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戯の森 4


夕暮れ刻の森のおく
ささやき微笑む少女たち
草花と動物達がおどるワルツ
誰も知らない あじゃらの森で
その様子、呆れて眺める3人の魔女。
1人は沼から、 1人は洞から、 そしてもう一人は鏡から。
ずっとみている。呆れてみている。
そしてまだ昼も過ぎぬ頃、青年はとうとう森の奥にある、
これまでよりさらに鬱蒼とした、黒い黒い森に行きついてしまった。

青年は意気揚々と、黒い黒い森にわけいっていく。
ますます悪いその足元。ぬかるみ、生い茂る草、石という石が積まれた崖。
これでは誰も進めまい?
しかし青年はほくそ笑んでさえいる。
いよいよ感じる、予感がする、 蝶の気配!
森は鬱蒼と暗く陽もとぎれとぎれにしか射さぬのに
ここに咲く花の香のかぐわしさ、美しさといったらどうだろう!

滑っても 転んでも 青年は楽し気に進んでいく
一度とて引き返そうとはしなかった

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