「ベティはにーちゃとスバルだけいれば十分なのよ!」
「そ、それは父さん嬉しいけどベア子もちょっとは父親離れして友達作ってお外で遊んでこいよな」
「誰が父さんかしら!」
と頭を掻きながら答えるスバルの照れ隠しに強めの口調で素直に反論するのはスバルの契約精霊のベアトリスだ。ロズワール邸の地下にある座敷牢にいる人物ーー件の騒動以降座敷牢に軟禁されている少女メィリィに食事を届けるため、メイドの仕事が多い昼食だけは届ける人をジャン負けで決めていた。
「ハッ!大精霊のベアトリス様ともあろうお方が5日連続じゃんけんごときで負け続けるなんてね、大精霊の品格が疑われるわ」
「も、もう、何なのかしらー!」
「はいはーい、話が逸れるのはそこまでだーぁよ。ところでスバル君、そのミーティアの使い方については何かわかったのかーな?」
と、この歓談のメインテーマであるミーティアに話を戻したのはここまで黙って様子を眺めていた上座に座る屋敷の当主ロズワールだ。元々屋敷の廊下を掃除していたラムが拾った物で昼食時の話題としてラムが提供したことがこの歓談の発端である。この謎のオーラと匂いを放つ暫定ミーティアは虹色の球体で大きさはB玉サイズと言ったところか。他のメンツも思い出したかのように視線をそのミーティアに集めるが…
「さぁ?全くわかんねー。これが本当にミーティアなのかも疑わしいところだ。でもなんかいい匂いがするし部屋に置いとくだけでアロマオイルとして使えそうだぜー」
「そのあろまおいる?っていうのはちょっとわからないけどこの匂いチョベリグね!」
「チョベリグってきょうび聞かねえな、その古臭い言い回しはいつもどっから来てんだか…ところでベア子、これに見覚えあったりするか?」
スバルがベアトリスに暫定ミーティアを見せるために渡そうとしたところ
「ーーッ」
スバルの手は空を掴んでいた。スバルは手から滑り落ちたミーティアの落下を見ることしかできない。瞬く間にミーティアは床に接近、床の衝突と共にピキンッとガラス玉が割れるような音と共に謎の煙を放出した。その煙に身体が、頭が包まれ、混沌の闇の中に陥って、陥って、、陥って、、、
そして、、、
そして後のことをナツキスバルは覚えていない。
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「あ、スバル!やっと起きたのね」
「まったく世話がかかるぱーとなーなのよ」
スバルを親愛の目で見つめる2人の双眸。
「え、エミリアにベア子!って膝枕!?何が起こったんだ?」
「何が起きたのかは私も知りたいんだけど」
「それななのよ。このマナが全くない濁った空気の正体は何でここはどこでどうやって帰るのかしら。それに変な形した魔獣とか竜のいない竜車とか初めて見たのよ」
ベアトリスの発言の意味が分からない。マナのない空気?変な形した魔獣?竜のいない竜車?
そんなものあるはずがーー
「え?ここって…」
エミリアの膝枕から起き上がり周囲を見渡すとそこにあったのは見慣れた景色でーー
「日本じゃねーか!?」
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読んでくださりありがとうございました!
時系列は四章(アニメ2期)終了後半年程度を意識して書きました。本編ではあまり描かれない四章後の1年間の短編を読んでみたいと思い、試行錯誤して文字化したのが始まりです。拙い文章と少ない語彙力ですがよろしくお願いします。感想、コメント、ダメ出しなどお待ちしております。
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