私のぎろふわお兄ちゃん
「歳華ちゃんのお兄ちゃんってかっこいーね」
三井ミリネにそう言われた時、歳華は素直に喜ぶ前にまず訝しんだ。歳華のお兄ちゃんといえば、目つきが悪く無愛想で、他人に悪印象を与える威圧感を持った人間である。そんなお兄ちゃんのことを歳華はくろうと向け(これは小鳩が教えてくれた言葉だ)の魅力があると思っているけれど、それがそんじょそこらの小学六年生に理解出来るものだとは思っていない。
ということは、ミリネは何かを勘違いしているのだ。何かミリネが勘違いする要素があっただろうか?
ここから先は
8,884字
¥ 200
サポートは脱法小説本に使います